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新刊試し読み!『楽しく賢くムダ知らず 「ひとり老後」のお金の知恵袋』

3月13日(水)発売の新刊、『楽しく賢くムダ知らず 「ひとり老後」のお金の知恵袋』の「はじめに」を公開します!

ひとり老後シリーズの第2弾ができました!
今回のテーマは「お金」です。

不安がなくなり、自分らしくお金と付き合うためのコツを1冊にまとめました。
ぜひ、前作『老いも孤独もなんのその 「ひとり老後」の知恵袋』と合わせてお読みください!

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【はじめに】


「ひとり老後」のお金について肩肘張らずに考えてみましょう

私はこれまで「老後ほど自由で、自分らしく、自分が好きなように人生を楽しむことができる時期はない」と繰り返し書いてきました。
かつては「老後」というと、「余生」つまり、「おまけ」のようなイメージがありましたが、今はそうではありません。

令和4年(2022年)現在の日本人の平均寿命は、男性が81・05歳、女性が87・09歳と、新型コロナウイルスが蔓延した影響もあってか、ここ2年で男女とも1歳弱下がりました。それでも75歳時の平均余命は、女性が15・67 年、男性は12・04年と、長い長い「老後」が待っているのです。
ですから、二言目には「もう年だから」と、尻込みしているのはもったいないと思います。なにしろ「今日が人生でいちばん若い日」なのですから。

一方、ある調査によると、老後の生活に「不安を感じる」「どちらかといえば不安を感じる」と答えた人が、全体の9割に及んでいました。
なかでも最も大きい不安が「生活費」、つまりお金でした。
実際、私のもとを訪れる患者さんのなかにも、経済的な不安からうつっぽくなるなど、体調を崩される方も少なからずいらっしゃいます。
たしかに、老後は大半の人が年金暮らしとなります。現役時代に比べると収入は減っていきます。そこに不安を感じるのもわからないではありません。
まして「ひとり老後」ともなると、不安も一入でしょう。
しかし、どれほど不安だったとしても、収入が減る老後にできることはひとつしかありません。やりくりして〝手元にあるお金〟の範囲内で暮らすこと。そう、老後の生活では〝やりくり〟が大事な暮らしの知恵になるのです。
やや大げさにいえば、これからは人としての「真の価値」が試される時です。お金は人生を支えると同時に、人生を大きく変える魔物のような力を持っています。それだけにお金をどう使い、どう生かすか。ここで、その人の人間性があらわになってしまう......。そんな一面があるのです。
お金をある程度自由に使える老後は、持っているお金の多少よりも、お金をどう使うかで、その人の価値が見えてくるといっても過言ではありません。

かといって、お金について書かれているこの本を「姿勢を正して真剣に読んでください」とか「心して読んでください」などと言う気はさらさらありません。
人生は案外うまくできていて、年を取り、お金を稼ぐ力が小さくなってくる頃には、必要なお金も徐々に減ってくるものです。ですから、この本も肩肘張らずに「小耳に挟む」ような感覚で読んでいただければ十分です。

本書は、お金のやりくりを中心に、体力、気力、感覚や感情などの微妙な衰えも上手にやりくりして、「ひとり老後」の日々をこれまで以上に幸せに生きていくための考え方やちょっとした知恵、スキルなどをまとめたものです。また、第7章の「これだけは知っておきたいお金の手続き」に関しては、 税理士の笠原清明先生に監修いただきました。

本書が人生100年時代、まだまだ長いこの先の道を、心豊かに、楽しみながら進んでいっていただくための一助になれば、著者としてこれに勝る喜びはありません。

2024年2月 保坂 隆