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メンタルヘルスをキープするための心理学の要素とは?【論文紹介】

9月10日から16日は厚生労働省の「自殺予防週間」です。

自殺予防週間では、自殺について、誤解や偏見をなくし、正しい知識を普及啓発することをおこなうということで、わたしもその心に賛同しまして、情報を紹介していこうと思います。

本日は「メンタルヘルスをキープするための心理学的要因」についてお話ししたいと思います。

メンタルヘルスといっても、細かくわけるとさまざまな要素からなりたっています。大きくわけるとポジティブな側面、ネガティブな側面、そして社会生活への影響です。

これらのメンタルヘルスをキープするためには、どんな心理学的要因が影響しているのでしょうか?

本日は入江先生たちがおこなったメタアナリシスの論文をご紹介したいと思います。

この研究では大学生のメンタルヘルスの関係する876編の論文を参考にし、ポジティブな側面、ネガティブな側面、そして社会生活に影響する心理学的要因を抽出しました。

注意 (特定の物事に注意を向ける傾向、マインドフルネスなど)、記憶(特定の記憶へのこだわり、記憶不信など)、理由づけ(解釈、特定の物事に理由付けする傾向など)、思考(考え込むこと、ネガティブな考えなど)、行動(回避、対処行動など)

の5つ心理学的要因が用いられました。

さて、どの要因がメンタルヘルスに関連していたのでしょうか?さまざまな研究成果をまとめた結果、以下の心理学的要因がメンタルヘルスに関連していることがわかりました。

まず、「ポジティブな要素については、注意が関連している」ことがわかりました。マインドフルネスの傾向があったり、さまざまな物事に注意を向けられることがメンタルヘルスのポジティブな要素を高めることにつながるようです。

次に、「ネガティブな要素については、思考が関連している」ことがわかりました。つまり、考え込んでしまう傾向があったり、考えの内容がネガティブであるほど、メンタルヘルスがネガティブになるようです。

最後に、「社会生活については、行動が関連している」ことがわかりました。いろいろな物事や気持ちを必要以上に避けることなく、ストレスに上手に対応できると、社会生活の満足度が大きくなると言えそうです。

いかがでしたか?メンタルヘルスにもいくつかの要素があり、みなさんが生活の中で取り扱いたい要素はありましたでしょうか。

この要素を扱いたいよっていう場合には、わたしのnoteにいくつか記事がありますので、もしよろしければご参照ください。

注意:マインドフルネス

思考:認知療法

行動:行動活性化

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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