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陰鬱で絶望に満ち溢れた映画を見た感想。


『VESPER/ヴェスパー』というポストアポカリプス系のSF映画を視聴してきました。

先ずヴェスパーで思いつくものは、カクテルではないでしょうか。ジンとウォッカ、そこに少量のリレ・ブランをシェイクし、最後にレモンピールを加え完成させるものなのですが、僕はあまり好き好んで飲みはしません。

純粋にカクテルよりもワインのほうが好きというのもありますが、爽やかなすっきりとした味わいのものよりかはしっかりと舌に残るようなフルーティな味わいのもののほうが好きだからというのもあります。

と調子に乗りましたが、正直言うとあまりカクテル知りません。なんとかサンライズみたいな奴は知っているくらいのレベルです、俄かでごめんなさい。

脱線しましたね、すみません。

ざっくりとだけあらすじを書きます。

舞台は近未来で、先ず人類は、富裕層と貧困層に分かれている。富裕層は、都市「シタデル」で暮らし、貧困層は、凶暴な植物の脅威に晒される危険な外の世界で生活をしている。貧困層は、1世代しか育たない種をシタデルから貰って過ごしている。(自給自足ができないため、常に富裕層に支配され生きている状態)13才の少女ヴェスパーは、ある日森の中で倒れる女性カメリアを見つける。彼女は、墜落した飛行船に共に乗っていた父親を探してほしいとヴェスパーに告げるが......

さてさて、下手なあらすじはこれくらいにしてヴェスパーの感想を語りましょうか。

先ず面白いかというと面白くはないですね。はっきりとした分かりやすい映画を普段から求めている人からするとぶっちゃけ苦痛かも知れません。マァ大衆向けではないでしょう、各所のレビューサイトの点数が面白さについての世間全体の評価で良いと思います。

「考えるな、感じろ」

これからヴェスパーを視聴されるなら考えずに感じて観ることをお勧めします。近未来の退廃した世界観だったり、常に陰鬱な空気感が好みの人にはたまらない作品だと思います。

感覚ではありますが、アートのようなものに近い気がしています。ストーリーの奥深さとか登場人物の魅力などを期待していると本当にがっかりしてしまうので気をつけてください。

ただ僕はこの作品は好きですね。退廃した世界観が好きで、廃墟だったり、薄暗い森や不気味な元研究施設などを見ると良いなと感じます。またあまり明るい映画(内容もですし色遣いも)は元々好きではなくモノクロ調の映像作品は見ていて落ち着きます。安心して見れるというと少し違うかも知れませんが、自分に合っていると思いました。少し説明不足感や行動原理などが分からない描写も多々ありましたが、むしろ少ないことで儚さや切なさ、無常感というものがより表現できていたようにも感じました。

また嫌な点もありました。ストーリーがとかそう言うのは置いておくとして、一部のグロいシーンは僕にはしんどかったですね。精神的なグロさや醜さは大好物ではありますが、身体的なグロさは苦手だと改めて感じた次第です。

あと余談ですが、ヴェスパーのビジュアルは最の高でした。僕がもし仮にメタモルフォーゼできるならああいう感じになりたいです。

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