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あなたが本気で見た夢を はぐらかしたのが苦しいの

ありんごです

タイトル、読んだだけで曲名がわかる方も多いのではないでしょうか?

松任谷由実さん「青春のリグレット」のフレーズです

私は15歳でこの曲に出会って、時が経つほどにどんどん好きになったけれど、親以上の世代がそれを知ると、「ずいぶん大人びた歌が好きなのね」「わかっちゃう?」とコメントされた

大人びてるってどういうことだろう。子供にはわからない複雑な感情を切り取った歌ってことだろうか。それとも、子供には聞かせたくない歌ってことだろうか

それに、わかるかわからないか聞かれても、なんと答えたら良いかわからなかった

好きは好きだし、良いと思うものは良いと思うのだ

でも、曲を一貫して流れる切なさとか、原曲の「私」の独りよがりな悲しみとか、「私」なりの愛情とか、果たしてこれはバッドエンドなのか判断に苦しませてくる空気感が、どうしようもなく好きだったし、今も魅力的に感じる

歌詞はすべて、さらっと流れていくようで、妙に引っかかる感じがする

一言一句語りたいくらいだが、記事タイトルにした「あなたが本気で見た夢を はぐらかしたのが苦しいの」は、特にすぱんと私の心に入ってくる歌詞である

好きだった人の夢が嫌いだったことはありますか?

英語の文法の練習みたいな文章になったけれど、全てのできごとは過去完了なのでこういう文章になってしまう

好きなら全てを応援できる、そんなの綺麗事だと知ったことを昨日のことのように思い出せる。私はその夢を嫌った。夢を追う人は美しい、応援したくなるものだ、私だってそう思っていた。でも、その先にある夢が何であっても応援できることが愛だというならば、私はその人を愛していなかったと言われようと構わない、それほどに私はその夢を嫌悪した

表現に迷うが、端的に言うと私は、その人の力がそのような形で使われることを受け入れることができなかった。魅力を愛しているからこそ、その魅力がそのような形で利用されることは耐えがたかった

でもその人はそれを望んだ。私は、その人がそれを心から望んでいることだけは、よくわかっていたつもりだ。人は基本的に、自分が望むように生きるべきで、生きてほしい。だから、私はその人から離れた。その人が本気だったからこそ、私は自分のために、その人から離れたのだ

私はふわっと笑って手を振った。振り返らなかった。会いにも行かなかった。だからきっと、夢をはぐらかされたように感じただろう。でもそれで良いのだ。どうしても歩み寄れないほどにその夢が嫌だった。これほどにも本当に相容れないのだから、相容れないことなんかに躓かずに望みに向かって前に進まないといけない。お互いにね

私はその訣別を、あなたのせいになんてしない。だけど、苦しくないわけじゃない。だって大切だったから

さて、原曲がこういうストーリーなのかどうかは、分からないし、おそらく違うだろうし、それは作者ご本人のみぞ知るだ

でも私は、「あなたが本気で見た夢を はぐらかしたのが苦しいの」と聴くたびに、やっぱり少しだけ苦しくなる

苦いな、でも悪くないな

そうして、前に進んでいることを確認する。日々に楽しみを見つけて、自分の望みを大切にできていることを嬉しく思う

もし私が本気で見た夢を、大切な人にはぐらかされたって、私は生きていくんだって思える

ありんご



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