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書道と習字

「習字」は文字を習うこと。正しい形や書き順を学び、美しく字を書くこと。

先生のお手本や、拓本された古の書家の字を見ながら、文字を書くことを臨書といいます。
形臨(字の形を真似て書く)、意臨(書いた人の気持ちや時代背景などをくみ取って書く)、背臨(お手本を記憶し、見ずに書く)があり、書の基本を学ぶことができます。

王義之「蘭亭序」(353) 臨書中

古典と呼ばれる中国書家の書は、時代によって文字が大きく異なり、作者の性格などがはっきり表れています。臨書すると、書いた人の息づかいやその時の心情も感じられるくらい、文字にはタイムマシンのような力があると感じます。
「とめ」「はらい」といった書の技法も、時代や書く人によって全く異なり、正しさはないように思えますが、どの字体にも美しさがあり、いろいろ臨書することで、自分好みの文字に出会えることも楽しみの一つです。

曹全碑(185)臨書

一方「書道」は文字を表現すること。字を書くことを追求しその美しさを自己の感性で表現すること。
筆を持ち、墨液で和紙に文字を書くことは、絵を描くことや音楽を奏でることと似ていて、自由に表現していいといわれると、どうしてよいかわからなかったり、そんなことはできないと感じるかもしれません。
お手本どおり上手に書くことを離れて、自分自身の文字を表現することは、己をさらけ出す行為でもあります。
「文字」はこうあるべきという常識にとらわれず、自分の文字を現そうとすると、自分自身と向き合うことにつながってきます。

仮名文字和歌ちらし

1日1分、硯に水を落とし、墨をすってみる。
そして、心に浮かんだ文字や言葉を筆で紙に書いてみる。
小筆で文字を半紙やはがきに書くのにそれほど時間はかかりません。
月に2回、占いで運勢を見るように、自分の心を見て現す時間。
おうちで気軽に、新しい習慣をはじめてみませんか?

蘭泉書サロン
Online Shodo Salon
https://www.awalanguage.com/


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