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2019年9月の記事一覧
吉本ばなな 『「違うこと」をしないこと』
★★☆☆☆
2018年10月刊行の対談&エッセイ&お悩み相談本です。たまたまもらったので読んだ次第です。
吉本ばななの小説は昔まとめて何冊か読みました。直近だと『キッチン』を再読した記憶があります。平易だけれど、フックのある文体、それを支える独自の価値観をしっかり感じさせます。それから、やさしい。これくらいやさしい小説を書く人ってそれほどいない気がします。
小説のことはさておき本書
内田樹 『そのうちなんとかなるだろう』
★★★★★
今年の6月に出た内田樹氏の自叙伝です。
共著も含めると、これまでに100冊(200冊?)以上の著書を出している内田樹さんですが、おそらく自伝的な本はこれが初めてでしょう。
これまで僕も氏の著書を何十冊と読んできましたが——そして、ブログもたくさん拝読してますが——、時系列に沿ってご自身の人生について語っているものは寡聞にして知りません(各エピソードは色々なところで語られて
ハーラン・エリスン 『愛なんてセックスの書き間違い』
★★★★★
今年の5月に刊行されたハーラン・エリスンの初期短篇集です。訳者は若島正と渡辺佐智江。
国書刊行会SFが「未来の文学」と銘打ち、60〜80年代の幻のSF作品を集めてリリースしており、そのシリーズの1冊です。
とはいえ、内容は非SF作品に限定されています。解説によると、エリスンはSF作家として地位を確立する前、様々な媒体に多様な作品を発表していたそうです。そうした作品が集めら