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まだ知らない世界観は存在する

表紙と帯と、後書きの不一致さにひかれ、朝吹真理子さんの小説を初めて読んだ。

いい意味でどんな物語が書かれているのか全く想像できないシルエット。

ページを捲りながら思ったのは、情熱でもなくでも冷めている訳でもない、常に常温の感情が漂っているような感覚。

それでいて、美しい文章が並び背筋が伸びる。

画家の個展行って表紙の解説文を読んでいるような、眼鏡をかけた物静かなマスターのいる薄暗い喫茶店で、アート雑誌を読んでいるような、自分自身もどこにいるのかわからなくなり、一緒に時空を超えているような、本当に不思議な本だった。

真っ白なマシュマロの上を歩いていて、ふわふわと知らない世界へ迷い込んだ1冊でした。

個人的には初めての感覚で、もう少し私自身を発酵させ咀嚼多めにもう一度読みたい。

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