見出し画像

紙と電子とタマシイと

 紙の本に不自由を感じる体になってしまった。

 電子書籍を使うようにしよう、と思い立ったのはどのくらい前だったか。キンドルのファイアータブを買ったときと同じだから、私が電子書籍に手を出し始めてから、まだ1年程度ではないだろうか。

 そのわずかに1年程度の間に、紙の本にめんどくささを感じる堕落した体になってしまったのだ。私は、電子書籍に魂を売ったのだ。

「漫画は電子書籍で。活字は基本的に紙で」

 それが、最初に決めたルールだった。

 漫画は買う数も多いし、電子書籍にすることによる物理的なメリットが大きい。そして、何よりそこには「なんだかんだ本は紙で読みたい」という根底の意識があった気がする。今となってしまえば、単なる食わず嫌いであったことは否めない。

 ここ最近に関しては、正直「紙で読む」ことのデメリットを非常に感じざる得ないのだ。

 何より手軽だ。

 入手も手軽なら、部屋が暗いとか外部環境に関わらず読むことが出来ること。また、電子書籍ならではのセールが多々あるのも魅力。読んだところで止まってくれるから、いちいちしおりを挟む必要もない。

 どれも過去の私には必要のなかったメリットかもしれない。しおりなんてむしろお気に入りを見つけて、それを毎回挟むこと、それ自体に快感を感じていた時代だってあったはずだ。

 環境の変化は率先して受け入れるタチではあるけれど、この変化に関しては自分でちょっとした戸惑いを感じている。

 しかし、とまどいを感じながらも知っているのだ。私の中に起こってしまったこの潮流にはあらがうことが出来ないことを。

 人はみな楽な方に流れざる得ないのだ。

 結果、私は電子書籍に全面的に魂を売ることにした。

 魂の重さが21グラムだとすると、その分紙の本が21グラム軽くなるのだろうか。それともタブレットが21グラム重くなるのだろうか。シロップ16グラムの16グラムは何の重さだっけ?いやそんなことはどうでもいい。

 最初は、戸惑いも嫌悪感もあると思う。でも、思ったよりもずっと快適ですよ。電子書籍生活。本棚に並べられないのは寂しいかな。人にも貸しづらい。

 全然関係ないけど、人のうちいったら絶対本棚見るよね?え?私だけ?いやあんまり見たら失礼かな……?って思いながらガン見するけど私(笑

 気になるじゃんね。人の本棚。


#エッセイ #コラム #本 #読書 #電子書籍 #しおり #シロップ16g #21g #本棚

「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)