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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】秋土用の過ごし方と食養生!

 千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。
いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

暦の上では11月8日が立冬となりますが、今年は11月になっても各地で夏日が報告されていますね。
そのため、日中はまだまだ半袖でも過ごせそうですが、朝晩の気温はグッと低くなってきています。
こうした寒暖差で体調を崩しやすく、また、空気も乾燥しているために、風邪症状には注意が必要です。

立冬前の今の時期は秋土用にあたり、冬に向けて生活を整えていく時期にあたります。
土用については 以前の記事「春土用のリフレッシュ!」 の中でも触れていますので、ぜひそちらもお読みください。

今回は、今からでも間に合う晩秋の過ごし方、冬に向けて身体を整えていくためのコツをご紹介していきます。

では、どうぞ最後までお付き合いください。

1.秋土用の過ごし方

秋土用は、立冬(2023年は11月8日)の直前の約18日間を指します。
本格的な冬に向けて気温が下がってくる時期にあたるため、冬に向けた準備期間として捉えられます。
そのため、昔から慎重に過ごす期間とされてきました。

土用には土に関する作業や新しいこと、方角に関係することは避けたほうがよいとも言われています。
ガーデニングなどの土をさわる作業のほか、引っ越しや旅行などが該当するようです。
言われてみればたしかに、アクティブにからだを使うことばかりで、生活を整えるのとは真逆の行動ですね。
そこで、季節の変り目として衣替えをしたり、寝具などを入れ替えたり、部屋を掃除するとよいと言われています。

また、この時期はちょうど夏の疲れが出やすい時期でもあります。
旬のものを含む食事を十分にとり、できるだけゆっくりとくつろげる時間を意識的につくることで、からだを整えることができます。
食べ過ぎには注意が必要ですが、❝食欲の秋❞を楽しむのもおすすめです。

2.東洋医学からみる秋土用

東洋医学では、自然界・季節と臓腑(いわゆる内臓)を関連づけて考えます。
古くは、中国最古の医学書といわれる『黄帝内経』にも、そのことについて記載がされています。

各季節は、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎、そして土用は脾が関係する臓となります。
この肝・心・肺・腎・脾のことを東洋医学では五臓といい、人体における内臓の作用=働きとしてとらえます。
土用に関係する「脾」の臓は、以下の働きを主ります。
・食べ物を消化吸収し、エネルギーに変える
・血や津液などのを身体の隅々まで循環させる
・血液を生成する
このように「脾」の働きは全身を養うので、「脾」の働きが悪いとからだ全体が弱っていきます。
そのため、夏の疲労回復ができるように、旬のものを食べてからだを維持することが大切です。
また、「脾」は思考とも関連しますので、思い悩んだり、考えすぎることがないように、リラックスして過ごしたり、好きなことや楽しいことをみつけて過ごすことも大切です。

3.秋土用と食事

『土用の食い養生』という言葉があるように、秋土用に限らず季節の変わり目にきちんとした体調管理やしっかりした食事・栄養をとることが、次の季節を健康に迎えるための過ごし方として大切です。
代表的なものは夏の土用のウナギですが、秋の土用には「辰(たつ)の日」に「た」のつくものや青いものを食べるとよいとされています。

【青いもの】

秋の青い食べ物と言えば、代表的なものにサンマがあります。
また、健康食材として人気のサバやイワシなども秋に旬を迎えます。
秋に旬を迎える青魚は脂がしっかりとのった栄養のある食材です。
青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、 血液サラサラ効果が期待できます。
また、 生活習慣病の予防や認知機能低下の抑制などのはたらきをすることでも知られています。
体内では作ることのできない必須脂肪酸であるため、食事から積極的に補うことが大切です。

【「た」のつくもの】

玉ねぎ、たけのこ、大根、たこ、たまごなどは、日常的に入手しやすい食材食材です。
このうち玉ねぎと大根は秋から冬が旬です。

玉ねぎには、食物繊維やビタミン類、カリウムや鉄などのミネラル類が豊富に含まれています。玉ねぎを切った時にツンとくる匂いの成分である硫化アリルには、血糖値を下げたり、中性脂肪やコレステロールの代謝を促進する効果があるといわれています。

大根には、ビタミンB群やビタミンC、カリウム、食物繊維などが含まれています。また、ジアスターゼという消化酵素が含まれています。ジアスターゼは胃腸の働きを助け消化不良を解消したり、胃酸をコントロールして胃もたれや胸やけを防止したりする働きがあり、市販されている消化整腸剤にも含まれています。

「た」のつくものや青いものに限らず、キノコ類やくり、さつまいもなどの旬の食材もおすすめです。

逆に、砂糖や甘い果物、酸味の強いものは脾の負担となるので控えるようにこころがけましょう。

4.サバ缶を使った簡単料理

近年、さんまの値段が上がっています。
そこで、手軽に使えるさばの水煮缶を使って、からだにやさしい1品を作ってみましょう。

【材料】分量は適宜
さばの水煮缶(缶詰)、大根、砂糖、みりん、しょうゆ、おろししょうが

①大根は皮をむき、1.5㎝幅の半月切りにします。
②大根を下茹でします。(レンジ加熱でもOK)
③鍋に水(200cc程度)を入れて中火で熱し、沸騰したら調味料(砂糖、みりん、しょうゆ)、おろししょうが、 大根を加えて10分ほど煮ます。
③大根に味が染みたら、さばの水煮缶を3~4分割して加え、3~5分煮込めばできあがり!

生の魚を使った料理もいいのですが、においや後始末が大変です。
それに比べると、水煮缶は手軽に魚レシピが楽しめます。
味噌味、カレー味、トマト風味などのアレンジも可能です。
ぜひ、お試しください。

今回はここまでとなります。
立冬をむかえてもまだしばらくは暑い日が続きそうです。本格的な冬になる前に、秋土用の養生でに寒さに負けないからだを作っておきましょう。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考資料:『内経気象学入門』、『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』、日本気象協会ホームページ

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