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いつの間にか逆転!?~私と父の親子関係~

カウンセラーのたまご 朝比奈卵です

私の父(77歳)は恐らく元々の特性に加え
祖母に厳しく
育てられたからなのか
時に辛辣な言葉を吐いてしまう癖がある

これまでに家族に向けられた数々の言葉
特に亡くなって行く家族への言動については
何年経っても思い出すと
激しい怒りに満ちてくる

その父は母が亡くなってから
財産のほとんどを
あらぬ方向へと使ってしまい

止めにかかった私に
父の今生で一番かと思われる
刃が向かってきたこともある

まさしく気が狂ったような父に
身の危険を感じ
様々な立場の方に介入してもらい
子供達を連れて
ホテルへ逃げたこともあった

元々の素養はもちろんあったと思うけれど
あの時
父の短所が急激に伸びてしまった
理由は
やはり”寂しさ”だったのではないかと思う

突然の事故で長年連れ添った妻に
突然会えなくなった
悲しみ、寂しさ
その心のど真ん中をまんまと狙われ
あらぬ人達にとっては良いカモと
化してしまった父

全くなにをどうしたら良いのか
分からなかったけれど
そこは昔、逆の関係だった私達
(私には凄まじい反抗期があったのです)
それに
現在家族で生きているのは私と父のみ

その父娘の絆はそう易々と
切れるものではなく
何年かするうちに私達の関係は
次第に
通常に戻って行った

その父が昨年は病気続きだった

太ももにできたコブが治らないと
別の案件で受診していた
医者に見せると
「大動脈瘤」
とのことで緊急手術

何層にもなっている
血管の層が破れ
薄皮一枚でかろうじて繋がっている
破裂寸前の動脈瘤が腹部付近に
3つも見つかり

心臓血管外科医25年目の
医師を以って初症例と言わしめていた

しかしそれも去ることながら
手術当日の朝
私は父の脳にも動脈瘤があることを
主治医より告げられていた
今から手術だというのに
すでに再手術確定との報告を受け
これから長い戦いになりそうだ
また
高齢の父が耐え抜けるのだろうかと
心配になった

しかしそれらもようやく終わった
昨年末近く
今度は心臓が悪いという
「冠動脈狭窄」
それもあいにく、場所が悪く
開胸手術とのこと

当日は12時間にも及んだ
なんせ
電動ノコギリで肋骨を真ん中から切り
取り外し
心臓を止めての大手術

約1年間のうちに
よくこれほど手術ができると
びっくりしたけれど

どうか命だけは助けて下さいと
実家の仏壇の前で
涙を流し
一生懸命に祈っている自分がいた

本当に親子っていうのは
不思議な縁だなと思う

子供はどうしてこんなにも
親を愛しているのだろう

もしかしたら生まれて死んで
生まれて死んで
何回も一緒だったのだろうか
もうそうとしか思えない
(そんなこと考えたくない位
嫌になる時もあるけれど…)

昨日その父から
「来月また手術がある
それ含めてあと3回手術予定」
とのLINEが来た
どっひゃーまたなのねー
(この人は一体どれほど強靭な肉体なのだろう…)

続いて
「今日コロナワクチン5回目打って腕が痛い」
とのことだったので
「何かあったら駆け付けるから大丈夫だよ」
と打ち返したら
「ありがとう

」と初めて特大ビックリマークで返ってきた
なにこのうっすいのー!
初めて見ましたけどー!
でも特大だから良しとしよう

そういえば近頃
私の愛情をありがとうって受け取ってくれる
お父さんになったんだねありがとう

おむつをした赤ちゃんから大人になり
最後はまた赤子に戻っていく
というけれど
関係もこうして逆転していくうちに
やがて人生の山を
降りていくものなのだろうか

せっかくなので
父と一緒に歩いて行こう

~カウンセラーのたまご~
朝比奈 卵

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