相島雅樹

『UXデザインの法則』(https://amzn.to/3fle5VE)、『行動を変え…

相島雅樹

『UXデザインの法則』(https://amzn.to/3fle5VE)、『行動を変えるデザイン』( https://designing-for-behavior-change.jp/ )を訳しました。SUUMOリサーチセンター研究員。

マガジン

  • 組織を変える行動変容のデザイン

    • 1本

    サービスデザインネットワーク 日本支部のタスクフォース「行動変容と組織のデザイン」が運営するマガジンです。 サービスデザインと行動変容デザインの交差点でなにができるのかを模索しています。 いまは組織行動のデザインに取り組んでいます。

  • 『UXデザインの法則』と『行動を変えるデザイン』を読む。

    • 13本

    訳者が2つのUX書籍について考えたことを紹介していきます。 『UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学』(オライリー・ジャパン、2021年)は、UXデザインに活用できる10の心理学法則を取り上げています。それぞれの法則を起源までさかのぼり「なぜそうであるべきか?」を紐解いている点が特徴です。 『行動を変えるデザイン 心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する』(オライリー・ジャパン、2020年)という本は「行動変容デザイン」についての書籍です。行動を変えたいと思う人を手伝うプロダクトやサービスをつくるための本です。翻訳者が行動変容デザインに興味を持ってくださったみなさんへ、『行動を変えるデザイン』という本のエッセンスを紹介していきます。 書籍紹介ページ: http://designing-for-behavior-change.jp/

最近の記事

  • 固定された記事

ネットワーク効果のための行動変容デザイン

概要単にサービスやプロダクトの効果を高めるだけでなく、もっとプロダクトやサービスを使ってもらうために、行動変容デザインの考え方を活かすには、ネットワーク効果を生む行動変容を設計する必要があります。しかし、行動を変えるプロダクトやサービスは、単に利用目的を満たすことにのみ注力しがちで、その影響力を拡大するために行動を変えるデザインの力を活かしきれていない、ということが多いように思います。 いかにネットワーク効果を生み出すか、そのために行動変容デザインをどのように活かせるのかを

    • DONBURI🍜を毎週使ったら、チームと自分が、ととのった

      記事更新情報: DONBURIをmiroverseに公開しました!(2023/6/14) エンゲージメントツール DONBURIとは何か「DONBURI(ドンブリ)🍜」は、 息のあったチームになるために、 早く・深く・簡単に!なかまと自分に向き合えるエンゲージメントツールです。 DONBURIは「自己紹介」をアップデートし続ける 毎週10分、みんなが集まる場(オンライン・オフライン)で自分の考えを共有し、まわりがどう考えるかを想像します。相手や自分のことを考えると、いま

      • いかにネットワーク効果をデザインするか? "The Cold Start Problem" を読む、いや、読んでいる

        すごい本がでた、と思っています(22%読了)。The Cold Start Problemという本です。 The Cold Start Problemのアイディア 本書の基本的なアイディアは、ネットワーク効果を5つの段階にわけて、具体的に説明する、というものです。 ”シリコンバレー”のベンチャーが世界規模のビジネスを構築した理由である「ネットワーク効果」というバズワードを、実例や理論、歴史をもとに具体的にする 人間はそもそもネットワークの生き物だ(i.e. 人「間」)

        • 「ウェブ」と「アプリ」では解けない問題について

          ウェブとアプリのプロダクトマネジャーを経験する中で、どうも「ウェブ」と「アプリ」という表現体系・ユーザー体験だけでは、不動産のような非対称のある(ステークホルダー間に情報や認知の乖離の大きい。つまり馴染みのない)情報を扱うには、どうにも不十分に感じました。そして、もしウェブでもアプリでもない、第三のパターンがあったとしたら、(不動産に限らず、医療などの)馴染みのない情報を人はもっとうまく扱えるようになるのでは、と考えています。 「ウェブ」という体験 わたしにとってウェブは

        • 固定された記事

        ネットワーク効果のための行動変容デザイン

        • DONBURI🍜を毎週使ったら、チームと自分が、ととのった

        • いかにネットワーク効果をデザインするか? "The Cold Start Problem" を読む、いや、読んでいる

        • 「ウェブ」と「アプリ」では解けない問題について

        マガジン

        • 組織を変える行動変容のデザイン
          1本
        • 『UXデザインの法則』と『行動を変えるデザイン』を読む。
          13本

        記事

          UX地政学 試論

          『UXデザインの法則』という本を訳したとき、自分はアメリカ人が書いた本を訳すことでアメリカ流のものの考えを知らず知らずのうちに広めているのだな、と感じました。細菌学者が未開の地に飛び込み、そこから新薬を開発する様に、日本の人間が日本に自生している体験をとらまえ、それを応用したグローバルプロダクトを作り出すには、どうしたらよいのか、そのためにUX地政学という考え方を思考実験してみました。 地政学では、政府が関税をあげたり規制をかけたり、あるいは補助金をつけることで、地理的ある

          UX地政学 試論

          『UXデザインの法則』をなぜ訳したのか

          翻訳に携わった『UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学』(オライリー・ジャパン、2021年、Jon Yablonski著、相島雅樹、磯谷拓也、反中望、松村草也訳)が2021/5/18に発売されます。発売を前に翻訳の意図や思いについてまとめておきます。 翻訳の意図の要約: ・「だってなんだかだってだってなんだもん」では済まされないITサービスに溢れた世界を生き延びるため、 ・薄くてわかりやすい、プロダクト・サービスと心理学の本を訳しました なぜそうした

          『UXデザインの法則』をなぜ訳したのか

          『問いのデザイン』と『行動を変えるデザイン』を合わせて読む

          『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。 『行動を変えるデザイン』を翻訳したあと、Twitterで書籍の反応を見ていると、どうも『問いのデザイン』という本と合わせて購入している方が多いということがわかりました。 同じく「デザイン」とタイトルについていますが、かたやプロダクトのデザインを対象にしたもの、方やワークショップのデザインを対象にしたもの。いったいどのような読まれ方をしているのだろう?わたし自身も気になって、両方あわせて読みました。そのなかで、なんだか似ている

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          行動変容デザインは人を死に至らしめるのか

          こんにちは。『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。 訳書『行動を変えるデザイン』について、HCD-Netでお話する機会をいただきました。今回は、その機会に話そうと思っていることを整理がてらnoteに書いておこうと思います。 行動変容デザインは非常に強力な技法です。その力が行き過ぎた結果、「行動変容デザインが人を死に至らしめている」かもしれません。6/20に起きたある事件から、デザインの難題について考えてみたいと思います。 もしご興味ある方は、当日(2020年7月

          行動変容デザインは人を死に至らしめるのか

          どのように行動は決まるのだろう? 〜 『行動を変えるデザイン』を読む~「理解」編

          ※この記事は「『行動を変えるデザイン』を読む」マガジンの一部です。 こんにちは。『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。今回は『行動を変えるデザイン』の第Ⅰ部について紹介します。 行動変容を理解する 従前、わたしたちには「ついつい」と「よくよく」の行動が同居しているというお話をしました。 彼を知り己(おのれ)を知れば百戦殆うからずと言いますが、行動変容を理解する上では、2通りの「己」が存在する、ということです。しかし、いったいどのようなときに、どちらの「己」がもた

          どのように行動は決まるのだろう? 〜 『行動を変えるデザイン』を読む~「理解」編

          なぜ『行動を変えるデザイン』を訳したのか

          『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。 今日2020年6月11日は『行動を変えるデザイン 心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する』の発売日です。 そこで、相島の目線から、なぜ『行動を変えるデザイン』を訳したのか、訳すことができたのか、振り返ってみたいと思います。 わたし相島は、昔から、英語に苦手意識がありました。 About Face というインタラクションデザイン分野の分厚い本がありまして、 モバイル時代に対応している第4版に日本語訳がなく、新卒2

          なぜ『行動を変えるデザイン』を訳したのか

          行動を変えるプロダクトをつくるには ~ 『行動を変えるデザイン』を読む

          ※この記事は「『行動を変えるデザイン』を読む」マガジンの一部です。 こんにちは。『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。今回は行動変容デザインのプロセスについて紹介します。 行動変容デザインのプロセス『行動を変えるデザイン』で紹介されている行動変容のデザインプロセスは、理解・探索・デザイン・改善の4つのフェーズで進んでいきます。 理解するまず、行動をとるための、基本的な心理の理解につとめます。 そう、心の働きって、わたしたち自身、自分のことがよくわかっていません

          行動を変えるプロダクトをつくるには ~ 『行動を変えるデザイン』を読む

          行動変容デザインはなにができるのか ~ 『行動を変えるデザイン』を読む

          ※この記事は「『行動を変えるデザイン』を読む」マガジンの一部です。 こんにちは。『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。 行動変容をデザインできると、どんなことが起きるのでしょうか。今回はこの話題を自分なりのことばで紹介したいと思います。 行動変容の驚くべき事例集書籍『行動を変えるデザイン』には、「ついつい」とる行動が変わることで起きる、驚くべき成果がたくさん紹介されています。 Opower(オーパワー):全米で3億ドルもの電力消費を節約全米で3億ドルもの節電を

          行動変容デザインはなにができるのか ~ 『行動を変えるデザイン』を読む

          行動変容デザインとはなにか ~ 『行動を変えるデザイン』を読む

          ※この記事は「『行動を変えるデザイン』を読む」マガジンの一部です。 こんにちは。『行動を変えるデザイン』翻訳チームの相島です。初回は『行動を変えるデザイン』で紹介されている「行動変容デザイン」について自分なりのことばで紹介し、同時になぜこれを書いているのかもお伝えしたいと思います。 行動変容とデザイン行動を変えたい。誰でもこう思ったことがあるはずです。不健康になりたいと思っている人はいないけれど、ついついソファーの上でポテトチップスを食べてしまう。お金を増やしたいと思う

          行動変容デザインとはなにか ~ 『行動を変えるデザイン』を読む