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【本に寄せて】片づけ0ですっきり暮らす 稼動率が上がる収納術(古堅純子・大和書房)

夕方、思い立ってクローゼットを開いた。

喪服がたくさんハンガーにかかっている。
不思議に思われるかもしれないが「たくさん」なのだ。

サイズ違いで揃えてあるし。
各季節に対応できるように、スカートもパンツもジャケットもワンピースもある。
デザイン違いで複数持っているものもあった。

どれだけ念を入れて準備しているのか。
親戚の数が少ないから、人生にそう何度も葬儀参列の日は来ないのに。
まるで葬儀屋さんで働いているかのようだ。

思い切って、処分することにした。
常識的に考えれば、喪服なんて一揃いあればいいのだ。

しかしつい体型の変化に対応できるようにとあれこれ残してしまう。
それならいっそ体型変化に対応できるもの一着だけを残せばいいのにね。

それでもまぁ、喪服は半分に減った。
クローゼットにはまとまった隙間ができた。

思ったより短時間で喪服を整理できたから、日常服も断捨離してみる。
そして出来上がったのは、大きなゴミ袋ふたつ。

達成感はあるが、むなしい。
どうしてこう、断捨離というのは、やってもやっても終わった気がしないのか。



過去に何度、断捨離をくり返してきただろうか。

何度もやったから、やる気にさえなれば、行動はだいぶ早くなった。
要・不要の判断など、20年前にはありえなかったスピードである。

やる気に任せて断捨離を長時間続けていると、ぐったり疲れてしまうから、まだ元気なうちに休憩する。
そして一日で終わらせようとしないのもコツのひとつだ。

ところで。

問題は、ものすごい量の断捨離を過去に数回行ったにも関わらず、今もまた断捨離を実行中だということである。

これは、断捨離をするだけでは家の片づけが終わらない、ということを示していると思う。
今回読んだ本はまさにそのことが書いてあった。

断捨離をするのはいいが、その後になぜか落ち着いた暮らしが出来ずに困っている人がいるという。
そういう人たちには、モノの「稼働率」について考えて欲しい、という主旨の本だ。

断捨離で満足してはいけなかった。
断捨離の次の段階に進まなければいけない。
片づけ音痴の人は、その「次の段階」が分からないのだという。

なるほど。
たしかに。
思い当たることばかりで、こわい。

部屋の真ん中の大きな棚には、読み終わったけど捨てないと決めた大切な本をしまってある。
積読が大量にあるから、それらを読む暇はほとんどない。
いわばコレクションだ。

これを、部屋のど真ん中の一番使いやすい場所に収納するのが、ダメらしい。
うーん。
言われてみれば、納得。

何をするにもちょうどいい気候だから、いろいろやってみようと思う。
そしてブックカフェ風の家をめざすぞ。

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