栫彩子

関西在住のフリーのフローリスト。花のお仕事のことや、趣味で勉強している3DCGのこと、…

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関西在住のフリーのフローリスト。花のお仕事のことや、趣味で勉強している3DCGのこと、英語のこと、読んだ本のことな、、、徒然なるままに書いています。夢は庭付きの古民家でゆったりまったりと暮らすこと。

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記事一覧

石田衣良「眠れぬ真珠」を読んで/本の話

石田衣良「眠れぬ真珠」を読みました。  ストーリーラインはシンプルで登場人物も少なく、話がスッキリしていて読みやすかった。でも面白かったかと言われると、う〜ん、…

栫彩子
5日前
9

2024年の母の日を終えて/花の話

今年の母の日は5月12日(日)でした。 今年も無事に終えられました! まずは、ご依頼くださった皆様に感謝を。 ありがとうございました!! 無事に終えられた!っとい…

栫彩子
6日前
5

中野美代子「仙界とポルノグラフィー」を読んで/本の話

中野美代子「仙界とポルノグラフィー」を読んだ。 読んだといっても、つまみ読み。ところどころ、気になるところと考察の結果を。つまみ読みで十分面白い、というか素人は…

栫彩子
2週間前
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今日はライラックを買いました。可愛いしい香も好きいつか庭がある家に住めたら植えたい植物リストに加えた。

栫彩子
3週間前
1

ふいにバイオリンの音がして/エッセイ

近所に川に沿って伸びる公園がある。それほど大きい川ではないけれど、何キロも続いて、春はさくらで染まる公園だ。その色もとても綺麗だけれど、今は若葉の緑が鮮やかで目…

栫彩子
3週間前
1

新井素子「ショートショートドロップス」、三浦しをん「天国旅行」を読んで/本の話

この頃、短編をいろいろ読んでいる。 私は「とっぷりと物語の世界に浸れるのが小説の醍醐味」と思っている節があったので、手に取るのは中編以上のものが多かった。でも先…

栫彩子
3週間前
1

【お知らせ】note定期購読マガジン終了してエッセイも無料記事になります

掲題の通りnoteの定期購読をやめちゃいます。 1月の初めに書くことも仕事にしたい、という志のもと定期購読マガジンを初めてから3ヶ月経過しました。 そして、やめよう…

栫彩子
1か月前
2

江國香織「号泣する準備はできていた」を読んで/本の話

江國香織「号泣する準備はできていた」を読みました。 1作目の「前進、もしくは前進のように思われるもの」は、特にいいなぁと思った。 タイトルの言い回しが、良い。わ…

栫彩子
1か月前
9

データベース消費のプロフィール。”わたし”を語るわたしはどこへ/エッセイ

いつの頃からか、プロフィールの文言でよく見かけるようになったのが、HSPとかASDやADHDとか、ブルベとかイエベとか、骨格ウェーブとかナチュラルとか、トランスだとかアセ…

栫彩子
1か月前
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先週仕入れた花たち。
ラナンキュラス、レースフラワー、チューリップ、ユーカリ

栫彩子
1か月前
1

アビゲイル・シュライアー「トランスジェンダーになりたい少女たち」を読んで/本の話

アビゲイル・シュライアー「トランスジェンダーになりたい少女たち」を読みました。 正直な第一の感想は、読むの疲れた、だ。 著者の問題提起と主張については、わたしは…

栫彩子
1か月前
9

チューリップ(キックスタート)
徳利と思われるものを一輪挿しとして使っている。
ふと何が違うんだ?と調べてみたら「用途の違い」だった。そりゃそうなんだが、と笑った。

栫彩子
1か月前
2

東浩紀「訂正する力」を読んで/本の話

東浩紀「訂正する力」を読みました。 このごろ、あずまんブームが到来している。(どうやら東さんはあずまんと呼ばれているらしい。落合陽一さんも対談であずまんって呼ん…

栫彩子
1か月前
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パスタは美味いがグルテンは合わない/エッセイ

先日、お昼にパスタをご馳走になった。トマトのソースのパスタ。つやつやとよく麺にからんだ赤いソース。そそられる食欲。くるくるとまわるフォーク。あ、なんかこの手の動…

栫彩子
1か月前
3

やなせたかし「わたしが正義について語るなら」を読んで−③/本の話

続きです。 存外に前置きが長くなってしまったけれど、、、、 この本「わたしが正義について語るなら」を読んで、わたしが一番心に残ったのは、アンパンマンマーチの歌詞…

栫彩子
1か月前
8

東浩紀「ゲンロン戦記」を読んで/本の話

東浩紀「ゲンロン戦記」を読みました。 面白かった!予想外に読みやすくてあっという間に読み終わった。それでいて読み応えがあって示唆に富んでいた。東さんが「ゲンロン…

栫彩子
1か月前
5

石田衣良「眠れぬ真珠」を読んで/本の話

石田衣良「眠れぬ真珠」を読みました。  ストーリーラインはシンプルで登場人物も少なく、話がスッキリしていて読みやすかった。でも面白かったかと言われると、う〜ん、△?な感じ。小説という創作物としてはは面白く読んだけど、登場人物の誰にも感情移入できずちっとも物語には入り込めなかったので何も心に刺さらなかった。  ラストがどうなるのか気になって最後まで読んだけど、それは、あぁなるほどそういうふうに話を展開するんだなとか、構成とかキャラ設定とかのうまさに唸ったりして、石田衣良の創

2024年の母の日を終えて/花の話

今年の母の日は5月12日(日)でした。 今年も無事に終えられました! まずは、ご依頼くださった皆様に感謝を。 ありがとうございました!! 無事に終えられた!っといっても、世の花屋さんが一年で一番の繁忙期なのに比べれば、私なんかはかなりのんびしたもので、いくつかのアレンジメントを作るくらい。しかも全て前日に発送するので、毎年当日は無事に届けて下さいとクロネコさんにお願いするくらいしかやってないし、なんだったら今年は広島まで遊びに行ったくらいなのですが。 昔は勤めていた時の名

中野美代子「仙界とポルノグラフィー」を読んで/本の話

中野美代子「仙界とポルノグラフィー」を読んだ。 読んだといっても、つまみ読み。ところどころ、気になるところと考察の結果を。つまみ読みで十分面白い、というか素人はつまみ読みしかできない。これを精読するには中国への膨大な知識と深い造詣、そして熱い熱い情熱がいる。精読についていける人、果たしてどれくらいいるのだろうか。私には手も足も出ない。 でもそれが面白いというか、中野先生の研究者としての情熱にぶん殴れるのが気持ちいいというか。研究者ってすごいな、と途方もない尊敬の念を覚える

今日はライラックを買いました。可愛いしい香も好きいつか庭がある家に住めたら植えたい植物リストに加えた。

ふいにバイオリンの音がして/エッセイ

近所に川に沿って伸びる公園がある。それほど大きい川ではないけれど、何キロも続いて、春はさくらで染まる公園だ。その色もとても綺麗だけれど、今は若葉の緑が鮮やかで目が潤う景色なっている。ベンチもたくさんある。ゆったりと幅の広い遊歩道には、小さい子の手を引いて散歩するお母さんやジョギングする人や足早に歩くスーツの人、風を切って自転車で駆け抜けてゆく人、それぞれの日常がいつも行き交っている。 うちから真っ直ぐ歩いていって、左が川上で右が川下だ。いつも左に曲がって川上へ歩くことが多か

新井素子「ショートショートドロップス」、三浦しをん「天国旅行」を読んで/本の話

この頃、短編をいろいろ読んでいる。 私は「とっぷりと物語の世界に浸れるのが小説の醍醐味」と思っている節があったので、手に取るのは中編以上のものが多かった。でも先日江國香織さんの「号泣する準備はできていた」を読んでから、短編もいいなとなりここ数日読み漁ってる。 まずこの「短期間でいろいろと読み漁れる」というのが新鮮な経験で、面白く感じる。 次から次にぽんぽんと話が読めて、その度「こんなオチ!?」「わかる〜」「うまいな〜」「え…どういこと…」と、ころころと心が動いて楽しい。重

【お知らせ】note定期購読マガジン終了してエッセイも無料記事になります

掲題の通りnoteの定期購読をやめちゃいます。 1月の初めに書くことも仕事にしたい、という志のもと定期購読マガジンを初めてから3ヶ月経過しました。 そして、やめようと思います。 理由その① 購読者0だから。 悲しいな、おい。 誰にも読まれてない記事たちよ…… 理由その② 更新頻度の約束を全然守れなかったから 週一以上更新と謳ってたけど、全然できず。 たかだか3ヶ月ですら約束を守れぬ自分…… 結論:時期尚早だったのでやめる まず①の購読者0について 世の中には奇特な

江國香織「号泣する準備はできていた」を読んで/本の話

江國香織「号泣する準備はできていた」を読みました。 1作目の「前進、もしくは前進のように思われるもの」は、特にいいなぁと思った。 タイトルの言い回しが、良い。わたしのツボを刺激する。そのツボのありかは自分でもよくわかっていないけど。 しかし一行進むごとに増していく既視感。あれれ、と思いながらページをめくってゆき、そして猫のくだりで確信した。これ読んだことある、と。 だけど、以前読んだ時、たぶん二十代の初めだった思うが、その時はこんなに面白いと思わなかった。なんかよく分

データベース消費のプロフィール。”わたし”を語るわたしはどこへ/エッセイ

いつの頃からか、プロフィールの文言でよく見かけるようになったのが、HSPとかASDやADHDとか、ブルベとかイエベとか、骨格ウェーブとかナチュラルとか、トランスだとかアセクシュアルとか。 プロフィールといえば定番は、〇〇出身、〇〇大学卒業、職業〇〇みたいなのがあるが、これらと前者は質的に異なっている。 そこから考えたことを書いてみる。 思い返せば、わたしは昔からわたしが”わたし”と思っているものについての取り扱いに、ずっと手をこまねいている。自分を定義するのがことさら苦手

先週仕入れた花たち。 ラナンキュラス、レースフラワー、チューリップ、ユーカリ

アビゲイル・シュライアー「トランスジェンダーになりたい少女たち」を読んで/本の話

アビゲイル・シュライアー「トランスジェンダーになりたい少女たち」を読みました。 正直な第一の感想は、読むの疲れた、だ。 著者の問題提起と主張については、わたしは一考に値すると思った。 まずは、読むのが疲れた理由から書く。 初っ端から出鼻をくじかれた。この本へ寄せられた賛辞が数ページに渡って掲載されていたからだ。、萎えてしまった。導入や序章ってわくわくするところ。その本の世界へかかる橋であり入り口である。それが、さぁ読むぞとめくったら出迎えたのは羅列された賛辞たちだった。

チューリップ(キックスタート) 徳利と思われるものを一輪挿しとして使っている。 ふと何が違うんだ?と調べてみたら「用途の違い」だった。そりゃそうなんだが、と笑った。

東浩紀「訂正する力」を読んで/本の話

東浩紀「訂正する力」を読みました。 このごろ、あずまんブームが到来している。(どうやら東さんはあずまんと呼ばれているらしい。落合陽一さんも対談であずまんって呼んでいた。ので、乗っかってみた) YouTubeのライブ配信のアーカイブも2つみた。一つが4時間くらいあるけど、どちらも丸ごと見た。哲学やサブカルは無論のこと、音楽や映画や世界史や、なんでも喋れる人で、この人すごいと何度も思った。喋りも上手い。そしてとことん現実で戦っている方だなとも思った。饒舌に流れ出る知識量が圧倒

パスタは美味いがグルテンは合わない/エッセイ

先日、お昼にパスタをご馳走になった。トマトのソースのパスタ。つやつやとよく麺にからんだ赤いソース。そそられる食欲。くるくるとまわるフォーク。あ、なんかこの手の動き久しぶり。よく効いたニンニク。気まぐれに登場する、ぷりぷりの小えび。するするとあっという間にお腹の中へ。ご馳走様でした。 はて、前にパスタを食べたのはいったいいつだったか? 翌朝、ふと口元に触れた指先に小さな突起がさわる。並んで2つ。鏡で確かめる。右の口はじに、先端がしろく膿んだ小さな吹きでものが出現している。あ

やなせたかし「わたしが正義について語るなら」を読んで−③/本の話

続きです。 存外に前置きが長くなってしまったけれど、、、、 この本「わたしが正義について語るなら」を読んで、わたしが一番心に残ったのは、アンパンマンマーチの歌詞「愛と勇気だけがともだちさ」に込められた意味でした。 この歌詞、あれ?って思ったことある人多いんじゃないでしょうか。 アンパンマンって寂しくない?って。友達いないの?って。 でもここにはやなせさんの哲学があった。 人がヒーローになるのは、やむにやまれぬ状況に追い込まれた時。そいう時は人を巻き込まずに一人で戦わ

東浩紀「ゲンロン戦記」を読んで/本の話

東浩紀「ゲンロン戦記」を読みました。 面白かった!予想外に読みやすくてあっという間に読み終わった。それでいて読み応えがあって示唆に富んでいた。東さんが「ゲンロン」という会社を立ち上げてからの奮闘記。会社経営を通して、哲学を実践する戦いの日々の記録だった。 東さんと言えば、若くして成功した哲学者で、著作「動物化とポストモダン」略して「動ポス」の人と記憶していた。わたしは大学で社会学のゼミに属していたので、お名前と動ポスくらいは読んだことがある。内容はちっとも覚えていないが。