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自転車旅:中東

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イスラエル、報道では伝わらないリアルを感じてみる

イスラエル、報道では伝わらないリアルを感じてみる

中東の火種、イスラエル入国。

国境からエルサレムまでは、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区。
そう、ここはパレスチナ。

海抜-250m、世界一低い都市エリコ。

自治区内は今までと同じくアラブ人が住むアラブ文化圏。

聖地エルサレム。
旧市街は城壁で囲われた凝縮世界。

荷物満載の自転車で、いざ突入。

狭い城壁内は、ユダヤ、キリスト、イスラムの三宗教の聖地がひしめき合っているだけでなく、人々

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ヨルダン、王の道

ヨルダン、王の道

フェリーでヨルダンへ。

イスラムという共通の価値観でつながっているアラブ世界では、国という概念が希薄だ。
国なんてものは、世界大戦の戦勝国の都合で勝手に線引きされたでっちあげにすぎない。
それよりも自分たちは中世イスラム帝国で隆盛したアラブ人だという意識を強く持っている。
それでも国境を越えると、人の気質や空気に若干の変化を感じる。

ヨルダンは立憲君主制、王様がいる。
隣国のエジプトでは長期に

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アンマンで「フリーパレスチナ」

アンマンで「フリーパレスチナ」

ヨルダンより、アラビア半島を突っ切ってみる。

首都アンマン。

金曜日の礼拝。

全員男。

お祈りが終わるや、デモ行進が始まる。

世界有数の難民受け入れ国、ヨルダン。
第二次大戦後100万人に満たなかった人口が現在1020万人、実に10倍以上増加している。
パレスチナ難民数は世界最大、他にもシリア難民、イラク難民など、ヨルダンの住民の7割が難民またはその子孫だという。

国という枠組みでしか

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砂漠と死海の国ヨルダン、土地を奪い合う宿命の文明交錯地

砂漠と死海の国ヨルダン、土地を奪い合う宿命の文明交錯地

聖書にも登場する古代人、アモン人が首都アンマンの語源となっている。

ここは、メソポタミアとエジプトという文明の発祥地にはさまれたド真ん中。
アッシリア、バビロニア、ペルシア、ギリシャ、ローマ、イスラム、と名だたる巨大国家によってめくるめく支配権が争われ、錯綜した歴史を歩んできた。

アモン人は、古代イスラエル王国を築いたヘブライ人と敵対していたが後に吸収された。今も昔も変わらぬ土地争いの宿命を感

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サイクリング・サウジアラビア、施しの文化が根づく砂漠の民と国家の生き残り戦略

サイクリング・サウジアラビア、施しの文化が根づく砂漠の民と国家の生き残り戦略

国そのものがイスラムの総本山ともいえる厳格さで知られるアラブの筆頭国、サウジアラビア。
脱石油依存の一環で2019年9月に外国人観光客への門戸を開放、しかしその後まもなくしてパンデミック到来により閉鎖。
現在は問題なく入国できるが、陸路でガッツリとこの国を旅した人はまだ少数と思われ、情報も乏しい。

ビザ代は高額(2万円弱)だが、完全オンラインのe-Visaで、いたってシンプル。
国境係員は、僕が

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アラビア半島内陸走行、聖地メディナからパトカーにつきまとわれる日々

アラビア半島内陸走行、聖地メディナからパトカーにつきまとわれる日々

内陸へ。

テント生活するイエメン人に招かれた。
サウジアラビアは、イエメン人労働者も多い。

ランチをごちそうに。
パサパサの米を手で器用にすくって食べる。

イエメンはサウジアラビアの隣国で同じアラブ文化圏だが、人はまったく違う感触。
行ってみたい国だが、長期にわたる内戦のため難しい。

もっと食えもっと飲めと、惜しみなく差し出してくる風習は共通。

ここで養蜂をしているようで、ハチミツをいた

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アラビア半島を横切ってペルシャ湾へ、砂漠気候で生き抜く人々の独自の生き様

アラビア半島を横切ってペルシャ湾へ、砂漠気候で生き抜く人々の独自の生き様

標高600m、首都リヤド。

極度の車社会。
キチガイじみたクラクションが鳴りやまない。
ガソリン安いだろうし、夏は死ぬほど暑いだろうし、車以外の移動手段は根付かない。
首都中心部には自転車レーンがあったり電動キックボードのシェアライドもあるようだが、ほぼ利用されていない。
歩道は路駐車で遮られ、ジャマでしょうがないが、歩く人さえあまりいない。
渋滞問題やCO2問題で非難されようが、車離れが起きそ

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サイクリング・アラブ首長国連邦、自国民の存在感がないほぼインド人の国

サイクリング・アラブ首長国連邦、自国民の存在感がないほぼインド人の国

アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)。

1968年までイギリスの保護下にあり、独立は1971年。
7つの首長国(Emirate)から構成される。
アブダビ首長国、ドバイ首長国、その他。
その他はまったく耳に馴染みがないし存在感も薄すぎるので省略。

ここも、スーパーフレンドリーな人たちがスーパーウェルカムしてくれる。
国境で入国手続きをすませると、係員が「待て待て」と引き

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サイクリング・オマーン、ただこぎ続けるだけでこの上ないご褒美をいただく日々

サイクリング・オマーン、ただこぎ続けるだけでこの上ないご褒美をいただく日々

首都マスカット。

日中28℃。
真冬の1月でさえこの暑さだから、やはり移動は車以外はありえないのだろう。
他のアラブ諸国と同様、道路は歩行者自転車の存在を想定しておらず、ちょっと出かけるだけでも歩道がなかったり段差だらけだったりでやりづらい。

ここもやはりモール文化。
厳しい気候のため、外は歩くものではない。
店はすべて巨大モール内にまとめて、車で来店してエアコンの効いたモール内で涼しく買い物

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世界の貨幣:中東

世界の貨幣:中東

イスラエルシェケル。

ヨルダンディナール。

サウジアラビアリヤル。

UAEディルハム。

オマーンリアル。