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ぼけしらずネギのインパクト

ありんごです

寂れかけた商店街の中、その焼き鳥屋さんは立ち寄る人でいつも繁盛している。午後から夜にかけてさりげなく人が途切れない感じの繁盛の仕方。自分がお店をやるならああいう感じが良いな。私は数回立ち寄ったことがあるけれど、確かに美味しかった。夕方になって近くを歩いていると、焼き鳥の煙が風に乗ってやってきて、誘惑してくる。

ある日の朝、用事があって焼き鳥屋さんのある町へ出かけた。でも、目的地まで普通に歩くと焼き鳥屋さんの前は通らないはずだった。でも、いつもと違う道を通りたくなって、少しまわり道をした。少し急いでいたのに、なんとなく。夕方ならタレの香りがする通りに差し掛かっても、今朝は特に美味しい香りはしなかった。

それでも朝はどんな感じなのだろう?と気になった私は焼き鳥屋さんの通りを歩き始めた。そしてついに焼き鳥屋さんの前を通り過ぎようとした。

お店の窓の向こう、大きな段ボールが置いてある。そうだよね、まだお店やってないもんね。そう思って通り過ぎようとする。段ボールを一瞥する。

おや?

「ぼけしらずネギ」

思わず通り過ぎかけた身体をひねってもう一度見る。

「ぼけしらずネギ」

知らないぞ。知らない子がいる。いったいどんなネギなんだろう。気になったけれど、そこには段ボールしかなかった。というか、あのねぎま、「ぼけしらずネギ」だったのか。びっくり。

急いでいたのもあって仕方なく歩き出す。私は他にやることがあっても、気になったものはその時飛びついてみたい性質である。その日は移動時間があったのでぼけしらずネギを調べてみた。


以下上記サイトから引用

“「ぼけしらずネギ」とは鮮やかな緑と艶やかな白の境目がハッキリしているところから名付けられました。“

ぼけしらずってなんのことかと思ったらそういうことなのね。名付けた人面白い。もう少し調べるとこの子は青森十和田にいることがわかった。そして、更なる発見としては、東北にはかわいいネギがたくさんいることだ。

曲がったネギや、ワインカラーのネギ、いろんな子がいることを知ることができた。生産者さんもいろんな方がいて、それぞれの生活があるのだろうななどと思いを馳せる。

こうして、準備中の焼き鳥屋さんを通りかかった私はあたらしい世界に出会えたのであった。きっと今夜も、あの焼き鳥屋さんのねぎまには「ぼけしらずネギ」が入っているんだろうな。


ありんご



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