愛されようとする遺伝子
私たちの遺伝子は、生き延びるために愛されようとする。誰かの期待に答えようとして、良い人間を演じようとする。愛されようとして、いい女を演じようとする。そして次第に演じることに疲れて、疲弊してしまう。
あなたは今日、どんな役を演じているだろう。
愛されようとする遺伝子
AさんにはBさんの愚痴を言ってBさんにはAさんの愚痴を言う。そうゆう人がたまにいる。愚痴をいってはいつも自分を他人と比べ、根本的に余裕がなく自信がない。だから人の存在価値を落とすことで、自分の価値を高めようとする。
その人にとって他人の愚痴を言うことは、自分が存在するためにとても大切なコミュニケーションだ。共通の敵を作ったほうが一時的に絆が深まりやすい。だけど、そのような摩耶化しの「自分」は、すぐに悪循環を起こしメッキが剥がれる。
良い人すぎる人というのもいる。自分のことは後回しにして、人のため、みんなのためを思って生きているひとだ。だけど、優しさや愛情も、無闇やたら振りまくものじゃない。それは度を越すとただの自己犠牲になり、自分自身が疲弊してしまう。結局、なにもかも上手くいかなくなってしまう。
両者に共通するのは、「好かれたい、愛されたい」という感情。
好かれようとする人は、みんなに嫌われる
人に好かれようとまわりに合わせようとすればするほど、人生はどんどん生きにくくなっていく。だけど、私たちはどうしても人に好かれようとしてしまう。それは生物としての性(さが)だから仕方ないのかもしれない。
私たちの遺伝子は、生き伸びるために愛されようとする。
だけど、みんなに好かれようとする人は、みんなに嫌われる。
よく、「みんなから好かれる人」と言われる人がいるが、そんな人が本当に存在するのだろうか。みんなから好かれる人とは、個性のない人、当たり障りない人、存在価値の低い人、自分の主張のない人という印象がある。「みんなから好かれる人」とは、「誰の存在価値も脅かさない人」ということなのだ。それは、好かれているというより存在がないのと同様だと言えないだろうか。
好きと嫌いは表裏一体だ。
個人的な経験からいえば、私が人を好きになるときは初対面で嫌悪感を感じることが多い。「なんだこいつ?」とマイナスイメージを持っても、その人の存在は私の中に深く刻まれる。そして打ち解けていくにつれて、マイナスだった分がプラスになると、その振り幅が大きいほどより強く好意を持つ。初対面で何も感じない相手は、その後好きにも嫌いにもならない可能性が高い。好きの反対は無関心だ。
自分を褒めてくれる人は好きで、自分を貶す人は嫌いというのも、それは自分の中に「認めてほしい」という欲求があるから。その感情は同じ次元のもの。好きが強いほど、自分の価値観にそぐわないと嫌いになる。愛(執着)が強ければ強いほど、嫉妬や憎しみも生まれやすい。
だれの存在価値も脅かさない、透明人間
多くの場合、人に好かれるようとするのは、嫌われたくないという恐れからくる。好かれるために、愛想を振りまいたり、自分の主張を押し殺したり、個性を無くしたりする。それは、「自分がいない」のと同じだ。
人に好かれようとすることは、「誰の存在価値も脅かさない人になる」ということ。
それなら、「どうぞ嫌いになってください」と言わんばかりに、自分を主張いくほうがよっぽどいい。当然、好かれることも増えれば、嫌われることも多くなる。好きと嫌いは表裏一体なのだから。
私はいろんな業界の人に会ったり、話を聞いたりする。その中でも印象に残っているのば、SM女王様だ。アングラな世界で、脚光を浴びることがない彼女たちがどんな人生を送っているのかとても興味があった。今は簡単に彼女たちの情報発信を見ることができるし、とても面白い。
そもそも一般の人から嫌悪されがちな彼女たちは、人から好かれるために労力は使わない。最初から好かれようと努力したり、自分を押し殺すことはしない。まわりに媚びたりしないその姿勢が、嫌われるはずの一般の女性たちから大変な人気を得ていた。
好かれるために媚びたりしない。それは人生においても、時間の大幅な短縮にもなる。合わない人は勝手に離れていき、合う人だけが集まってくるようになるから。たったそれだけのことだ。
みんなから好かれようとして、「誰の存在価値も脅かさない人」「その他大勢の一人」になって存在を無視をされる透明人間として生きるより、「どうぞ嫌いになってください」と胸をはって堂々と生きる方がかっこいい。
誰からも好かれる生き方なんてない。「女性らしい生き方」なんてのもない。遺伝子にあらがい、私の生き方を生きよう。
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