見出し画像

日本のデジタル化の遅れ

政治家が、日本のデジタル化の遅れを理由に、マイナ保険証をゴリ押ししているのであるが、驚くべきことに、議員を選ぶ日本の選挙制度は、デジタル化が途上国よりも遅れているのだ。

①選挙のデジタル化と言えば、ネット投票を思い浮かべるかもしれない。

技術的には、ネット投票は、すでに可能になっているらしい。二段階認証で二回目にパスワードを発行し、投票するシステムなら、実現可能性はあるとのことである。

しかし、ここで問題にしたいのは、それ以前の話だ。

②記号式投票

日本以外の先進国では、プライバシー保護や機械処理の能率を考慮して、記号式の投票が行なわれている。

フランス大統領選挙の投票用紙


 新興国でも、識字率が低いこともあり、記号式が普及している。
 インドは機械で投票

インドの投票機械


➂日本の自書式投票


日本でも、1994年に記号式の投票法案が成立したが、実施されず廃案となった。理由は50音順に並べると、いつも最初の方に来る候補者がいて、不公平だというもの。だが、反対したのはベテラン議員だったことから、記号式だと、馴染みのない候補者でも投票されやすくなり、新人に有利となると見なされたという話らしい。



西宮市の投票用紙


日本でも地方自治体の選挙では記号式の投票が認められているが、広がっていない。


➃参議院


参議院の比例代表は全国単位で、しかも候補者名を選択できる。全国単位の比例代表で候補者名を選べる国は日本しかない。理由は記号式の場合、候補者名を投票用紙に記載することとなるが、候補者が多くなり過ぎて、文字が極端に小さくなるか、投票用紙が大きくなり過ぎるからだ。


参議院の比例区は、かつては政党名しか選べなかったので、記号式にするなら、元に戻す必要がある。政党名ではなく、候補者名を書く有権者は4人に1人しかいないというから、元に戻してもよいだろう。


➄記号式導入が望ましい

ベテラン議員は反対するだろうが、やはり記号式の投票が望ましい。政治家は日本のデジタル化の遅れを指摘するなら、投票方式のデジタル化を進めるべきである。
記号式なら、無効票や按分票を減らすことができるだろう。

お読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?