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映画『1980(2003年)』 平成時代に撮られた昭和レトロ作品を令和に味わう

公開からまもなく丸20年になる、

『1980(イチキューハチマル)』


1980年の年末を舞台に、
三姉妹の目まぐるしい日常をケラリーノ・サンドロヴィッチさんがコミカルに紡いだ物語

昨夜初見したので、感想を綴っていく


三者三様、三姉妹

長女のカナエ〈犬山イヌコ〉は高校教師、
次女のレイコ〈ともさかりえ〉は元アイドルで英語教師を目指している
三女のリカ〈蒼井優〉は高校2年生で映画研究部に所属している


この中で最もトラブルメーカーなのは次女レイコ
急にアイドル辞めて失踪するわ、
誰とでも寝るB***hだわ、
しかも男子高生〈勝地涼〉と淫行してるわ、
水族館でヒスってとんでもないことしでかすわで
激しくヤバい女だった
でもなんか愛嬌?でチャラにしてるようなキャラだった

長女のカナエは旦那がノーパン喫茶(←初めて知った)通いしてたり、
浮気グセがあって悩まされているって役どころだった
てっきり途中まで レイコ と リカ のお母さんだと思ってたけどお姉ちゃんだった…

三女のリカは おぼこくて一番常識人だと思った
映画研究部でヒロインをするってなって
ヌードにならなきゃいけなかったり、
彼氏に嘘つかれて(結果本当になったけど)傷ついたりと
ごく普通の女子高生ってキャラだった


ミッチーでゆかいに遊び尽くしてる感

以前から80年代という時代に興味があるのはあったけど、
この映画を観ようと思った最大のきっかけは
及川光博さんが出演されていると知ったから


役どころは人気ベテラン歌手


なんの予備知識もなく観てみたら
劇中で色んなジャンルの歌を唄ってたり踊ったり、
女に引っ叩かれたら二往復ビンタ返ししたり、
タクシーに乗って逃げる女を追いかけ回して
汗だくになりながら車の上に張り付いたり、
性的同意があいまいなままにキスしようとしたり…

めちゃめちゃオス丸出しなキャラで笑ったし、
ネットに残ってる情報でしか知らないけれど
根強いパブリックイメージの王子様キャラを
ケラさんはぶっ壊したかったのかな?と思った


上品でクールな顔立ちをしていながら
中身は女泣かせのクズキャラって一定数需要あるだろうし、わりと嫌いじゃなかった(?)

あと、ほんのり匂わせるセックスシーンががっつり見せられるよりエロかった
手と喘ぎ声がえちえちだった
でもあのスイッチをONにする行動はちょっとなんか引いたかも
愛の表現がいちいちこわい〜


劇中歌 


『セルロイドの夜』

という劇中歌、
ムード歌謡っていうのかな?
結構好きなタイプの楽曲だった
正直初見はなんだか笑ってしまったけれど、今は普通に聴き入ってる

ミッチーさんの曲だと『ロリータの罠』が好きで集中的に聴いていた、
でもこういうしっとりとした曲調&歌唱も素敵だなって思った


ケラさんの公式Xのポスト


平成生まれ、昭和生まれ

私は1996年生まれなので、
この映画で描かれている80年代ネタがすべてわかったかと言うと分からないこともあった

でもBGMで沢田研二さんや松田聖子さんやYMOなど、音楽面では比較的に知っていたので
当時流行っていた歌が流れていることに気づけた
(でもなんとなくご本人歌唱じゃないような…)

きっと80年代に青春時代を過ごしたことのある大人世代の方が観ると、
懐かしい〜ってしみじみ感じる小ネタに気づける楽しみがある映画なのかもしれない


正直最初あたりは「なんだこれ...?」と困惑する場面がちょこちょこあったけど、
中盤からカオスさに慣れてきて
お目当てのミッチーさんの役がおもしろくて
最終的には三姉妹の仲の良さにほのぼのした作品だった。


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