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休職記念日

前職の会社に行けなくなってから、もうすぐ1年が経とうとしている。

ちょうど、今ぐらいの時期。

植物たちが、これからやってくる冬に備えて少しずつ支度をし始める頃。

わたしは、会社に行けなくなった。


原因は簡単、適応障害。

たぶん

”よくあるやつ”で

職場にはお局さんがいて。

コミュニケーションがあんまり上手ではなく、

どちらかというと控えめで

不器用だったわたしとはとっても相性が悪く

折れてしまったのだ。

根本からポッキリと。


そりゃ、折れてしまったときは怖くて、寂しくて。

これからどうなってしまうのか、

わたしはもう優等生でなくなってしまうのか、

同期はみんな歯を食いしばって頑張っているのに

頑張れないわたしは

折れてしまったわたしは

負け組になるのか

エリート街道からはもう外れてしまうのか。


帰属する場所が無いということが、こんなにも恐ろしいことであるとは

夢にも思わなかった。


あれから

お医者様から診断書をいただいてから11ヶ月と3週間、

いろいろなことがあった。


半年間に渡る休職の末

両親を3ヶ月間説得し続けて

3月でついに会社を退職。

4月からは念願の通訳案内士として仕事を始めるも

思ったようにオファーは来ず

メルカリで持ち物を売りさばいたり

友人のところでぼちぼちとアルバイトをして小銭を稼ぎ

時々転職エージェントの登録やらに足を運び

たまに知人の声かけでイベントを開催する、

そんな

先の見えない日々が2ヶ月ほど続いたある日

その知人の紹介で、ある会社にアルバイトとして働くようになる。

それが6月。


気に入ってもらえたわたしは

その会社から正式にオファーをいただき

業務委託として週に3日通勤するという生活が7月からスタート。


ようやく安定収入に恵まれ

身体的にも精神的にもよく眠れるようになった頃

知り合いからお仕事のオファーがぼちぼちと届くように


大半は語学を生かさないかというもの


ビジネススクールで経営について学び

現実世界で経営者とお会いし

様々なビジネスモデルに触れることが多くなり

自分の生き方、働き方、人生を通じて成し遂げたいことについて

改めて考えるように


9月のはじめ、

恋人とあるアイルランド人が経営するお店に足を運んだことがきっかけで

わたしの頭に

それまでペンギンの卵のように長年温めていた

姿形の見えないビジネスモデルが

ポン!と音を立てて姿を現した。


そう、

日本に暮らす外国人の痛みや希望を、ライターとして伝える、というもの。


起業家やインフルエンサーだとなお良い。


だって、彼らは

パッションのある彼らは

間違いなく

わたしの敬愛する

アーティストそのものだから。



そして今日

ふつうのサラリーマンであれば

朝から憂鬱な気持ちで満員電車に揺られながら通勤する頃

家のふかふかなベッドでまどろみ

野菜たっぷりのブランチを作り

心ゆくまでお腹いっぱい食べ

十月の柔らかな日差しの中

先日インタビューさせてもらった

双子の中国人の女の子について記事を書いている。

秋の虫がコロコロと鳴いている。


まだまだ自立できてないけれど

なんだかとってもいい気持ち。


あのとき、折れてよかったのだと

やっぱり思うんだ。



来週の日曜日は

そんな休職記念日


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