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『ヨハン』。定年退職をした後の高齢者の男性たちが活き活きと働く東京のチーズケーキ屋さん。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

本日9月18日は敬老の日ですね。現在、日本では働いている高齢者の方は多いです。

総務省のまとめによりますと、仕事をする高齢者のトータル数は、2022年は912万人で過去最多を更新し、19年連続で増えました。

2022年の高齢者の就業率は25.2%と主要各国の中で高水準を推移し、

年齢別に分けると、

・65歳-69歳は50.8%、

・70歳-74歳は33.5% など

です。

そんな中、東京都には「おじいちゃんのチーズケーキ」と、親しまれている、高齢者の男性が、働くケーキ屋さんがあります。

東京都・中目黒駅近くにある、『ヨハン』です。高齢者の男性のケーキ職人7人全員が、ケーキを作り始めたのは定年退職をした後です。平均年齢は73歳ですが、男性たちはどうして職人になり、どんな想いで『ヨハン』で働いているのでしょうかー?

今回は定年退職をした後にケーキ職人になり、働く『ヨハン』を特集します。

『ヨハン』に高齢者の男性が働く理由とは?

画像・引用:ヨハンのチーズケーキ

『ヨハン』はオシャレなお店が立ち並ぶ目黒川沿いの一角にあります。2023年8月下旬、お昼時にはお客樣が入れ代わり立ち代わり『ヨハン』にやって来て、ショーケースの中を覗き込んでいました。小さな店内は、すぐにお客様で溢れ返ります。

店内に並ぶどのケーキも無着色、無香料で保存料も使用していません。1978年に創業して以来、同じ分量と材料にこだわり抜いて、創業時から変わらぬ味を守り続けてきました。10年来『ヨハン』に通い続けているという弁護士の男性は「素朴なあと口で、丁寧にケーキを作っている熱量が伝わってきます。今日は以前お世話になった人への手土産として買いに来ました」と購入したケーキを手に持ち、言いました。

『ヨハン』でケーキ職人になって24年が経つ男性Aさんは、「お客樣には当然、喜ばれないといけません。常にそう思いながら1つずつ作っていきますよ」。男性Aさんは『ヨハン』で最高齢のケーキ職人のお一人です。作るケーキはあっさりとした口あたりの良い「ブルーベリー」や、チーズ本来の味わいを生かした「ナチュラル」など4種類のチーズケーキです。焼き上げた後、冷蔵庫で一晩寝かせて、寝かせたことでさらになめらかな食感や濃厚な味わいに仕上がります。

「同じ様に作ってみても、その日によって出来栄えに誤差が生じます。その微調整が難しくて、ケーキづくりの面白いところですね」と男性Aさんが言いました。

会社員時代は東京都品川区にある樹脂製造業[住友ベークライト]に勤務し、主に品質保証や資材調達の業務を任されていました。絵に描いた様な「仕事人間」だったといい、お菓子作り以前、妻に任せっきりで料理をしたこともありませんでした。ケーキ職人の世界に飛び込んだのは60歳の時でした。定年退職をした直後に『ヨハン』で働いていた同[住友ベークライト]のOBから声がかかり、ケーキ職人の仲間入りを果たしました。

そもそも、『ヨハン』の創業者の故・和田利一郎さんは同[住友ベークライト]OBです。アメリカ人の友達に振る舞われたチーズケーキに惚れ込み、定年退職をした後に元同僚2人と設立したのが『ヨハン』でした。『ヨハン』を引き継いだ和田さんの親族は「仕事をすること自体に意味を見い出し、それを生き甲斐にしていた人でした」と当時を振り返ります。

今では同[住友ベークライト]だけではなく、元国鉄マンや住宅会社の出身者など、65歳から84歳までのケーキ職人が働いています。生地作りや焼き上がりの見極めを始め、一人前のケーキ職人になるには3、4年かかりますが、同[住友ベークライト]で電話機製造などを担当していた男性Bさんも「お互いに助け合い、教え合える仲だから楽しいです。今後もみんなに甘えて、仲良くやっていきたいですね」と笑みがこぼれます。

現在、ケーキ職人になったのも、会社員時代の経験があったからこそであり、セカンドキャリアというより、同じ[住友ベークライト]という繋がりを辿って行き、今があるという想いの方が強いといいます。

男性Bさんは、「私の場合は偶然ケーキ作りでしたけれど、今までの縁を大切にし、熱意さえ持っていれば、どこでも仕事はできると思います。全く新しい世界に飛び込んでも、何も心配する必要はありませんよ」と語りました。

参考:「おじいちゃんのチーズケーキ」 職人7人、平均年齢は73歳 中目黒の「ヨハン」 東京新聞(2023年)

『ヨハン』では現在、ケーキ職人に定年退職をした後の男性を募集しています。お問い合わせは、『ヨハン』本店=電話03-3793-3503=へ。


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