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ヨネザワが書いたもの

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日曜日担当。ギュウが書いた記事です
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齋藤飛鳥論 今もっとも目が離せない才能を紹介

齋藤飛鳥論 今もっとも目が離せない才能を紹介

実写版『映像研には手を出すな!』の立ち位置ドラマ版『映像研には手を出すな!』(以下、『映像研』)がとてもいい。予算の低さを感じさせながらも、演出や編集の工夫で視聴者の想像力を刺激し彩ある物語を紡ごうとしている。また、映画『初恋』で主役に抜擢された小西桜子など将来性がある俳優たちの怪演も魅力だ。

今回の主題は主演を務める齋藤飛鳥について書くことであるため、詳細なあらすじ等については下の動画などを参

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『テレビブロス』定期刊行終了についてと、バラエティを制作者で追うということについて。

『テレビブロス』定期刊行終了についてと、バラエティを制作者で追うということについて。

『テレビブロス』(以下、『ブロス』)の紙での定期刊行が終了した。これからはnoteに場を移すらしい。

ついこの間まで高田馬場の孤独な大学生だったのだが、刊行日に必ず書店に足を運んだ。「雑誌エリア」の「テレビ棚」からそれを引っ張り出すときちょっと誇らしい気持ちだった。「こんな言葉を読みたいんだろ」と言いたげ雑誌ばかりの棚にあって、凛とした佇まいでいるブロスが好きだった。

買ったあとは必ずひとつ下

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「キャラ」で括るのって古くない? 『捨ててよ、安達さん。』、『住住』から考える。

「キャラ」で括るのって古くない? 『捨ててよ、安達さん。』、『住住』から考える。

芸能人、というもののあり方が変わる気がした。

それは現在、テレビ東京で毎週金曜0時52分から放送している『捨ててよ、安達さん。』を視ながら思ったこと。

この作品は安達祐実が本人役で登場し人生から「バイバイ」するものを選ぶ物語。第1話は「『あの作品』のDVD」、第2話は「輪ゴムとレジ袋」に「バイバイ」した。

安達祐実の自宅それも彼女の夢の中のそれ、からほとんど出ないかたちで話は進む。ワンシチュ

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見るものに困ったら、とりあえずさらば青春の光とニューヨークのyoutubeチャンネルに。

見るものに困ったら、とりあえずさらば青春の光とニューヨークのyoutubeチャンネルに。

突然ですが、どうしても聞いてほしいラジオがある。

『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』というラジオ。やっぱり人間って、「俺、初回からリアルタイムで聞いてるねん」って誇れるラジオ番組が欲しいもので。JUNKはもちろん、『ハライチのターン』も『アルコ&ピースのDCガレージ』も中堅リスナーだったが故に、待ちに待った新番組だった。

1月から3月いっぱいまでは土曜夕方の15分番組だったのが、土曜

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映画好きが観てなさそうな、『一度死んでみた』を観てきた。

映画好きが観てなさそうな、『一度死んでみた』を観てきた。

卒業式のあと、友人と『一度死んでみた』を観に行ってきた。

この映画は、『ソフトバンク 白戸家シリーズ』のCMなどを担当し、乃木坂46の『帰り道は遠回りしたくなる』のMVの監督を務めた、電通の澤本嘉光氏が脚本を担当している。

彼の前作は『ジャッジ!』という広告業界のコンペを設定に用いた映画だが、

そのスター大集合的な「派手さ」からこの作品をなんとなく覚えている人も多いのではないだろうか。そして

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『乃木坂どこへ?』はなぜ面白かったのか。番組MC、さらば青春の光から考える。

『乃木坂どこへ?』はなぜ面白かったのか。番組MC、さらば青春の光から考える。

先日、日本テレビ系列のバラエティー番組『乃木坂どこへ?』が一応の区切りを迎えた。4月以降も継続するらしいが、先日の放送をもって第1シーズンの終了となった。

この番組はタイトルからわかる通り、アイドルグループの乃木坂46の冠番組である。が、登場するのはその4期生たちのみである。そして、この番組のMCがお笑い芸人のさらば青春の光だ。さらば青春の光といえば、ボケ(たまにツッコミ)の森田が『メンタル童貞

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私たちはまだ滝沢カレンの面白さを語る言葉を知らない。

私たちはまだ滝沢カレンの面白さを語る言葉を知らない。

今年の1月頭に『女性自身WEB』に『グータンヌーボ』についての文章を寄稿させていただいた。これは『グータンヌーボ』における滝沢カレンの魅力ついての文章、といってもいいかもしれない。

ここでは、”ソクラテス”や”神田伯山”が象徴するような「ツッコミ」に制限されない番組でこそ滝沢カレンの才能は爆発すると書いた。

ただ上の原稿では、滝沢カレンの面白さを固有の言葉で説明できていない。あくまでも番組演出

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「テレ東らしさ」を捨てた、いまのテレ東が本当に面白い。

「テレ東らしさ」を捨てた、いまのテレ東が本当に面白い。

いま、テレ東が本当に面白い。先日、テレビ東京プロデューサーの佐久間宣之氏が自身のラジオ番組内で紹介していたテレ東の新卒採用動画が公開された。

『池の水』『youは何しに』などを手がけた伊藤プロデューサが、動画内で「テレビ東京の番組がテレビからいかにはみ出すか」「今まさにできる時」と語っているが、一見ポジショントークと思われるこの発言をいまのテレビ東京は体現している。

例えば、度々このアララの連

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連休最後の日にぜひ読んで欲しい漫画3選。

連休最後の日にぜひ読んで欲しい漫画3選。

『電人N』

ニートの主人公がとある事故から、世の中のありとあらゆる電子機器の中を移動し操作できるようになる物語。男は好きなアイドルをトップアイドルにさせるために、彼女に逆らう人間を電子機器を使って痛めつける。ライバルグループのバスが踏切を渡る際に、その踏切を乗っ取り事故を起こすなど。

この漫画の注目すべきポイントは、「悪役」である主人公の描写のされ方だ。1巻から2巻の前半では知能犯的な描かれ方

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冬ドラマ横断レビュー NHK編

冬ドラマ横断レビュー NHK編

【麒麟がくる】(日曜 20:00-20:45 第2回1月26日)

長谷川博己が主演を務める今年の大河は明智光秀の一生がテーマだ。まずメインビジュアルに注目してほしい。アートディレクションは新進気鋭の写真家、奥山由之が担当している。

何より色彩が綺麗だ。ファーストカットである「明智荘」の引き画からフルスルットルで綺麗だ。というのも、この大河ドラマは大河史上はじめて4Kカメラを使用している。

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2020年に入って見たものあれこれ、もう語りたい。『知らなくていいコト』と『さよならテレビ』について。

2020年に入って見たものあれこれ、もう語りたい。『知らなくていいコト』と『さよならテレビ』について。

2020年に入ってもう二週間弱。はやい.......。

もう語りたい。ということで書き尽くしたいと思います。

今年に入ってもう2回も「マスコミの使命」なるものをテーマにした作品に触れた。『知らなくていいコト』と『さよならテレビ』だ。

①『知らなくていいコト』(主演:吉高由里子 脚本:大石静)

吉高由里子主演の日本テレビ系列水曜日ドラマ『知らなくていいコト』(前クールは『同期のサクラ』の枠)

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『今、出来る、精一杯』と伊藤万理華について。乃木坂46ファンなら千秋楽の当日券に走ってほしい、チケットの保証はできないけど。

『今、出来る、精一杯』と伊藤万理華について。乃木坂46ファンなら千秋楽の当日券に走ってほしい、チケットの保証はできないけど。

根本宗子 作/演出の『今、出来る、精一杯』を観てきた。伊藤万理華を篠崎ななみ役に向かえて再演された舞台。

まず、この舞台への感想から。

根本宗子が得意とする「バックヤード」という舞台設定、(『今、出来る、精一杯』はスーパーマーケット、『プレイハウス』はソープランドのバックヤードが舞台だった)は人の「よそいき」(オン)と「自然体」(オフ)の間に位置する空間である。だからこそ、人が逡巡しもっとも感

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【出版/テレビ/映画業界を目指す就活生へ】エントリーシートに書く「好きな作品」はどう選べばいいのか

【出版/テレビ/映画業界を目指す就活生へ】エントリーシートに書く「好きな作品」はどう選べばいいのか

年末も近くなってきました。さて今回も、「才能ある就活生が、ノウハウのレベルでミスをすることがないように」というコンセプトでお送りする就活記事。

エンタメ業界の就活、つぎはフジテレビ、出版業界、映画業界、芸能業界の選考が年あけすぐにはじまります。

上のような業界のエントリーシートでは、

・「あなたの『お気に入り』『こだわり』の作品・誌名などを書いてください。 (いちばん大切な雑誌・書籍

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国際マンガ・アニメ祭で、コンテンツのこれからについて勉強してきた。

国際マンガ・アニメ祭で、コンテンツのこれからについて勉強してきた。

先日、豊島区役所で行われた国際マンガ・アニメ祭『iMART』に行ってきた。このイベントは「現場の最前線からマンガ・アニメの未来を描く、日本初のボーダレスカンファレンス」という副題のもと開催された。

マンガ・アニメの生誕地であるときわ荘が豊島区にあったということから、区が「東アジア文化都市」を目指そうとするなかで企画されたイベントである。

「国際マンガ・アニメ祭」というイベント題だが、コンテンツ

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