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フィンランドの旅

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トランジットで偶然ヘルシンキに寄って以来、毎年フィンランドに通うようになって数年・・・美しい自然、ローカルな町や人々の表情・コテージ暮らしの楽しみなど、出会った様々をお伝えします
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記事一覧

#18 葡萄の教会、ヴィーイッキ教会:Viikin Kirkko(フィンランド)

#18 葡萄の教会、ヴィーイッキ教会:Viikin Kirkko(フィンランド)

ヘルシンキ郊外にあるヴィーイッキ教会を訪ねました。以前夏に寄ったときは閉まっていたため、今回改めての訪問です。周囲は凍った雪に覆われて、すっかり冬の装いになっていました。

ヴィーッキ教会は2005年に完成した木造教会で、外壁のウロコのような部分にはアスペン(ポプラ)が使われています。

鐘楼には3つの鐘があり、大きい順に「私はぶどうである」、「あなたがたは枝である」、「わたしの内にとどまりなさい

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謎の古代魚サカバンバスピスに癒される:自然史博物館(フィンランド)

謎の古代魚サカバンバスピスに癒される:自然史博物館(フィンランド)

2023年、SNSへの投稿をきっかけに突然大人気になったサカバンバスピス。
サカバンバスピス(名前長い!)は4億年以上前の古生代前期、オルドビス紀に生息していた古代魚だそうです。その復元模型がヘルシンキの自然史博物館に展示されています。帰国前に時間ができて、ついに会うことができました。

何と、いきもんガチャになっている!

サカバンバスピスちゃんは、自然史博物館3階の隅っこにいます。そんなに大き

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極寒のフィンランドでウールソックスランニング選手権に出てみたよ! その2

極寒のフィンランドでウールソックスランニング選手権に出てみたよ! その2

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明日はいよいよウールソックスランニング選手権。ウェアと靴下を揃えて、ベッドに入りました。興奮と緊張?でなかなか寝つけない。本来ならば氷点下のはずが、0度前後まで気温があがり雨模様なのも気がかりでした。雨だと雪がグズグズになって、ソックスに沁み込んでしまいそう・・・ 「どうか気温がもっと下がりますように」と普段と真逆を祈りつつ寝ました。

大会は、男女別に3km、6km、9k

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極寒のフィンランドでウールソックスランニング選手権に出てみたよ!  その1

極寒のフィンランドでウールソックスランニング選手権に出てみたよ! その1

フィンランドのオリヴェシという小さな町で、氷点下の2月に、シューズを履かずウールのソックスだけで森を走る大会があると知って、私の心は一瞬でとろけてしまいました。だって楽しいに決まってるじゃありませんか!
子供の頃、雨の中、傘をブンブン振り回して歩いたり、わざと水たまりをじゃぶじゃぶ通ったりして、親に「そんなことするんじゃありません」とよく叱られました。そんな、やってはいけないことを大っぴらにやって

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#17 オリヴェシのアーチ型の教会(フィンランド)

#17 オリヴェシのアーチ型の教会(フィンランド)

イベントに参加するため、タンペレの一駅先にあるオリヴェシに数日滞在しました。オリヴェシはタンペレから約40km、人口8800人ほどの小さな町です。私も初めて聞く地名でした。町の教会は閉まっている日でしたが、偶然葬儀が執り行われていて、終わった後に中を見せて頂けることになりました。

最初に目に入るのがこの古い鐘楼。てっぺんの玉ねぎ頭が可愛い。木造の鐘楼は1780 年に、マッティ・オーケルブロム(M

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湖の一本道 プンカハリュ(フィンランド)2

湖の一本道 プンカハリュ(フィンランド)2

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プンカハリュをぐるっとサイクリングしたあと、地図の茶色にあたる森をハイキングしました。 

* プンカハリュ自然保護区をハイキング

           
標識を頼りに自転車&徒歩で散策。 ココンハリュ・トレイル(Kokonharju Polk)は全長3kmほどのトレイルで、一帯は本来の原生林の他にも栽培された樹種が見られるそうです。

フィンランドで一番高い木 (Suo

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湖の一本道 プンカハリュ(フィンランド)1

湖の一本道 プンカハリュ(フィンランド)1

一本道ときいてイメージするのは、北海道でみるような広い畑や原野を貫く道、あるいは山奥や海沿いに続く道でしょうか・・・
フィンランドには何と湖の一本道があります。氷河がとけて湖になったあと、尾根が細い道として残ったプンカハリュ(Punkaharju)です。CNNの世界の絶景にも選ばれました。この記事では、これまで3回訪ねた思い出を一つにまとめて綴ります。

せっかく行くならサイクリングしたい! とい

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タンミニエミ:旧大統領官邸(フィンランド)

タンミニエミ:旧大統領官邸(フィンランド)

26年間政権を担った第8代大統領ウルホ・ケッコネン(1900-1986)の公邸だったヴィラが、現在は博物館として公開されています。
デザイン大国のフィンランドですが、魅かれるのは昔のものが多く、私には「そこに経過した時間」も必要なのだと思います。

タンミニエミは、セウラサーリ野外博物館に向かう橋のすぐ手前。この辺りは地元の人にとっても、散歩やジョギングをしたり、のんびり過ごせる気持ちの良いスポッ

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ちょっと変なフィンランドが、やっぱり好き

ちょっと変なフィンランドが、やっぱり好き

いつもは旅の思い出を書かせて頂いていますが、今日は閑話休題。
TOKYO ART BOOK FAIR 2023(東京都現代美術館)で、在フィンランド歴30年のムーミン研究家&翻訳者 森下圭子さんと、フィンランドでグラフィックデザインを学び国際的に活躍しているAYA IWAYAさんのトークを聴きました。 フィンランド愛にあふれ、1時間ちょっとがとても短く感じられました。 備忘録として、自分なりに

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ヘルシンキ、アアルトツアー 1  スタジオ(Studio Aalto)

ヘルシンキ、アアルトツアー 1 スタジオ(Studio Aalto)

上映中の映画「AALTO」を見て、かつて訪ねた場所を懐かしく思い出すと同時に、アアルトの人生や人柄を知って、アアルトがもっと好きになりました。
ヘルシンキ北西部にあるアアルトのスタジオ、次の記事でオフィスも兼ねていた自宅の訪問記を書きます。どちらも予約でガイドツアーに参加することができます。

自宅兼スタジオが手狭になったため、アアルトは1955年に自宅から歩いて10分のところに新しいスタジオを建

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ヘルシンキ、アアルトツアー 2  自邸(The Aalto House)

ヘルシンキ、アアルトツアー 2 自邸(The Aalto House)

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フィンランドを代表する建築家アアルトが、亡くなるまで40年にわたり家族と暮らした自邸を訪ねました。 
アアルトは1933年に妻アイノと二人の子供たちとトゥルクからヘルシンキに転居し、1936年にこの自宅兼設計事務所が完成しました。 

アアルトの家はこちら・・みたいな道案内もなく、閑静な住宅街に佇む1軒の白い家。
温もりを感じる小さな木のドアが、訪ねる人を招き入れてくれま

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サヴォンリンナの図書館 Joeli(フィンランド)

サヴォンリンナの図書館 Joeli(フィンランド)

サヴォンリンナはフィンランド屈指のリゾート地で、4000㎢に及ぶ面積の半分が湖です。
クルーズ船が行き交うフィンランド最大のサイマー湖、3大古城のひとつであるオラヴィ城、オラヴィ城で行われる夏のオペラフェスティバルなどが有名です。

サヴォンリンナの旧中央図書館が老朽化したため、郊外に新しく図書館Joeliが建てられました。
建物の外観に魅かれて、何だろう?と行ってみたら図書館だった・・・
フィン

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トーベ・ヤンソンの少女時代の思い出が詰まった群島、ペッリンゲ(フィンランド)

トーベ・ヤンソンの少女時代の思い出が詰まった群島、ペッリンゲ(フィンランド)

2021年、トーベ・ヤンソンが夏を過ごした孤島クルーブハルを訪ねました。 2年後の今年、クルーブハルへの足掛かりとなるペッリンゲを案内して頂く機会に恵まれました。その思い出をnoteに綴ります。

ヤンソン一家は、ヘルシンキ近郊の群島で夏を過ごしました。滞在したのはペッリンゲのグスタフソン家。 夏の間、都市部の人に家(母屋や離れ)を貸すのは、現金収入を得る方法として珍しくなかったそうです。
トーベ

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駅はシェルター(フィンランド)

駅はシェルター(フィンランド)

ヘルシンキはトラムが発達しているのと中心部は徒歩で回れるので、思ったより地下鉄に乗る機会は少ないです。
久々に乗った地下鉄のヘルシンキ大学駅は、ラスコーの洞窟みたいだと思ったら、本当に馬の絵が描いてありました。 
実は駅がシェルター機能を備えていて、蛇行する通路は爆風が奥まで届かない仕組みでもあるそうです。 「避難所ありますよ~」だけではない本気度が伝わります。 

段差のない、なだらかなスロープ

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