amori takao

ヒゲの男です。生活のために会社で働き、他の時間を奇妙でクレイジーな闘争にのめりこんで過…

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ヒゲの男です。生活のために会社で働き、他の時間を奇妙でクレイジーな闘争にのめりこんで過ごす、つつましい男である。

最近の記事

《木曜会:4月25日》

ヒゲの男は、木曜会前日の水曜日(4/24)に有給休暇をもらった。 読みかけの本が幾つもある、手を付けられていない本も幾つかある。アテネを経てビザンチン帝国(東ローマ帝国)において発展した、西側とは異なるキリスト教(東方正教会)はどのようにして、現在の版図にまで辿り着き広がったのか。 これについては、哲学者の清眞人氏が新著「新ランボー論」を上梓されるにあたり、新著の論評を個人的にヒゲの男へ依頼したため、改めて東側のキリスト教について学んでおく必要があった。フランスの詩人ラン

    • 《木曜会:4月18日》

      日没を過ぎて、少しだけひんやりした空気が漂っていた4月18日の木曜会。この日は盛況であったため、テーブルの配置ごと各セクションに分かれての会話だったため、記録することはできない。する気もない。なので端的な報告書になるが、そこは我慢していただきたい。 ヒゲの男が19時前にコロマンサに行くと先週は木曜会を欠席したファラオがいる。「キミ、欠席の報告を冷泉にだけしておいて、僕には何も情報共有がなされてなかったね」と、早速ファラオに突っかかるヒゲの男。 「冷泉さんに伝えておけば拡散

      • 《木曜会:4月11日》

        ヒゲの男は、なんだかヘロヘロな状態が続いている。期日が迫っていたいろいろな仕事は無事に世の中へ出て行き、ホッとしたのかどうなのか、とにかく体がスッキリしない。非常に気だるい。季節が春になったからかも知れない。見渡せば、そこいら中に気だるそうな人が沢山いる。 ヒゲの男は木曜会に出席するため、北浜にあるコロマンサに行く。しばらくして冷泉が高価なウイスキーを片手にやってくる。「ファラオさん、今日は休むみたいですね」と持ち込んだウイスキーを飲みながら冷泉は王様の不在を教えてくれた。

        • 《木曜会:4月4日》

          「おおっ」 ヒゲの男がドアを開けて入るなりコロマンサにはぎゅうぎゅうに人が詰め込まれており、木曜会は万作にとって嬉しい悲鳴のあがる百鬼夜行と化していた。これには主催者である冷泉もヒゲの男も「雨が上がれば良いことあるね」と共通して感じたことだろう。 早速、店の扉側に一番近い座席で酒を飲んでいるのはアラタメ堂のご主人だ。ヒゲの男のよくわからない一週間はこの男からの唐突な呼び出しでスタートしたような気がする。(※本ブログ最後尾にて記述) この日、ヒゲの男は仕事を切り上げてラジ

        《木曜会:4月25日》

          《木曜会:3月28日》

          北浜にある猫の額のように小さな店「コロマンサ」にて知り合った、デザイナーの浦部君が頻繁にヒゲの男の会社へ出入りするようになった。ハイエンド向けマンションのカタログデザイナーとして不動の地位を築いたこの男は、いよいよ満を持して農業機械のカタログへと進出するのだ。 どのような風が吹くのか、今から楽しみでならない。 さて、3月29日の木曜会でまた雨が降る。ヒゲの男は、木曜会に参加して報告書を書くことがルーティンワークとなり、従来より「木曜日」というものを他の曜日と切り分けて見る

          《木曜会:3月28日》

          《木曜会:3月21日》

          暦の上でとっくに春は来ているのだが、どうにも寒い。今ちょうど西日本側を中心に桜が咲く時期だからこれを「寒の戻り」というのだろう。実にタフな一週間であった、新しいプロジェクトが幾つも立ち上がるのは光栄なことではあるが、どこまで自分が対応していけるのかについて明確な自信はない。今日の自分の仕事が明日の自分に繋がるとだけ唱えている。 19時頃、木曜会が開催されているコロマンサへ向かう。僧になった冷泉を軸にしてすでに数名が店内で杯を傾けていた。「今日は生成AIを語る日になるだろう」

          《木曜会:3月21日》

          《木曜会:3月14日》

          木曜日、久しぶりに晴れた。ここ最近、木曜日は雨というイメージが記憶のなかで定着化していたが、やっとこさそのイメージから気分的に脱出できることとなった。 今週はヒゲの男にいろいろと変なことが起きた一週間であった。つまり、面倒くさくて誰もやりたがらないような肩の凝る仕事の依頼が幾つか入ってきたのだ。この場合、「誰もやりたがらない」は『短納期』を意味し、「肩の凝る」というのは『偉いさん』を意味する。 以上のことにより、酒を飲みたくて木曜日の到来が楽しみだった。 18時10分頃

          《木曜会:3月14日》

          《木曜会:3月7日》

          街を歩く、いろんなところで梅の花が咲いている。梅にもいろいろな種類があるのだから、梅にもいろいろな考えがあるのだろう。なにも、梅の全てが道真公のために香りを出しているわけでもあるまい。と思う。 3月を迎えた木曜会の模様。 いつもであれば18時半にはコロマンサに行くようにしているが、この日は考えごとをしていたので店の到着が遅くなったヒゲの男。すでに冷泉とファラオ、そして山科の女が来ていた。冷泉が開口一番「アウシュさん、さっきまで待ってはりましたよ」と教えてくれる。 アウシュ

          《木曜会:3月7日》

          《木曜会:2月29日》

          また雨が降る。会長のシュクゾウが退社するのを待つ、会長室の扉が開いているのでヒゲの男は扉の隙間からシュクゾウの様子を見る。帽子を取り、コートを着ようとモタモタしているので、そろそろ帰る頃だろうと考えてヒゲの男も帰宅準備をする。そして、タバコを吸いに行く。 もうそろそろ良いだろうと会長室をのぞき込むと、マフラーを巻きかけたシュクゾウがいる。一体全体とろとろと何をしているのかとヤキモキしたが、シュクゾウのマフラーは2年前、ヒゲの男と同僚のフジイさんが老人に贈ったものだったので、

          《木曜会:2月29日》

          《木曜会:2月22日》

          冬の長雨は困る。どう困るのか具体的に挙げるとキリがないのだが、大きくまとめると外出が面倒くさいのだ。外出が面倒ということは、会社に行くのが面倒ということで、会社に行くのが面倒ということは仕事をするのが面倒ということになる。 ただ、2月9日からの連休はよい天気だったことが救いだった。正月の帰省を1ヶ月ばかり遅らせて2月に帰省したのだが、幸いに暖かく好天に恵まれた。お天気が良いと、湧き出してくるいろんな発想が行動へと結びつくのが早く、それもまた良い。雨の日はその逆だ。 会社が

          《木曜会:2月22日》

          《木曜会が1周年を迎えるので》

          僧になった冷泉と私が週に一度の「木曜会」を開催して1年を迎えた。私たちはコロマンサなる店、他とは一線を画す特異な雰囲気の店が作り出す、ゆるりとした集まりであれば会自体は長く続くだろうと考えてはいた。実際、そうだった。しかし、振り返ってみると会のスタートは順風満帆ではなかったようだ。 それは相手がコロマンサなる店の主人、版画家で狂人の柿坂万作だからだ。 改めて1年前のLINEなどを読み返していると、木曜会がスタートする2月の直前まで場所を北浜のコロマンサにするかどうか悩んで

          《木曜会が1周年を迎えるので》

          《出奔、そして帰郷》

          「なぜ、君は大阪へ戻るのだね、非常にもったいない」 この言葉は、かの高名らしい三島由紀夫が私の会社の会長に投げかけた言葉である。この会話が最期だったのだとシュクゾウ(会長)は私に教えてくれた。銀座でいろいろあったのだとシュクゾウは私に語るが、ことの核心は言わない。言えよ。面倒くさいから。 アルチュール・ランボー 仲良くさせてもらっている哲学者の清先生から私にメールがあった。先生が言うには新しく本を出すから、出版されるまえに私にチェックして欲しいとのこと。本のテーマはフラ

          《出奔、そして帰郷》

          《ロシヤのパン》

          大阪市内でスタジオを経営するブルーグラスの男から私に相談があった。 相談の概要は次のとおりである。 モスクワから日本の専門学校に留学している女性がいる レコーディングエンジニアを目指している 留学ビザが切れるまでに就労ビザが必要である 「阿守さんの会社に、おもしろいんじゃないかなと思いました」とスタジオの男が言うので、一度会ってみようという話しになり、先方も交えて日時を決めて会うことになった。私は会社の同僚ベラルーシ人のシャルゲイを連れて行くことにした。 シャルゲイ

          《ロシヤのパン》

          ピアノソナタ第8番《悲愴》

          私は東大阪市の学生街であった河内小阪に住んでいた。特に用事もなく香川からやってきて住み着いたので、もちろん毎日用事はなかった。酷い生活をしていたと思うが、あまり覚えていない。住んでいたアパートから徒歩3分の場所には後になって、共に音楽をすることになるベーシストの山本さんが住んでいたのだが、出会うまでにはここからまだ10年近くかかる。 当時、河内小阪~八戸ノ里の駅前にはCD・レコード屋が幾つかあった。それ以外にも足を延ばせば近畿大学があり、そちらの学生通りにはもう数段階ほど音

          ピアノソナタ第8番《悲愴》

          《スマホを紛失したが、出てきた話し》  

          2023年7月2日の未明、私はスマホをどこかに紛失しました。新しいストーリーが私を呼んでるなと感じました。人は私のことを楽天的だと言います。 7月1日(土)~2日(日)にかけて、私はアメリカ村にある『FARPLANE』にいました。そこでオーナーのロビンと友人を挟んで、熱い議論を交わしていました。熱い熱い議論です。根性について話しをしていたのです。 夜もどっぷりと暮れて、日付が変わっても議論は冷めることなく深夜3時までにわたりました。そして、そこからタクシーに乗って帰路へと

          《スマホを紛失したが、出てきた話し》  

          《Milk Shop, Ending Today ④》  

          On May 31, 2023, we have decided to close our business, with the last day of operations. Thank you for your continued support Late at night, as the date changed to May 31, I sent an email to my mother, just as the final deliveries were abo

          《Milk Shop, Ending Today ④》