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『ベルサイユのばら』-その14 アンドレの命がけの告白!自分を女性としてみてくれる男性の存在について-

(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)

みなさん、こんにちは!

※記事の最後に、私のベルばらYouTubeのリンクも貼っているので、よろしければご覧くださいね^^

前回の記事では、フェルゼンに振られて傷心のオスカルから、ストーリーの大きな転換点となる&ストーリーの要素的にも重要な「ブラびり事件」の場面までみました。

この「ブラびり事件」が、なぜ必要不可欠&重要なのかについては、前回の記事で、箇条書きでさらっと示しただけだったので、今回はその事項について、もう少し深く考察していきたいと思います。

ブラびり事件は、ストーリーの転換点というだけではなく、ストーリー的にも必要不可欠な要素を含む場面である、という理由が以下の箇条書きの部分です↓

①オスカルが、(それまで恋愛対象ではなかった)アンドレを意識するきっかけになった。

②アンドレは、ずっと以前からオスカルを女性として愛していた(女性としてみていた)。

上記の①、②に関して、ブラびり事件を振り返りながら、みていきたいと思います。

まず、フェルゼンに振られて傷心のオスカルが、自分の部屋へアンドレを招き入れ、話を聞くうち、アンドレはオスカルとフェルゼンの間に何かあったと察します↓

オスカルはフェルゼンのこと何も言ってないのに、辛そうなオスカルを見て、すぐに勘づいたところが、さすが幼馴染というか、オスカルのことを何もかも知り尽くしてる印象があります。

(アンドレだけは、オスカルがフェルゼンに恋していたこと、気づいていましたし)

ここで、アンドレ、捨て身の告白!!

アンドレは、自分の胸の内(オスカルを愛していること)をオスカルに明かすつもりはなかった(身分差のため、平民のアンドレから貴族のオスカルへ告白するなんて考えられないことだから)けど、フェルゼンに振られて泣いているオスカルを見て、急に告白のスイッチが入ってしまったんですね。

もうこれは、命がけの告白ですよ。

アンドレ自身も言っているように、ジャルジェ将軍(オスカルパパ)に見つかったら、殺されても文句は言えないですからね。

私、子供の頃にベルばらを読んだ時は気づかなかったんですが、このアンドレの告白に、性的な告白も含まれているんですね。

「おれの体のずっとおくのほうから なにか熱っぽいものがこみあげてきて おれの気持ちを落ち着かせてくれなくなった」

というアンドレの告白は、幼馴染で兄弟のように育ったオスカルを、いつのころからか、女性としてみていた(愛していた)、ということを物語っています。

ここ、重要です!!

オスカルを全く女性としてみていなかったフェルゼンに振られた後、ずっとオスカルを女性として愛し続けているアンドレが登場するんです。

このブラびり事件が、ベルばらのストーリーの転換点になっている、と何度も書いてきましたが、この後、アンドレの身分違いによる愛に苦悩する姿やアンドレとオスカルの関係がクローズアップされていきます。

話を戻しますが、このアンドレの捨て身の告白は、オスカルにとって、「自分を女性としてみてくれている男性がいる」ことを、知った瞬間でもあるんです。

オスカルは、女として生まれたけど、ずっと男性として育てられてきて、成長するにつれて、自分の中の男性性と女性性の葛藤が生じるようになった。

特に、フェルゼンを愛し始めてからは、女性としてみられたくて(愛されたくて)、彼の前でドレスを着ることまでした。

だけど、アンドレは、ありのままのオスカルの女らしさを十分理解している人だったんですね。

女性としてみてくれている + ありのままの自分を愛してくれているアンドレ

オスカルは、アンドレにベッドに押し倒された時は、とても怖かったと思うけど、その後アンドレを遠ざけるということはしなかった。

「女性としてみてくれている + ありのままの自分を愛してくれている」アンドレは、オスカルにとって(それまで恋愛対象になかった)アンドレを意識させるきっかけになったはずです。

事件の最後にアンドレが思い止まって、だけど涙しながら、「ああ愛している、死んでしまいそうだよ」と、オスカルの手を取りながら語るアンドレを見るオスカルの顔は、もう恐怖の表情ではなくて、女性として1人の男性を見る時の表情になっていると思いませんか↓

しかも、一瞬目が見えなくなったアンドレを「どうかしたのか?」と気遣っているオスカル↓

このことからも、オスカルがアンドレのことを(襲われそうになった後でも)嫌悪しておらず、この後も今まで通りの(主従)関係が続いていくのも頷けます。

私、このアンドレの命がけの告白がなけりゃ、オスカルはジェローデルと結婚していたかもしれない、とまで思ってるんです。

ジェローデルに、「はじめから女性としてしか見ることが出来なかった」と言われて、オスカルの心はとても揺さぶられていましたから。

オスカルが、アンドレのことを異性として意識し始めるのは、もう少し先ですが、「意識のスイッチ」は、この事件でカチッと入ったと思っています。

今日は長くなったので、この辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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