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詩 懇願

待つこと
何かと何かの間にいること
自分であること
ひとつひとつを感じること

その能力の鍛錬を
機械が代わりにしてくれた

即レス
効率と時短
可視化
情報社会

機会がつくった世界で
私は人でいる力を失いつつある

彼らは
「涙の流し方すら忘れてしまった。」
と言う

機械にとっては人間は海で

その海に沈んで私は
息の仕方も忘れそうになる

ドボン

その瞬間 この瞬間
ただできることは
自分の体温を感じることと
誰かの体温を思い出すこと
なのだろう

きっと
人である力が湧いてくる

そう信じさせてほしい
そう信じる間、待っていてほしい

あなたという人に
どうかお願い