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【嫌いなもの】ブラック○○という言い方が嫌い

ここ数年でブラック○○という言葉がぐっと増えた。

ブラック企業からはじまり、ブラックバイト、ブラック校則、ブラック研修、ブラック部活‥。

色々なブラック○○がある。

だが僕はブラック○○という呼称がとても嫌いだ。

ブラックという名付けには社会に蔓延る「闇」を分かりやすく表そうとする意図が見える。

だが分かりやすさを求めた結果かえって分かりにくくなる事も往々にしてある。ブラックという名付けに基づく認識だけが世間に浸透した結果、「闇」は「闇」のまま、その深刻さは明るみには出てこない。

たとえ明るみに出たとしても、大した社会的制裁が無いと言っていいように思われる。

僕は「過労死」をさせるシステムや責任者がもっともっと厳しく罰せられるべきだと考えている。

彼らの多くは自身や会社の利益の為に労働者を酷使し、死なせている。

人一人の死を彼らがどのように思っているか、それが社会の明るみに出てくることはない。

彼らが私利私欲の為に人間を死なせている罪は、衝動的な人殺しよりもよっぽど非難されるべき対象だと思う。だが、世間にそんな風潮はない。(あるいはまだまだ弱すぎる)

炎上炎上とコンテンツや発言の不備を晒しあげる時代に(それもどうかと思うが)、彼らが何をして、どうやって人を死なせたのか、具体的な追及が広がることはあまりない。ネットで大声をあげる人々には一度で良いから社会を変革するだけの民意としての機能を果たしてもらいたいものだ。

炎上炎上と騒がれるしょうのない騒ぎよりもよっぽど皆が非難しなくてはならないのが過労死の問題だろう。

死なせなくとも過労状態に追い込むこと自体が悪であり不当な行いだ。人の時間・賃金を搾取することは人の財産を侵害する行いであり、民主主義の根本原理に真っ向から違反している。

だが、現状の日本では問題として取り上げられる事を恐れてクリーンな経営に臨むより、労働者を使い潰した方が「割が良い」と言うのが現実だ。

こんなおかしなことがあって良いのだろうか。

問題にならなければ何をやっても良いのか。

「働き方改革云々の時代だから」おかしいのではない。

根本的な不正義が日本社会に横たわっている。

ブラック○○と呼ぶことは世間の認識を眩ませ、自体の深刻さを雲隠れさせる。

はっきりと犯罪者・犯罪企業だと糾弾されて然るべきだ。

法律に明文化されていない事柄であったとしても、人としての根本的な有り様を犯しているのだから立派に「罪」だ。

この世から私利私欲に則った犯罪者達が淘汰されることを切に願っている。