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ナイト・オン・ザ・プラネット

1月

自分の過去と
向き合うきっかけになった映画の話。

1月、私は2つの映画を鑑賞した。

  • ちょっと思い出しただけ

  • ボクたちはみんな大人になれなかった


どちらの映画も過去を思い出す話だ。
この2つの映画、
あまりにも物語のテイストが似すぎていて、
この映画を選んで観たのは、
"偶然"か、はたまた"過去を思い出せ"とでも言われているような気がして、鑑賞後なんだか落ち着かなかった。

はじまりは、ナイト・オン・ザ・プラネットという映画だった。

2024年1月10日
この日も、仕事暇だな〜と思いながらネットサーフィンをしていたら、
"ナイト・オン・ザ・プラネット、リバイバル上映決定"のニュース記事を見つけた。
その記事を見た時、好きな人と偶然バッタリ出くわした時のような胸の高鳴りがしたのを覚えている。

この映画を知るきっかけになったのは、クリープハイプだった。
クリープの曲の1つに、"ナイト・オン・ザ・プラネット"がある。
この曲は、誰しもが経験した事があるような
甘酸っぱくて、ちょっと苦くて、終わってしまった恋に思いを馳せる、恋の日常を歌った曲だ。

曲中のカップルにとって、この映画が2人の大切な思い出なのだろう。
この映画を観るたびに、きっと思い出すのだろう。と、しみじみと思いを馳せながら聴いていた曲だ。

はい、曲だけでめちゃめちゃエモいです。
さすがクリープハイプ。

これがきっかけで私は映画を知った。
いつか映画を観てみたいと思いながら生きていたら
リバイバル決定のニュース。
心の中で、歓喜乱舞しました。

この日は、仕事なんて二の次で映画について調べたり、歌詞を読み込んだりしていた。←仕事しろ
そんな事をしてたら、松居大吾監督がクリープの曲から映画を作ったという記事を見つけた。

それが、

ちょっと思い出しただけ

だった。


この映画は、恋をした事がある人なら必ず共感出来るのではないかと思っている。
映画"花束みたいな恋をした"にもテイストは似てるかな。

未練とかじゃないけど、
日常の中で、ふとした瞬間に思い出す人。
別れてしまった恋人との日々を思い出す瞬間は、
誰しもが経験した事があるのではないだろうか。
恋人に限らず、友達や家族でも同じだろう。

私もつい最近、過去を思い出す瞬間があった。
いつものように会社に行く為に、乗りたくもない満員電車に揺られている時だった。
どこからか、懐かしい匂いがしてきたのだ。
その瞬間に、良い思い出も、悪い思い出も、走馬灯のように私の頭の中を駆け巡っていった。
匂いで呼び起こされた記憶は、とても色鮮やかだった。

そんな感じで朝からエモいモードに入った。

完全に、ちょっと思い出しただけ現象だ!!

この映画は、ちょっと切ないけど、なぜかじんわりと心が暖かくなるような映画だった。
過去の思い出が、そっと包み込んでくれるような、
そんな感覚にさせてくれる。
2回目観たら、また違った視点で観れるかも。
とても面白かった。

鑑賞後、エモ〜い気持ちを抱きながら
数日間ずっとNetflixを漁っていた。

そこで、見つけたのが

ボクたちはみんな大人になれなかった

だった。

この映画が過去を思い出す系の物語だと全く思わずに鑑賞し始めて"前回観たのと一緒じゃん!"と思ったし
なんと、ヒロインはどちらの映画も伊藤沙莉なの。
伊藤沙莉の恋愛遍歴でも観させられてるのかと思った…

一緒じゃん!と思ったけど違いました。
この映画は、過去に1番好きであったであろう彼女の
ちょっとした何気ない言葉に囚われて、
その後の恋愛を拗らせている40代後半の男が、自分の過去を受け入れて前に進む話なのだなと思った。

ちょっと共感出来てしまうな…

恋人の何気ない一言に、助けられるし、殺される。
意外とそういう言葉って、自分の奥深く根っこの部分まで伸びてて自分の一部のように残り続けてて、その言葉たちを思い出した時、前向きになったり、卑屈になったり…
ちょっと、あんた、どこまで私の中に入り込んでるのよ。出てお行き!!と思うほど、
鬱陶しいとさえ思える過去の記憶。(ある種の呪いだ)
だけど、その過去があったからこその今の私なのだろう。

過去を否定ばかりしないで、
"ちゃんと受け止めて、抱きしめて、辛い事もあったけどそれを乗り越えて、私は今の私になったのだ"と
自分を肯定してあげられるような映画だった。

この2つの映画を鑑賞して、私は自分の過去をはじめて愛おしく思えた。
今までの私は自分の過去を無かった事にしたいとさえ思っていた時期があった。
(他の人間も思っている事なのだろうか…)
だけど、今の私を作っているのは紛れもなく、過去の私だ。
今までの出来事は決して無駄な事では無く、確実に今の私を作る""となっている。

過去の私を抱きしめよう。

ありがとう、私
ありがとう、過去の人



これからも時間は容赦なく進み続けて、今日という日も過去になる。
哀しいなんて、寂しいなんて、思わないけど、
今日という日が終わる時、
眠りにつく前に、今日あった事を思い出そう。

今日という日を頑張った私を、抱きしめてあげよう。



戻れないあの頃を

ちょっと思い出しただけ


END

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