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テクノロジーと社会

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#テクノロジー

《親ペン雑記#6》不老不死をめぐるディスクール

 暇を見て日経電子版の古い記事を読み返していると、面白い記事に出会うことがある。いろいろな意味で、最新の情報ばかりが必ずしも有益という訳ではない。  SF小説好きの筆者にとっては、下に挙げた2018年4月の記事【未来での蘇生を願う ロシアで冷凍保存され眠る人々】などとても興味深いものだ。記事によれば「遺体は完全に血液を抜かれ、マイナス196℃の液体窒素に逆さまに漬けられた状態で、100年先まで保存される」とあり、未来の科学の進歩に蘇生の可能性、夢を託したものだ。ちなみに、現時

《親ペン雑記#4》現代セルフレジ考

 スーパーやコンビニで自ら商品をスキャンしたり会計をしたりする姿、セルフレジもすっかり見慣れた光景になってきた。少し前の日経電子版の記事【セルフレジの利用客6割に スーパーも導入、民間調査】にもその普及拡大の様子が描かれているが、コロナ禍にあって顧客と店員の接触を減らす効果への期待などが背景にあるようだ。  しかし、このようなセルフレジの潮流は、コロナ禍で加速された側面は否めないにしても、そもそも商品を読み込んで(スキャンして)⇨会計するという時間のかかる旧態依然とした決済

《親ペン雑記 #3》プログラミング教育の必要性

 少し前の日経電子版の記事【IT人材育成、世界が競う】では、世界各国でプログラミング教育が広がる中、特にIT系人材の不足が深刻な日本の現状が憂えられている。  以前《親ペン雑記》で、コンビニという所には社会の縮図のような性質があって、様々な人間模様が観察できる、と言ったことがあるが、先日、まさにこのプログラミング教育の必要性を痛感させられるような現場を目撃した。  それは、私の前でお会計をしていたおばあちゃんなのだが、手持ちの電子マネーに残高が不足していたらしく、チャージす

《連続投稿586日目》AI非接触採寸のポテンシャル~拡大するサイズテック市場~

 日経電子版の記事【ユニクロや花王 写真2枚で非接触採寸できるAI採用】では、スマホで正面と側面2枚の全身写真を撮影するだけで、後は、AIがディープラーニングによって蓄積した12万人のデータを参照して体の各部位の寸法を高い精度で推定してくれる『AI非接触採寸』のテクノロジーがリポートされています。  記事で紹介されるようなITを駆使して身体サイズを計測する技術『サイズテック』には大きなポテンシャルがありそうです―― ▶AI非接触採寸のポテンシャル(1)圧倒的な簡便性   

《連続投稿584日目》AIによるデザインとは

 日経電子版の記事【NEC、AIで世代の特徴を表現したクラフトビール】では、AIが、過去約40年間の雑誌画像・文章を分析し、色・香り・味のイメージとして数値化することによって、20~50代各世代の特徴を表現した4種類のクラフトビールが開発された旨リポートされています。 さっそく、記事からその一例を拾ってみると―― ▶AIのデザインしたビール ① 50代~バブル世代~アルコール度数高め~鮮やかな赤色のビール ② 30代~ミレニアル世代~酸味・苦みが楽しめる華やかな味~個

《連続投稿579日目》自宅でオーダーメードスーツを頼める!?

 日経電子版の記事【三陽商会 自宅からオーダースーツの相談可能に】では、自宅でオーダーメードスーツの相談ができるオンライン接客のサービスについてリポートされています。  最初、この記事のタイトルを見て、いきなり自宅からオーダースーツを注文できるのか!?、と思ってしまいましたが、さすがにそれはなく、「(記事より)過去に来店して採寸したことがある場合は、ネット上でスーツを注文することができる」と但し書きがありました。もっとも、採寸テクノロジーの進化次第では、将来、高い精度の仕上

《連続投稿578日目》AIレコメンドのポテンシャル

 日経電子版の記事【AIでおすすめの腕時計 エクサウィザーズとシチズン】では、ユーザーが専用サイトでファッション・腕時計の好みについて答えると、AIが、シチズン製腕時計約700モデルの中から好みにあった腕時計を選んでくれる「AIウオッチレコメンド」についてリポートされています。  さっそく、記事からこのサービスの特徴をピックアップしてみると―― ▶「AIウオッチレコメンド」の特徴(1)様々な雰囲気の写真を示して、ファッション・腕時計の好みを問う。   ⇨何を質問するかでレ

《連続投稿573日目》不景気が跳躍台になる会社

 日経電子版の記事【日本電産の永守会長「不景気の後ほど最高益のチャンス」】では、日本電産の2020年4~6月期連結決算についてのウェブ説明会の骨子がリポートされています。  この記事で最も印象深いくだりは、何と言っても末尾の次の一節ではないでしょうか―― (記事より)永守会長「過去のことをどうこう言ってもしょうがない。外部環境が悪くても自分たちで風を起こし、たこを揚げる戦いができるチャンスだ。リーマン・ショックの1年後には最高益を出した。今期も、すぐに最高益をたたき出す元

《連続投稿572日目》ロボットに時給を払って雇う時代

 日経電子版の記事【ロボット、時給980円で雇う 省人化にもサブスクの波】では、クラウド上で管理されたロボットの、必要な時+必要なサービス+料金は利用した分だけ、という『RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)』がリポートされています。  ついに、ロボットも時給で雇う時代が来たか、という感じですが、さっそく記事などからそのベネフィットを整理してみると―― ▶『RaaS(ラース)』のベネフィット① ロボット導入に関心はあっても、買い切りとなると、投資負担は  大きく、導入障

《連続投稿566日目》AIのもう一つの活用法~現地に行けなくても~

 日経電子版の記事【くら寿司、マグロの品質をAI判定 仕入れに生かす】では、直接現地でマグロの品質を確かめることができなくても、スマホカメラとアプリで品質を判断できるAIがリポートされています。  この記事で「なるほどな」と思ったのは、①AIに熟練のバイヤーの目利きの技能を学習させ、②スマホで簡単に対応できるアプリをデザインする事で、③現地に行く必要がなくなった、という点です――「なるほど、AIにはそういう使い方もあるのか」と――。  このようなAIの使い方には大きなポテ

《連続投稿564日目》広がるD2Cのポテンシャル~D2Cはイノベーションの装置~

 日経電子版の記事【「D2C」でモノ・体験を直販 サイト工夫、ファン育成】では、企業が消費者にECなどで直接商品を販売するD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)のスタートアップが続々と誕生している旨リポートされています。  さっそく、記事からその事例をピックアップしてみると―― ▶D2Cスタートアップの例(1)「MOON-X」   ① コミュニティー・・・自社サイトに作り手のこだわりを伝える物語を              掲載。            ・・・ビールを

《連続投稿561日目》テレワークのあぶり出す弱点~テレワークを支える4つの『必要性』とは~

 日経電子版の記事【「責任あいまい」テレワークで弱点あらわ テレワーク新常態(3)】では、テレワークにおける社員のマネジメントに悩む企業の抱える様々な課題がリポートされています。  さっそく、そのような課題の数々を記事からピックアップしてみると―― ▶テレワークにおける社員のマネジメントに                   関する悩み① オフィスという共通の場にいないので、業務の進捗を把握できない。 ② 目の前に本人がいないので、健康管理が難しい。 ③ 上司の指示が

《連続投稿559日目》駅はAIロボット活躍の場

 日経電子版の記事【乗り換え案内はAIロボ 近鉄が奈良の駅で公開】では、近鉄大和西大寺駅での4ヵ国語に対応するAIロボットによる乗り換え案内や駅ナカ施設の情報提供がリポートされています。AIなので、経験(学習)を通してサービスの質が上がっていく事が期待されます。  この記事を読んでつくづく思うのは、駅ほどAIの活躍が期待される場所もない、という事です。  駅は、ただでさえ空間的に複雑な構造をしている上に、次々に発着する列車の時間に追われるという、空間的・時間的なストレスが

《連続投稿552日目》バス停の進化がスゴイ!~これはもうBSaaSかも~

 日経電子版の記事【郊外でも使えるスマートバス停、安川電機系と西鉄】では、紙などのアナログな時刻表を液晶画面化し、さらに様々な機能を追加した「スマートバス停」がリポートされています。  さっそく、記事からその機能(検討中、開発中含む)をピックアップしてみると―― ▶スマートバス停とは……① 携帯電話回線を使って遠隔で運行ダイヤを変更出来る。 ② 高齢者に配慮し、2時間以内の運行便だけを大きく表示するような  機能も。 ③ 蓄電池+省エネ技術で、送電インフラが乏しい山間