'95 till Infinity 039
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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own 031 】
カイロはもう坂を下りきっていて、永遠に続くと思っていたマニュアルも次第にスピードを落としていく。
体のバランスを前後にずらしながら、カイロは最後にどうにか10cmでも前に進もうと足掻くけれど、完全に平らになってしまった地面の上ではそれもかなわない。
俺が、俺たちが永遠に続くと思ったマニュアルはそこで終わる。
世の中に永遠なんてものなんかない、最初っからそんなことはわかっていた。
大体、俺は何様のつもりだったんだ?
そんな永遠に続くマニュアルなんてものがこの世にあったら、りんごも木から落ちやしないし、世界にエネルギー問題なんてものもありはしない。
この世の中に存在すらしないもの、そんなものに気持ちを昂ぶらせた自分を冷めた恥ずかしさを持って見下ろすもう一人の自分。
その瞬間、歩いている俺たちをも押し倒すような突風を後ろから受ける。
全く予兆もない状態で受けた強風にカイロはバランスを崩そうかするけれど、それすらカイロは瞬間的に受け入れ、コントロールしてしまう。
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