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キノコが新しいスーパーフード? アメリカで改めて注目されているキノコの効果

アメリカのスーパーではキノコの種類がとても多い!
収穫量も多く、調べてみると中国について2位でありました。(ちなみに、日本は13位)



興味がでていろいろ調べてみました。そうすると健康に対してもとても良い効果があることがわかりましたので、少し紹介したいと思います。

そもそも、
古代エジプトでは、キノコは、神から贈られたものとしてファラオ(王)や上流階級しか食べることができなかったといわれています。また、古代中国では、特別なキノコは、一般人が食べることは禁じられ、皇帝のみに許された食べ物だったとされています。
日本人にはなじみのあるキノコですが、最近アメリカで改めて注目されています。スーパーにいってみると、実際に様々な種類のキノコが売られています。
今回は、キノコの健康に対する効果を説明していきたいと思います。

 認知症予防
キノコと認知症予防との関係を調べた研究を2つご紹介します。

① キノコを週2回以上摂取した高齢者は、軽度の認知障害になるリスクが半減していたという研究報告を紹介します。
対象者は、シンガポールの「食事と健康的な老化研究」(Diet and Healthy Aging (DaHA) study)に参加した60歳以上の663名でした(平均年齢68歳程度、約3割が男性)。
キノコの摂取が週2回以上の人は、週1回未満の人と比べて、軽度の認知障害になるリスクが約50%低かったという結果でした(オッズ比:0.43, 95% 信頼区間0.23-0.78)。

② 日本でも同様の研究があります。
宮城県大崎市の研究で、約6年間の経過をみています(追跡期間5.7年)。対象者は、65歳以上の13230人でした(平均年齢74歳程度、約半数が男性)。
キノコの摂取頻度が週1回未満だった人に対して、週3回以上だった人は、認知症発症リスクが約20%下がったことがわかりました(ハザード比0.81,95% 信頼区間:0.69-0.95)。
この結果は、性別、年齢、BMI、既往歴(脳卒中、⾼⾎圧、⼼筋梗塞、糖尿病、⾼脂⾎症)、教育、喫煙、飲酒、歩⾏時間、⼼理的ストレス、他の野菜などの⾷物摂取量等、他の因子にかかわらず、キノコの摂取量が認知症発症予防に効果がある可能性を示唆しています。

このような効果は、キノコの中に含まれている成分に抗酸化作用や抗炎症作用があるためだと考えられています。
動物実験ではありますが、ラットに、キノコの中の抗酸化物質を与えると、アルツハイマー型認知症の原因の1つであるβアミロイドの脳の神経細胞への蓄積と、それに伴う神経細胞のアポトーシス(神経細胞の障害)を防ぐことができることがわかっています。
(アルツハイマー型認知症では、βアミロイドが脳の神経細胞に蓄積し、神経細胞がダメージを受けた結果、認知機能が低下すると考えられています。)

 他の生活習慣病予防
認知症予防以外にも、キノコの摂取が様々な生活習慣の予防につながることが期待されています。以下のような疾患の発症予防及び重症化予防に関する、動物実験の結果をご紹介します。

① 慢性腎臓病
キノコの中の抗酸化物質の発現を抑えたマウスでは、腎臓の繊維化が進んだことがわかりました。
(腎臓の組織は一旦繊維化してしまうと、回復は難しく、その結果腎機能が低下すると考えられています。)

② 心筋梗塞
キノコの中の抗酸化物質を投与することにより、心筋梗塞の発症のメカニズムの1つであるミオグロビンの酸化を防ぐことができたことが確認されました。

③ 糖尿病の合併症
キノコの中の抗酸化物質が、高血糖から生じる血管内皮細胞の障害を防ぐことが確認されました。
(糖尿病では、高血糖が血管障害を引き起こし、その結果、心筋梗塞など様々な合併症が起こります。)

抗酸化作用、抗炎症作用のある成分が豊富な食べ物は、下記のような疾患や状態を予防したり回復させたりする効果が期待されます。
悪性腫瘍、認知症、慢性腎臓病、脳卒中や心筋梗塞/狭心症
糖尿病、動脈硬化
美白効果、シワ予防、薄毛治療など

ヒトにおいて、キノコの摂取量が各種疾患にどう影響するかを調べた研究はまだ少なく、キノコを食べるだけでこれらの疾患を完全に予防できるわけではありません。しかし、各種疾患の予防効果を示唆するような動物実験の結果からすると、今後、ヒトを対象とした研究が増えていくことが予想されます。

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