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『すぐれモノ』の条件~ニーズを見極める~

 日経電子版の記事【120mlのミニ水筒が人気、小型バッグの流行にマッチ】は、改めて、『モノづくり』における優れた商品、卓越した商品とは何なのか、『すぐれモノ』の条件について考えさせてくれます。


 私達は、普段、外出時の水分補給、飲み物について、家から水筒を持っていくか、外でペットボトルなどを買うかのどちらかだと思います。後者の場合、ペットボトルを購入した時に、ちょっと量が多いなと感じたことのある方は多いのではないでしょうか。そんな時は、無理して飲んでしまうか、やむなく流しに流して捨ててしまうか、かさばるボトルを家まで持って帰るかするしかありません。これが夏場だと、すっかり温まってしまったりしています……

 問題は、そんなことを感じている人が、何故、水筒派、ステンレスボトル派に転向することなく、現状に甘んじているか、という点です。外出先で飲料を購入することに無理・無駄を感じつつも、かと言って、水筒派に宗旨替えするほどの利便性をステンレスボトルに見い出せないからに違いありません。

 最大の理由は、120mlのミニ水筒『ポケトル』が登場し、SNSなどで話題となって、人気化し、広く知られるようになるまで、既存のサイズの水筒ではまだまだ大き過ぎる、と感じている人が多かった為ではないでしょうか。


 そのような点も含めて、記事などから120ml水筒のヒットした理由を整理してみると――

▶『ポケトル』がヒットした理由(わけ)

(1)『軽くてかさばらない』大きさ
  ① ポケットに入る。
  ② 荷物をコンパクトにまとめたい。
  ③ カバンに入る。
  ④ 通勤中・オフィス・運転中などに邪魔にならない。
  ⑤ 持ち歩きやすい。
  
(2)『多彩な』用途
  ① 通勤用・通学用・習い事用・ウォーキング用・ジム通い用など。
  ② コーヒーと水など2種類以上の飲料を持ち歩きたい。
  ③ ランチボックスとペアで持って行ける。
  ④ 薬を飲むための水。
  ⑤ マグカップ禁止の職場でも使える。

(3)『ミニマムな』見た目
  ① 小さくて可愛い。
  ② 子供と一緒にペアで。
  ③ スタイリッシュ。
 
(4)『有利な』与件
  ① 女性を中心にしたコンパクトなバッグの流行。
  ② 手頃な価格。


 こうして見てくると、『すぐれモノ』を生み出す条件は、その商品の大きさ・用途・外観・与件など様々な要素について、徹底してニーズを探り見極めて、その生活シーンに必要な要素に絞り込んだ商品を作り出すことだと言えそうです。

 「大きすぎる」などの『不要な要素』を削ぎ落し、「コンパクトなバッグ向け」など『不足していた要素』を付け加えることで、『必要な要素』が絞り込まれた『すぐれモノ』が誕生するのです。


▶『すぐれモノ』の方程式
  『必要な要素』の絞り込み
 =『不要な要素』の削ぎ落し+『不足の要素』の
                    付け加え


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