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文系AI初心者が、1ヶ月間1日1h勉強でG検定合格した話。

★この記事は、ド文系でかつ統計の知識もない超AI初心者が、G検定取得まで頑張ってきた1ヶ月の道のりを記したものです。全ての不安な方の味方とお守りになりますように。


はじめに

はじめまして。田舎からキラキラIT業界に憧れて上京した系20代女子です。
株式会社ZOZOでPdMをしています。

どうでしょう。AIって皆さんの身近にあるものでしょうか?

web業界に来て2年。
普段からユーザーにより良い機能をと考えてみたり、こんな企画があったらいいなとワイワイする楽しい仕事の傍らで、「AIで自動化したい」「ユーザーごとのおすすめ表示精度を高めたい」という話をよく聞きます。

IT企業には避けて通れないAIの知識をつけた方がいいのではないか...?という流れが、身の回りで何となく起きている今日このごろ。
もしかしてエンジニアじゃない自分にも関係してくるのかな、という予感。当たりました。

その先駆けとして「AIに精通した人材になってほしい、G検定を受けてみてほしい」ということで、いきなりAI人材として育成されることになってしまいました。

G検定を受けることがほぼ決まっている流れの雰囲気の中、いつの間にか直近の開催である2021 # 2 試験まで残り1ヶ月
以下当時の心境です。

・え、純度100%文系なのに
・AIって便利なのは分かるけど、理解が難しそう
・エンジニアじゃなくても、使う側として知識はどれくらい必要なの?
・数学も理科も大の苦手。統計も学んだことない・・・
・シン・ニホンなら読んだ
・勉強が久しぶりすぎて何から始めたらいいかわからない
・平日1時間だけなら勉強できそう

こんな自分で受かるのか。受験料も高いし(¥13,200)。

でも受かったら、社内の技術職の人ともっと深い話ができて、より良いサービス展開ができるのかな...?と悩んだ結果、受験しようと決めたのでした。
ちなみに、会社の人には受験することは伏せておきました。だって文系で自信がなかったから。

ということで、ちょっとずつ勉強を始めていきました。

G検定(ジェネラリスト検定)とは

日本ディープラーニング協会が行っている資格試験。

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する」もので、人工知能に関する基礎知識や技術的な手法、人工知能をめぐる法律周りまで幅広く出題されます。

要は、流行のAIに関する基礎知識を身につけるための検定試験。試験の学習を通して、AIやディープラーニングの基礎知識が結構つきます。

・実施日程
年3回。2021年は3月、7月、11月実施。

・合格率
5〜7割程度。今回の2021 # 2 では4,582(合格者数)/7,450(受験者数)と、6割の合格率でした。

・出題範囲
G検定公式シラバスより出題。
本番では120分で200問前後を解きます。

以上の概要がわかったところで、ざっくりスケジュールを立ててみました。

検定1ヶ月前:公式テキスト理解、基本単語のインプット
検定2週間前:問題演習と解説読み込み、事例収集
検定1週間前:過去問実践、まとめノートUPDATEしつつ関係性の復習

公式テキスト以外の内容も沢山出題されると目にしたので、まず基礎を固めてから、キーワードから事例や手法を集めて肉付けするような方式でインプットしていきました。

受験した直後の感想としては、公式テキストだけで合格するのはまず無理だろうという印象でした。(エンジニアとして知識があるならともかく。)問題演習しておいて良かった。

【検定1ヶ月前〜】 基本学習 & 単語に慣れる

まず何から始めようかと。
G検定に関する知識がほぼ0なので、基礎からじっくり攻めました。

・公式テキスト第2版

2021/4月末に第2版が発売されたいうことと、今回の試験では新シラバスをベースに出題されるということで、6月にこちらを購入してみました。
名称を覚えるのが難しそうなG検定ですが、下記のように順序よく学習できるので最初の学習にこの本は丁度良いと思います。

・序盤:AIとは・時代に沿ったブームと発展について
・中盤:機械学習・ディープラーニングの具体的手法について
・終盤:実際のプロジェクト活用の進め方、活用事例、法律ついて

また、上記と一緒にオンライン講座も受講。私はテキストだけでは頭に入らないので、所々詳細に説明されているものが欲しくて選んでみました。

下記に紹介しますが、3,300円で2ヶ月間受講可能なので、お手頃価格かも。(2021/8現在)

・人工知能基礎(zero to one)

東大の松尾豊教授が監修。
学習コースのほとんどが公式テキストに沿っており、手元でテキストを読みながら聞き流して活用しました。また都度ミニテストがあり、合格しないと次に進めない仕組みで、数日経ってから再学習することにも使えます。

知識なしの状態で、5日かけて少しずつ受講しました。


・G検定実戦トレーニング(zero to one)

G検定の出題範囲に応じた、選択式の練習問題に特化したコース。
単元別に出題があり、問題によっては図によるプチ解説もあるので、肩慣らしの解答練習&復習として使えました。難易度★☆☆。元々知識のある人にとっては物足りないかもしれません。

しかし、本番想定の模擬試験が最後の単元にあったり、実際のG検定の実施1ヶ月前に本番を想定したオンライン模擬試験を開催してくれたりと、オンライン試験に慣れてない身としては助かる仕組みがありました。

検定1ヶ月前はこのような形で、平日の寝る前に気が向いたら1時間だけソファで学習してみたり。
知らない単語を頭に慣らそうと、ゆるっと学習を進めました。(勉強が苦手なので)

また、当日はweb検索や手元の資料参照が可能なので、Notionにまとめノートを作りながら理解していきました。

スクリーンショット 2021-08-02 21.54.28
↑実際にNotionにまとめたもの

こんな感じ。(これは第3次AIブームについての話)

【検定2週間前〜】 問題演習

・ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集

1冊を3日間くらいで解きました。
上のオンライン試験よりは少し難易度がありますが、それでも必須の知識が問われる問題ばかり。問題集と言えども解説が丁寧で、最後の総集問題があるのが◎。

全問正解して、やっとスタートラインに立てると気づきました(試験受験後の感想)。


・AI白書 2020

ページが多く、とにかく内容が濃い。完全に枕かコロコロコミックである。
過去の重要な事例や、最近のAIの動向・トレンドを知るのに良い1冊です。

残念ながら自宅に届いても読みきれなさそうだったので、今回は「AI白書 2019」の公開PDFをダウンロードし、ところどころ読みました。
過去のものでも、問題集やシラバスで足りなかった法律部分などを補うことができたので、直前で時間がない方はこのPDFをパラパラ見るだけでも役に立つのではないかと思います。

受験まで時間があれば、1冊を何周か読んでみたかったな〜と思える本でした。
ただG検定関係なくビジネス書感覚で読めて学びになるので、落ち着いたらめくろうと思います。

【検定1週間前〜】 単語復習 & 関係性の理解

・AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)

無料のビデオ講座で、聞き流し用。課金して修了証をゲットすると、G検定を30%オフで受験できるらしい。(破格)
※ただし、G検定申込ギリギリだと割引が効かないので、受験まで日がある場合に限る

これは先に知っておきたかった。特に会社の研修補助もなく個人で受験される方は、学習初めの方で使ってみても良い講座なのかなと思います。

詳細を見ると、ディープラーニング公式で推薦されているビジネスパーソン向け講座のようですね。


・G検定模擬テスト(Study-AI)

β版(現時点で無料)、225題の問題がオンラインで解くことができます。これまでの問題に比べると、難易度は★★☆〜★★★くらい。
今回の新シラバスに対応した追加問題もあり、なかなかのボリューム。当日こちらに救われた問題はいくつかあったので、無料なのに素敵なサイトだと思います。

直前は問題の数をこなして「これ、進研ゼミでやったやつだ!」を増やすか、最新事例を色々読んで活用イメージを膨らますか、で対策をしていきました。

【検定当日】 

検定試験は13:00から。

午前中は時間がありましたが、過学習になりすぎないように、最近の事例について色々調べて流し見する時間にしてみました。

あとは、試験中用のノンカフェインコーヒーと、チョコをちょこっと準備しておいたり。残り時間の確認用にiPadでタイマーをセットして表示したり。(試験画面にも一応カウントは出るけど小さかった!!)

試験はやっぱり時間との勝負。試験慣れしていない私は、下記のことを頭に置きながら試験を進めました。

残り時間 ÷ 残り設問数 が20秒を切らないようにする(必ず全問解き切る為)
・調べれば一瞬で答えが分かりそうな問題は後回しにせず、その場で検索

また、当日出題されて検索したワードを、noteの最後におまけとして載せておきます。公式からは過去問が公開されていないので、どんな問題が出題されるかどうしても不安になるかと思います。公式テキストで詳しくカバーできなかった部分や、こんな単語について知らないといけないんだ!と気付きがあったので、ご興味がある方は覗いてみてくださいね。

試験後の振り返り

下記が受験直後の殴り書き感想です。

【受験の感想】
・120分で191問
・5分だけ時間余る。チェック保存した箇所はほとんど解き直し無理。でも合ってる自信はある。
・解き直すと逆に悩んでしまいそうなので、逆に直感で解答しておいて良かった
・チェックリストに保存したのは全体の1/6
・机の上に110分タイマーセットしてカウントしておいて正解
・公式シラバスに載ってない内容が1/4あったのでは(そういう声は聞いてたが)
・覚えゲーな単語は、まとめノートを検索して使って結果良かった
よく出た:倫理、著作権、深層学習、自然言語。GANがガンガン出る。
あまり出ず:歴史、人名
不意を突かれた:音声

やっぱりまとめノートは強い
書きながら理解できるし、本番でも軽い検索ですぐ必要な箇所にたどり着けるので、お守り代わりになりました。

また、過学習になりそう!というツイートを多く拝見したので、単語ごとの繋がりを根本から理解するのは大切なんだなと感じました。

試験結果

7/17受験で、合否発表が7/31〜の辺り。私は、今日8/2の昼に結果が届きました。公式記事も出ていましたね。

結果についてはメール本文に合否が出るとは知らず、気持ちの準備もないまま不意を突かれた気分です。結果合格していて良かった...!

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合格率61.5%。前回は63.77%だったようですね。合否のボーダーラインは公開していないとのことですが気になります。

ちなみにメールには各分野ごとの得点率が記載されていました。恥ずかしいので伏せておきますが、こんな感じで教えてくれます。(数理統計が苦手で明らかに低かったけど、それでも合格)

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不合格の方には、合格ラインに対して自分がどの位置にいるかランクを教えてもらえるそうです。

今後の展望

ひとまず、今関わっているAI活用プロジェクトでより良い精度を出せるよう、他社事例をどんどんインプットすること。そして、基礎知識はついたのでよりビジネス観点でのAI活用アイデアを膨らませることにこの知識を使っていきたいと思います。

何より基礎知識がついたことで、一緒にプロジェクトに関わっている技術者をもっと深い話をしたり、現実性のある企画提案をしたりと直近では役に立つはず。

それと、文系人間で「AIって賢いの?」と思っていた自分が、このような検定に合格したこと自体が上出来なので、全てにおいてモチベーションが上がって頑張って行けそうです。これからも精進します。

【追記】まとめカンペノートは、機会があればnoteにまとめてみようか悩み中。


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【おまけ】2021#02試験中に調べた単語リスト

ここで当日の検索履歴を振り返りながら、もっと理解を深めておきたいなと思った箇所の参考記事を残しておきます。(全35個)

公式テキストではあまり詳しく触れられていなかった部分も多かったですし、新シラバスでまた傾向も変わっているかと思います。試験でこんな内容も出るんだな、と参考程度に眺めていただければ幸いです。

問題全てではないのですが、ご了承くださいね。
(頂いた金額は仕事のカフェラテ代として美味しくいただきます◎)

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