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【自殺予防週間】どういうときに死にたい気持ちを持ちやすい?【論文紹介】

9月10日から16日は厚生労働省の「自殺予防週間」です。

自殺予防週間では、自殺について、誤解や偏見をなくし、正しい知識を普及啓発することをおこなうということで、わたしもその心に賛同しまして、情報を紹介していこうと思います。

周囲のひとからすると、自殺が発生した時に、なんでそんなことに・・・ということや注意できていればよかった・・・なんてことがあると思います。

今回は、「どういった特徴を持つ人が死にたい気持ちが出てきやすいか?そして、死に直結するような行動をとりやすいのか?」についての論文をご紹介します。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/da.23278

この研究ではメキシコの13大学の新入学1年生(n = 3238)にオンライン調査を1年目に行い、その12か月後に再度調査を行いました。大学生の時期はメンタルヘルスの問題が初めて起こりやすい時期とも重なっており、大学生にこの手の調査を行うことは人生においてのメンタルヘルスの予防に対してとても重要です。

1年後に死にたい気持ちが生じていた人は8.53%、そして、死に直結する行動をとる人は1.16%いました。

死にたい気持ちは、女性、性的マイノリティ、精神疾患を持つなどの特徴がある場合に起こりやすいことがわかりたした。

さらに、ストレスな出来事も死にたい気持ちが生じる要素となっていました。特に、恋人とのケンカや別れ、心理的虐待を受けていること、家族の死が、死にたい気持ちを生じさせる原因でした。

そして、頼る人がいないことも、死にたい気持ちが起こる原因となっておりました。

最後に、死に直結する行動のリスクとなっているのは、睡眠の問題があることでした。

精神疾患を持つなどの場合やストレスな出来事があった場合に、頼りになる人がいないと、死にたい気持ちになることはわかる気がします。

不調が生じたときには睡眠の問題が起こりやすいですし、眠れないと頭が働かなくなってしまうこともあります。

先に挙げた特徴を持つ人がすべて死にたい気持ちを持つわけではありません。

ただ、そういったひとが周りにいる場合、頼りになる人にまではなれないかもしれませんが、声掛けしてみるなどしてみてもいいのかもしれません。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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