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「祭りのない夏」なりに。
ある夏の日。
日が傾き、空が夕闇に染まり始めた頃。
ベランダに立ち、洗濯物を取り込む。
湿気まじりの熱っぽい空気が、頬を撫でる。
遠くのほうから聞こえる、祭囃子。
今日は近所のお祭りの日。
朝から1人、何するわけもなく部屋に籠りきり。
休日の空気に誘われ、サンダルをつっかけて外へ駆け出る。
部屋着のよれたTシャツ、スウェットもそのままに。
空は一層暗くなり、西の空に僅かな茜色を残すばかり。
【ショートショート】フォロワーが減った。
***
その日は、一日じゅう「心ここに在らず」の状態だった。
SNSのフォロワーが1人減った。
ただ、それだけのことに、心を締め付けられるような思いがした。
このアカウントを使い始めてはや6年。
とかく、流動的に人と繋がったり離れたりがある、SNSでの人間関係。
フォローされたり外されたり、フォローしたり外したり…。
そんなことを繰り返しながらも、最初は地元の友達数人しかフォローしていなかった
【ショートショート】最後に伝えたい事。
ある昼下がりの日。
『彼』は、突如目の前―私の部屋―に現れた。
窓から射し込む陽の光を背に浴びて立つ姿を見て、思わず言葉がこぼれる。
「お前…死んだのか？」
『彼』との出会いは、もう7年ほど前。
きっかけは、SNSで相互フォローになったことだった。
音楽の趣味が合うということで、意気投合。
オフ会で実際に会う機会があってからは、その時一緒に居合わせたフォロワーの方々も巻き込んで、好きなアーテ
ラジオが始まる前に。
ラジオが始まる前に、学校の課題を終わらせよう。
ラジオが始まる前に、今日のバイトあがれますように。
ラジオが始まる前に、仕事を切り上げて帰らなければ。
ラジオが始まる前に、家事を終わらせよう。
ラジオが始まる前に、今日という日々の様々なことを乗り越えてきた、様々な人の気配を電波越しに感じながら、いつもの時間にラジオの前に鎮座する。
自分もまた、ラジオが始まる前に様々なことを乗りこなしてきた
【ショートショート】撃ち合い。
薄暗い暗闇の中、緊迫した空気が張り詰めている。
先ほどまで、確かにそこに感じた気配は消え失せ、なりを潜めている。
思わず、その場で息を潜める。
次に、どちらかが相手方の姿を捉えた時に、一触即発の事態になることは目に見えていた。
そう思うと、不用意にその場から動くことはできなかった。
それにしても、何故ここに現れたのか。
この後、この場で重要な取引を控えていたが、誰にも口外していない。
約束のブ