元カレ完全成仏🌋シリーズ⑥【最終回】


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最終回です!!やっと!



▼続き


最後になるかも、と予感していた話し合いの日が来た。


家を出る前にふと、
帰ってきた頃の自分はもう彼と別れて1人なのかもしれない、と思った。

その時、彼の物が残った1人の部屋に帰ってくるのは辛すぎる、と思い、
まだ別れるかわからないのに、彼が使っていた枕やパジャマ、食器類などをとりあえずゴミ袋に詰めた。


もしかしたら別れてしまうかもしれない、
別れられるかもしれない、と思って。
自分がどちらを望んでいるのか、よくわからなかった。




その日、彼がずっと行きたがっていた焼肉屋さんが予約されていた。

彼の地元まで電車に乗って行って、
駅に車で迎えに来てもらった。


付き合ってからこれまで、
1週間も連絡を取らなかったことが初めてで、会った時ぎこちなくなりながら、最近あった出来事をお互いポツポツ話した。


通されたのはカウンターで、
当然そんなところで今後の話ができるわけもなく、食べ終わった後、落ち着いて話せるカフェに移動した。



前回の話にも書いたけれど、
今後の話の解答次第で
別れるか、続けるか、わたしは決めていた。


続ける解答であれ、と願っていたけれど
もしそうだった場合、またはっきりしない不安な日々も続くのかと、どこかどんよりしていた。


そして、彼の言い回しは
どちらかと言うと、「別れる」とわたしが決めていた方の答えだった。



“これからのこと、考えていくつもりもはある。
でもやっぱり結婚はいつか分からない。

私としたいのかも、まだわからない。
このまま付き合っていたら、私とするんだとは思う。でも約束できない。”


要約すると、それが答えだった。



付き合ってから、何度もこれからのことについて話す機会はあったけれど、
結局最後まで彼は変わらなかった。


いつ頃したいとか、そう言うこと以前に
わたしとこの先も一緒にいたい、と言う気持ちや、前向きな感じが伝わってこなかった。


この先も何も変わらない。
でも、彼も、何も悪くないような気がした。



どうしようもない人だと分かっていたのに付き合って、たまにの愛を特別に解釈して、
わたしが一方的に期待した。

求めることが変わったのは私で、当然彼も一緒に明るい方に変わると思い込んでいた。



明るく前向きに、いつかわたしとのこれからを話せる日が来ると、いつしか夢を持ってしまっていただけだった、とその時気づいた。



もう彼に何かを求めることはやめよう、可哀想だと思った。
そして、それにやっぱり期待したり求めたりしてしまう自分がこの先もいるなら、
もう別れよう、と思えた。



わたしはそのことを全部伝えて、
だから別れる、と言った。 



説明していたら、涙が出てきて、
悲しいのか、伝わらなかった3年半が悔しいのか、何かわからなかったけれど、泣けた。




2人とも頼んでいたカフェオレが冷めていた。

チェーン店のコーヒー屋さんで、
店内は静かではなかったけど、周りにはカップル1組と、男子学生1組が座っていて、
私たちの様子を伺っているようにも見えた。



わたしが、別れる、と口に出した時
なぜか彼は “意外だ” という顔をした。

そんなにすぐに決めなくても、今日決めなくてもいい、と言うようなことを言った。


わたしは、今日決めたわけじゃなかったのに。

この3年半、ずっと、ずっと不安で悩んで、いつか楽しくこれからの2人の話がしたくて、でもやっぱりできなくて、その末の決断だったのに。


何も分かってないな、と思った。

「もう決めたから」と言って、
その日、よく名前も覚えていないそのカフェで、私たちは別れることを決めた。



その時引き留めようとした彼を見て、
「いつもこうだった」と思った。

そして、いつも続けると決めてきたのも自分だったな、と思い出した。



駅まで送ってもらうため車に乗り込んだ時、
誰の歌かわからないどこかのバンドの恋愛ソングが流れた。


その歌詞が、その時のわたしには苦しくて、

「なんでこんな時にこんな曲流してるの...!」

と泣きながら怒ったら、彼は

「知らないよ、こんな曲入れてないよ!」

と戸惑いながら、次に曲を送った。


泣きながらちょっと笑った。




駅に着いて、なるべくさっぱり別れたかった。


最後にくどくど別れの言葉とかも言いたくなかったし、
「今までありがとう」とか「幸せになってね」とか言えるほど、大人でもなかった。



ありがとう、とひとこと言って車を降りる時
彼が泣いていた。


泣いているところを、初めて見た気がする。
泣くほど悲しいんだ?と思った。
なんでお前が泣くんだよ、と思ったけれど、
ほんとうに、素直に嬉しかった。


元気でね、と言ってドアを閉めて、
そのまま振り返らず改札を潜って、電車を待った。

人がいないホームで、ポロポロ泣けてきて、そこから家に着くまでずっと涙が出ていた。


コロナ禍で、マスクがあって良かったなと思ったけれど、マスクをしていても明らかにバレるほど、涙は出ていた。



そこから今まで、
一度も自分から連絡をしたこともなければ、SNSも繋がっていない。
一回、彼から誕生日にLINEが来ただけだ。

この時▼


そこからずっと、夢に出てきたり、
SNSをのぞいたりすることがやめられず
苦しかったけれど、

『戻りたい』と思ったことは一度もなかった。強がりではなく、本当になかった。



そこから別の人と付き合い、短期間で酷いことになり別れ、今の人と出会い付き合っていて、
わたしの人生も色々変わった。



恋愛の痛みは
時間が解決するとか、新しい恋をして上書きするとか、色んなことが言われているけど、

消える痛みもあれば、薄くはなるけどどうしたって消えないものもある。
(わたしは別れた後すぐ彼氏を作ったり、遊び歩いたりして、薄めてはいたけど)



この彼とのことは、やっと薄くなったけれど、多分一生消えなくて、
だからこの成仏noteを書いて「生理整頓」できれば良いや、と思った。



整理して、持っておく。

こんなに執着する記憶とか、しんどいけど手放したくない思い出って、もうこの先出会えないかもしれない。



彼とのことは、それに付随する色々な恋も含め、わたしの人生に面白みや深みが増して、
今では、残しておいてもいいかな、という痛みになった。


どんなところも、どうしようもなく嫌いに
なりきれなくて、

『愛って見返りを求めないっていうけど、これか』
と初めて思えたくらい、
自分を犠牲にしても受け入れたいと思えた人だった。
例え不幸になっても一緒にならいいな、と思えた人だったのだ。



だから、とても貴重な経験だった。


今の彼には、そうは思えない。

犠牲にしても、とか 不幸になっても大丈夫、とかそういうのも愛かもしれないけれど、

今は、もっと明るくてふわふわしている感じ。

ずっと楽しく笑って暮らしたい、
今よりもっと、ずっと続けばいい。

そう思える愛だ。


人が違えば、愛の形も変わる。

わたしは、どちらのタイプの愛も知れて
とてもラッキーだったのかも知れない。

....そう思えるほど大人にはなりきれていないかもしれないけれど、笑




でも、
この長い長いnoteをもって、成仏です。




シリーズ⑥までお付き合いいただき
ありがとうございました!!
長くなりすぎました!!!


こんな大人もいるし、人生自分が動けば最後はなんとかなるので、大丈夫です。



成仏!!!

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