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組織づくりに関する推奨書籍📚

組織づくりは自分が乗っている船を漕ぎづけるために必要な視点。
組織の現状と理想を考え抜えぬは生殺与奪の権利を他者に依存していると同義であり、考えて自論を持つだけは評論家でしかないため、経営論点を抑え、優先順位をつけ、持ち場立場で実行して、ディスカッションしていくために相応の論理を持つことが重要です。

そこで、組織運営にオーナーシップを持ちたい実践家向けに、理想の組織づくりを考えていく推薦書籍をまとめましたので、ご参考となれば幸いです!

1.ビジョナリーカンパニーZERO(ジムコリンズ)


ビジョナリーカンパニーシリーズの要点を結集した書籍で、偉大な会社を創るための本質的な論点はどこにあるのかを考える材料となります。
※理想像、飛躍、衰退の観点を深く理解するためには、シリーズ1〜3も読んでおくことがお勧めです。

< 気づきPointの例 >
①コアバリューがなければ、正しい航路に戻れない。真のリーダーシップは、従わない自由があるにもかかわらず、人々が付いてくることであり、大義を持って努力で習得するもの。
②絶対に失敗してはならないのが最初に人を選ぶ原則。どんな事業のアイデアより、正しい人をバスに乗せることが重要。規律があれば管理は不要。
③衰退の5段階は、成功から生まれる徹慢によって始まる。


2.企業文化をデザインする(冨田 憲二)


ドラッカーの「企業カルチャーは戦略を凌駕する」を強く感じさせられるほどのカルチャーづくりの奥深さを学べる書籍です。
”勝てる”組織カルチャーをデザインできるかで競争優位性、模倣困難性が築かれることを意識できます。

< 気づきPointの例 >
①人は定量的に測定不可能な”気”を感じられることを意識して文化を築かなければならない。ビジネスでは説明不可能なことは嫌煙されるが、真っ向から挑めるか。
②カルチャーは成功/失敗体験を通じて構築されていき、デザインする意思がなければ自然の摂理に流される。100社あれば100通りのカルチャーがあるため、「自分たちはどのように生きたいのか?」を常に問い続ける。
③多くの企業では、スタンスを明確にしつつも、スタイルは暗黙の了解としてグレーゾーン。カルチャーは全て明文化することはできない。


3.組織の盛衰(堺屋太一)


人類史上でも稀に見る急成長組織だった豊臣秀吉の成長志向政策と、15代続く政権を確立した徳川家康の成長を否定する縮小均衡政策の違いなど、歴史から組織構造と組織気質の着眼点を得られる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①組織の規模が拡大すると、一定の段階ごとに組織の原理の質的転換が発生する。リーダーは相応しく変化していく必要がある。
②組織規模が巨大化してルールが必要になるが、同時に人間的な繋がりを重視していた古参から反発が生まれることへ対処しなければならない。
③成長志向の気質が集まった時は組織は成長しなければならず、安定していく段階では成長以外の倫理的目標を掲げなければ忠義が薄れる。


4.爆速成長マネジメント(イラッドギル)


多産多死のスタートアップ界隈でモデルケースが少ないことを課題として、CXOの役割や多様性による視点と機会の獲得などのナレッジを体系化された書籍です。

< 気づきPointの例 >
①人事組織の強化を後回しにして失敗するスタートアップが多い。どんなに強力な採用チームを立ち上げようも経営幹部が採用にコミットしている組織には勝てない。
②事業は流通が重要。アーリーアダプターに合わせて組織を創ると、市場を獲りきれずに、流通力の高い大手後発に奪われる。
③12~18か月先を見据えた組織を考え、多くのトレードオフを検討する。組織が成長し続ける限り、どんなに古参であろうとも、自身も学び続けなければついていけないことに注意しなければならない。


5. モンスター組織(権田和士)


「組織変革の成功率は症例数に比例する」と、万能薬がないからこそ、あらゆるケースを押さえていくことが重要だと感じられ、リブコンサルティングさんのケーススタディから視点が得られる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①組織課題の原因は「人」や「集団」ではなく、その組織メカニズムによる認知の歪みにある
②組織の課題は静的なものでなく、動的なダイナミズムの中で生じているため、静的なフレームワークや固有の成功事例をそのまま当てはめても組織は変えられない
③組織コンセプトを掲げ、採用/評価/教育制度といった目に見える改革で、新しい組織の骨格をつくる


6. サイバーエージェント流成長するしかけ(曽山哲人)


労働人口減少の時代では才能開花競争になっていくとサイバーエージェントさんの組織づくりを工夫する思想と事例が示唆に富んでいる書籍です。

< 気づきPointの例 >
① 競争と挑戦を促す上では、キャリアと生活面での安心が必要。不安が大きいと守りの姿勢になってしまう。
②仕事は厳しくあるべき。同時に表彰で雰囲気を良くして、「会社をもっとこうしよう」との会話が生まれるようにする。助け合える文化があるか。
③中途の年上社員と既存の年下社員の対立は起きやすく、生え抜きの退職リスクにつながる。謙虚さを重視する。最大のリスクはネガティブな考えというのは流行ること


7. ウォー・フォー・タレント ― 人材育成競争 (マッキンゼーアンドカンパニー)


競争力の源泉は人であり、特にマネジメント人材は今後の社会においても希少資源となると、HRMの重要性を学べる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①優れたマネジメント人材の発掘や育成は、トップマネジメントは最優先課題となる。日々、ポテンシャルのある人材の発掘や育成を常に意識すべき。企業は自社で働くことによってしか得られない独自の価値を提示できるかが勝負となる。
②有能な人材に報いる最良の方法は、その成長速度を超える速さでより高い目標と機会を惜しみなく与え続け、潜在能力を最大限発揮させる機会を提供すること。
③仕組みを効率よく回す人材よりも、収益を生み出すメカニズムの設計をしたり、新たな市場や需要を喚起したり、何かを仕掛けて作り出していけるタイプの人材の方が重要。


8.ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件(楠木建)


戦略は極めて主体的な意志を問うものであり、戦略の実行にとって大切なのは、過去を示す数字よりも未来を示す筋の良いストーリーと、組織の羅針盤を考えるバイブルとなる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①生き生きと動く”ストーリーが見えるか”が戦略の優劣となる。項目ごとのアクションリストに過ぎない。静止画では弱く、個別のアクションを議論しても全体を意識しなければ無意味。
②戦略とは、難しい顔をしながら作らされるものではなく、誰かに話したくて堪らなくなるような、面白いストーリーであるべき。見える化よりも話せる化が大切。
③ストーリーの共有は勝負を総力戦に持ち込むための条件。ストーリーを全員で共有していれば、自分の一挙手一投足が戦略の成否にどのようにかかわっているのか、一人ひとりが理解したうえで日々の仕事に取り組める。


9.戦略を実行できる組織、実行できない組織(フランクリン・コヴィー社)


フォーカス、モニタリング、アカウンタビリティーを促進する4つの規律の仕組みで“何をすべきか”でとどまらず、”どうやってするか”と有限の時間の使い方を見つめ直すことができる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①目標の曖昧さとアカウンタビリティの弱さが、膨大な日常業務(竜巻)中で実行力を低下させることに対処が必要。緊急と重要が衝突すれば、緊急が優先されてしまう。
②売上高やシェア、顧客満足度など遅行指標を追いかけることはバックミラーを見ながら運転するようなものであり、テコの作用の高い先行指標を発見しなければならない。
③チームの全員にスコアがわかるとプレーのレベルが上がるのは、結果と調整を必要とする部分が見えるからだけではなく、勝ちたいという気持ちが強くなるから。


10.THE TEAM 5つの法則(麻野 耕司)


個の時代だからこそより重要度が増すチームビルディングのコツをAim(目標設定)、Boarding(人員選定)、Communication(意思疎通)、Decision(意思決定)、Engagementの法則(共感創造)の5つの法則で学ぶことができる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①チームの必要条件は活動の成否を判断するための共通の目的であり、環境の変化度合いに応じて、メンバーの出入口にこだわる。
②人は目的を意識すると関連する情報をそれまで以上に認識する。行動目標の設定だけでは作業の奴隷を生み、成果目標の設定だけでは数字の奴隷を生むことに注意。
③人には感情があるため、何を伝えるかよりも、誰がどのような場で伝えるかの方が重要。雰囲気をマネジメントする。

11.ウイニング勝利の経営(ジャック・ウェルチ)


「会社が勝っていると従業員はチャンスを得て、明るい将来を描くことができる。逆に会社が負けていると不安感にさいなまれる」と組織が健全であり続けるための前提を意識させられる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①相反する目標のプレッシャーに耐えることがリーダーの難しい試練。予行練習がないため、本番で乗り越えなければならない。リーダーの仕事は、ネガティブな雰囲気に勝ち、ポジティブな雰囲気をつくること。
②会社は人で成り立っている以上、過ちは起こり危機に遭遇すると認識しておく、そこに厳粛に立ち向かう強さが大事
③人事機能を重視し、ミドル70%を育成してトップアップする。日々の業務に育成の材料があることを理解して、人材開発は毎日行うべき。


12.心理的安全性 最強の教科書(ピョートル・フェリクス・グジバチ)


Googleの人材開発を担われたピョートルさんによる誤解されやすい心理的安全性の理想状態とテクニックがとても学び深い書籍です。

< 気づきPointの例 >
①心理的安全性を高めることはゴールではなく、生産性を高めるための手段。人とタスクを区別する。
・Nice(気持ちいい)ではなく、Kind(思いやり)のある職場を目指す。人に優しく、結果に厳しく。
③ダブルバインドに注意した組織を設計し、不毛な忖度を生まないためにルールと基準を明確にする。ハイコンテクストな文化にあぐらをかいているうちに相互理解が不足していく。


13.学習する組織 ―システム思考で未来を創造する(ピーター・M・センゲ)


組織が前に進むためには、個人ではなくチーム学習が重要と、全体最適の視点で組織づくりを考えられる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①組織設計や職務設計、管理方法が学習を阻害し得ることに注意する。構造を変えなければ人が替わっても変わらない。対症療法的解決策に注意しなければ問題のすり替わりになるだけ。根本的原因を解決すべき。
②組織単位の成果には、変革から数年以上先に表れるものがあるため、経験から学習することが難しい。
③事実を検証せずに一般論で考える時に抽象化によって論理が飛躍する。情報が少ないことよりも、情報が多すぎる方が、問題を引き起こしやすい。


14.エンプロイーエクスペリエンス(トレイシー・メイレット)


Airbnbは従業員体験最高責任者(CEXO)を設けていたり、人間の基本的欲求であるエンゲージメントへのアプローチの重要性を考えられる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①持続可能な一流の顧客体験を創出するには、持続可能な一流の従業員体験を創出しなければならない。
②コーポレートブランドをつくり上げるのは従業員であり、従業員のエンゲージメントもコーポレートブランドに左右される。
③職場内の会話やメディア、社内政策、噂、顧客の意見などさまざまな要因でエンゲージメントは日々変化する。


15. 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい(松井 忠三)


「努力を成果に結びつける仕組み」「経験と勘を蓄積する仕組み」「ムダを徹底的に省く仕組み」がなければ、人の努力は組織の成果につながらないとイネーブルメントの重要性に気づくことができる書籍です。

< 気づきPointの例 >
①発破をかけるよりも、仕組みをつくる方が人は自然と行動が変わる。必要なのは地道な仕事の習慣を根付かせること。
②作業の意味を理解できれば、問題点や改善点も発見できるようになる。マニュアルは、実行力を養うテキストであり、行動を考えるための羅針盤にもなる。仕事の細部こそ、マニュアル化すべきだという考えがある。
③どんな作業にもうまくいく法則があります。それを見つけ、標準化する。マニュアルをつくることで、今まで暗黙の了解の上で成り立っていた業務の問題点が見えてくる。

※なお、上記の書籍からの学びを含めた組織づくりのための新しい気付きを届けることを目的に、組織論とケースを考察しているマガジンは下記となります。
ご関心がある方はぜひご覧ください!

https://note.com/amuro_human/m/m494579209319

※成長企業の採用力について下記で整理しています。

※キャリアデザインに関する推奨書籍は下記に掲載。
https://note.com/amuro_human/n/n9fe8eefab1c7

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