見出し画像

アルセーヌ・ルパンの大いなる秘密を追う⑰-メーテルリンク‐

Akiko Nishimoto lit.link(リットリンク)

みなさん、こんにちは!

今日も、カリオストロ伯爵夫人に登場する7つの修道院を1つずつみていきたいと思います。

今回取り上げるのは、サン・ワンドリーユ修道院Abbey of St. Wandrilleです。

この修道院は、フォントネル修道院Fontenelle Abbeyとも呼ばれています。

サン・ワンドリーユ修道院(公式HPより)

公式HP↓
The Abbey - Abbaye Saint-Wandrille, communauté des moines bénédictins (st-wandrille.com)

以前のブログで、この修道院の場所をとりあげているので、宜しければご覧ください↓
「怪盗紳士ルパン」その2『獄中のアルセーヌ・ルパン』-マラキ城ってほんとにあるの⁉|西本亜希子 (note.com)

ノルマンディーのサン・ワンドリーユ修道院

この修道院を建てたのが、ワンドリーユさんと彼の甥のゴドさんらしいのですが、なんとワンドリーユさんがダゴベルト1世の親族だったとあり、またメロヴィング王朝!と思っていたところ、色々調べていると、カロリング朝の親戚だったという記述もあり、どちらが本当か不明ですが、王族の親族であったようです。
https://www.normandy-abbeys.com/abbaye/abbaye-saint-wandrille-de-fontenelle/

そして、この修道院は、ノルマンディー全土に広がるカロリング朝の強力なネットワークの一部だったらしく、一時期、かなりの財産を得ていたとか。

やはりカリオストロ伯爵夫人で描かれている修道院の財宝伝説は、あながち嘘ではないというか、本当だったのか!と思いました。

しかも、1954年に、トレジャーハントをしていた地元の若者が、礼拝堂近くの壁に埋もれた骨壺を発見し、計500枚の金貨を見つけたという話もあるそうです↓
Abbey of Saint Wandrille - Wikipedia

ワンドリーユさんですが、一時期、シャンパーニュのモンコフォン・ダルゴンヌ修道院に隠遁していたそうで・・・そうです!この名前を聞いてピン!ときた方がいらっしゃるかもしれませんが、モンコフォンも、ダルゴンヌも女探偵ドロテに登場する名前ですね。

モーリス・ルブラン氏は、そのあたりの歴史も知っていて、登場人物に名付けたのでしょうか。

で、ですね、なんと、メーテルリンクが、1907~1914年までこの修道院を借りて住んでいたっていうんだから、すごいと思いませんか⁉

修道院に住むっていう発想がないのですが、メーテルリンクも修道院に伝わる財宝伝説を知っていたからこそ、住んでいたのかもしれません。

そして、メーテルリンクと一緒に住んでいたのが、ルブラン氏の妹ジョルジエットさんですから、ルブラン氏もこの修道院を訪れていたはずです。

財宝伝説もそうですが、『ジュール・ヴェルヌの暗号』の著者も、本の中で書いているように、7つの修道院の秘密(北斗七星との一致)も、メーテルリンク、もしくは妹のジョルジエットから聞いて、知った可能性も考えられるんですよね。

『ジュール・ヴェルヌの暗号』

しかも、『ジュール・ヴェルヌの暗号』によると、グラティア夫人という女性が、財宝を追い求めて何度もサン・ワンドリーユを訪れていて、その女性に同行していたのが、メーテルリンクだったらしい。

『ジュール・ヴェルヌの暗号』の著者は、ルパン活躍の場が、ル・アーブル、ルーアン、ディエップの三角地帯に多いのは、単にルブラン氏がノルマンディー出身で土地勘があったというだけでなく、財宝が絡んだ歴史的に謎の地であるから、と結論付けています。

ルパン活躍の場であるノルマンディーの三角地帯

兎に角、メーテルリンクさんについて、もっと調べなきゃと思いました。

最後に、サン・ワンドリーユ修道院への行き方ですが、公式HPによると、ルーアンとル・アーブルからそれぞれバスが出ていて、Saint-Wandrille-le-Port駅で下車となっていますが、こちらの修道院は、地図を見る限り、車で行くのが良いように思います。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?