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落ち葉

昨日から、やる気が無い。秋に入り朝が寒くなったせいなのか、自分でもよく分からないけれど、昨日も今日も、何か生きることに対して背を向ける様に、布団にくるまって午前を潰した。
こんなこと、久しぶりだ。

それでも今日は、14時から予定があったため、出かける準備ができるリミットギリギリに、布団から身を剥がし、なんとか外へ出かけた。

出かけてみれば、気持ちの良い秋の好日であった。人と会って、言葉を食べるのも楽しかった。

15時には帰路につく。2日間布団に丸まっていたこともあり、いつもはバスで帰るところを、今日は歩いて帰ることに。「16時から雨が降る」という天気予報を疑ってしまうほど、気持ちの良い午後だった。

そんな帰り道、横断歩道を渡って学校横の歩道を行く。学校の敷地内に植っている木々の葉が、フェンスを越えて歩道へ落ちている。赤い葉が、濃いグレーのコンクリートの上に色を落としている。

その様を「良いなぁ。」と思った。
単純に秋が好きだからかと思ったけれど、いや違う。無機物の上に有機物が落ちている、それを美しい、或いは心地良いと思ったのだ。

それは、冬にも生命は宿っているように、無(或いは死)にも生命が宿っているのだと、思わせてくれるものだったのかも知れない。

社会という無機物の上で何も為さず布団に丸まっていようとも、私はきっと有機物なのだ。