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あえて医療から遠ざかる人たち

私は今、築30年くらいの古いおうちに住んでいます。
2階建ての一軒家の1階部分。
2階には知らないおばあちゃんが住んでいます。
外に階段がついているので玄関は完全に別。
もちろん、世帯としても別です。

そのおばあちゃんのところには
夕方息子さんらしい人がチャリに乗って毎日訪ねてきます。
おばあちゃんの世話をするために。

そのやり取りが非常におもしろいww
古い家なので会話がまるまる聞こえます。

息子「どうして着替えてないんですか!!ここに着替え出してあるでしょう?目の前に出してあるのにどうしてわからないの?」
おばあちゃん「だって…」

息子「麦茶は1日5杯までって言ってるでしょ!!」
おばあちゃん「だって喉渇いたんだもん」

みたいな会話が毎日聞こえてきます。
もっと汚い言葉を使っている時もあります。

おばあちゃんは70代後半くらいで見た目は全然若々しい。

ただ、日頃の言動や行動をみていると完全に認知症。
しかも、そこそこ程度の進んでいる状態だと思います。

一度だけごみ捨てをお手伝いした時におうちの中をざっと拝見したら張り紙だらけでした。びんはココ、ごみはココ、ピンポンに出るな!などが赤い文字でたくさん書いてありました。

一般の人からみたらボケと認知症の区別はなかなかつけられないと思います。ただ、私にはわかる。だって看護師だもん!!

認知症かも?って心配な人はnoteの中にはいないと思いますが
心配な人はここを見てみて下さい。

おそらく、息子さんもおばあちゃんが認知症だと気づいているはずです。
老化では済まない言動を一番見ているのは息子さんですからね。

では、なぜ認知症を認めないのか。

それは、それぞれのライフスタイルが破綻してしまう可能性があるからです。

おそらく、おばあちゃんと息子さん家族が一緒に住まないようになってかなり長い年月が経っていると思います。もちろん、持っている価値観も資産も違うでしょう。おばあちゃんにとっても、息子さんにとっても今の夕方訪問スタイルがお互いのライフスタイルを維持するのにベターなのは間違いないと思います。


ちなみに、おばあちゃんを受診させて認知症だと診断されると、医療者や社会サポートが介入するようになります。

認知症の女性の一人暮らしは安全面からも医療的にも非常に心配だ、と家族以外の人たちは考えますからね。

医療や社会サポートが介入するとおばあちゃんのライフスタイルも息子さんのライフスタイルも大きく変化することになるでしょう。もしかしたら、息子さんが一番巻き込みたくないと思っている妻や子供達にもおばあちゃんのライフスタイルが影響してくるかもしれません。お互いに一番嫌なのは「同居」かもしれませんしね。

おばあちゃんは今のところ自分で鍵を持てていますが、息子さんが来ないとガスが使えないようになっています。お風呂に入る時間が決まっていることや換気扇を日中回さないことをから「ガスを使える時間が決まっている?」と考えたからです。
ま、おばあちゃんちが燃えるときは私の家も燃えると思うのでありがたいのですが。

そのうち、おばあちゃんの鍵も取り上げられるんじゃないかとちょっとヒヤヒヤものです(´・_・`)
外から鍵をかけられたらもはや監禁ですからね。


病気や災害、事故など人生における危機はたくさんありますが
今の人たちは「いのち」よりも「ライフスタイル」を失うの怖い事が浮き彫りになる事例だなーと思います。熊本地震もそうですよね。いくら避難先やテントがあってもいつもの買い物、いつもの家事のやり方ができないからストレスがたまる。
だから、ライフスタイルを提案したり提供するサービスも流行る(´∀`)

今一度、自分のライフスタイルを考えてみるのはいかがでしょうか?

ちなみに私の譲れないポイントは
キッチンには2口以上のコンロがあること、です。

ではー( ´ ▽ ` )ノ






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