宮沢賢治の宇宙(39) 賢治は鳥の遷移に量子論を見た?
『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』の“星雲”と“ばけ物律”宮沢賢治の童話『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』には面白い文章がある。
その時教室にパッと電燈がつきました。もう夕方だったのです。博士が向うで叫んでいます。「しからば何が故に夕方緑色が判然とするか。けだしこれはプウルウキインイイの現象によるのである。プウルウキインイイとはこう書く。」博士はみみずのような横文字を一ぺんに三百ばかり書きました。ネネムも一生けん命書きました。それから博士は俄かに手を大きくひろげて「