ayano_leizei 冷泉あやの

詩人・作詞家・作曲家/東京在住です。 2016年まで12年間ムンバイに住んでいました。…

ayano_leizei 冷泉あやの

詩人・作詞家・作曲家/東京在住です。 2016年まで12年間ムンバイに住んでいました。 様々な心の風景を発信していきたいと思っています。 写真は自分で撮影したものです。

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現代詩集 ムンバイ・トライアングル2016

現代詩集 ムンバイ・トライアングル2016 https://note.com/ayalei/m/m28931047e5f4 目次 from outside       from inside 1.雨上がり       1.サラダのような顔で 2. Yes, please       2.月に追われて 3. 物乞い        3.常識 4.蚊よ         4.流れるプールで 5.近道         5.離陸 6.ムンバイの午後三時  6.私が増えていく 7

    • 【歌詞】Make a wish!

      【歌詞】Make a wish!(作詞/作曲/編曲/歌) ランチのカフェまで 二人でドライブ 目についた公園 水浴び 子供たち あなたは「行こう!」って 強引なウィンク はしゃいでびしょ濡れ おしゃれが台無し 駐車違反の黄色いステッカー 反省 andリセット あなたとなら Make a wish! Make a wish! ずっと 手を繋いで歩けるように Make a wish! Make a wish! いつも 近くにいたい Make a wish! Make a

      • 【詩】命の肌触り

        命の肌触り 花吹雪に誘われ 小走りで坂を駆け上がった 息切れがひと休みを促す 心の痛みの意味を探す 防水加工された布の上を ヒュルヒュル滑る水滴のように     道筋の見えない定めに翻弄されても  目の前の道を夢中で進む潔さとは 余計なものをそぎ落とせば 凛と美しくなれるのだろうか 心も 無音のメロディが流れる時 魂の意識は源との繋がりを思い出し 現世と縁を持つ前の姿で佇む あやふやな未練が研ぎ澄まされる 花びらを掠める命の肌触りが 息遣いに溶けていく

        • 【ショートストーリー】昭和の傘しべ長者

          昭和の傘しべ長者  「ちぇっ。10円足りないやー!」  桜が咲き始めて間もない土曜日の午後、まだ少し肌寒い曇り空の下、都心の住宅街を貫く私鉄の小さな駅で、高校2年生になったばかりの香織の隣の券売機で切符を買おうとしていた背のひょろ高い青年が叫んだ。  と言っても、恐らく本人は小さくぼやいたぐらいにしか思っていないだろう。なにしろ彼は、1メートルもそばに寄れば何を聞いているかはっきり分かるほどボリュームを上げて、ウォークマンで音楽を聞いているのだ。  その時、ホームに電車が入

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        現代詩集 ムンバイ・トライアングル2016

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        記事

          【詩】賞賛の時

          賞賛の時 夢の中 願いを叶えた憧れの私がいた 希望を織りなしていた承認欲求が満たされ 賛美と艶羨を湛えた数多の瞳が 星形に輝きながら私を見つめていた 私は全てのネガティブから 白い羽のように解放されていた どうしても手放せなかった否定や後悔さえ 陰を引きずるには取るに足らない 日向の枯草と化していた 目覚める 洗面台の前に立つと 鏡の向こうから寝起きの私が見つめていた むくんだ顔 寝ぐせの髪 よれたパジャマ 思い通りに行かない現実がよみがえる 「頑張

          【詩】空を見る 

          空を見る  悲しい時 空を見る 誰かに分かって欲しい時 悔しさで胸が押しつぶされそうな時  寂しくてたまらない時  空を見る 嬉しい時 空を見る 願いが叶った時  ひとつ乗り越えた時  優しい幸せに包まれた時  空を見る 決して負けない強さと 負けたことがある強さ 静かに歯を食いしばる 空は何でも知っている     このちっぽけな私の 胸の裏の染みまで 臆することなく 堂々と生きて行こう 勇気を携え 祈りを込めて 空を見る  ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

          【詩】空を見る 

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          【グアム旅行記】マリアナ諸島の先住民族チャモロ文化を訪ねて

          【グアム旅行記】マリアナ諸島の先住民族チャモロ文化を訪ねて

          +23

          【詩】ひな祭り

          ひな祭り 「今日は楽しいひな祭り」と歌うメロディーが どうしてこんなに切ないのだろう 3歳の娘がオルゴールにあわせて ひな壇の前ではしゃぎながら歌っている 少し音程のはずれた幼い声と 天使のハーブをつま弾くような澄んだ高音のハーモニーが 胸の芯に響き過ぎて 私は涙ぐんでしまう 「ママは泣き虫だね 楽しくても嬉しくても泣くんだものね」 娘が笑う 今年もひな人形たちは 相変わらず綺麗な白い顔でとびきり着飾り それぞれの居場所に並んでいる 娘は皆に話しかけるような仕草で 頭

          【詩】理想のお化け

          理想のお化け 理想のお化けは目が八つ 人間に近い姿で 人間と同じ場所にふたつ 頭の後ろにひとつ つむじと顎の下にひとつずつ 左右の耳の上にひとつずつ 前後上下左右を同時に見る そして  おでこの真ん中にもうひとつ 人間の心と真実と現実の向こうを見る 理想のお化けは中途半端 神にも人間にも動物にも 似ているようで同じじゃない なにものにもなりきれず はばかりながらざわざわ揺れる

          【詩】理想のお化け

          【詩】私にできること

          私にできること 柔らかな冬の日差しが リビングをすっぽり包む 平和な瞬間はいつも温かく澄んでいる 安心していいよと囁くように 先週ここで悲しいニュースを見た 今窓を開ければ 冷え切った空気が部屋に入り込み 理不尽な罪悪感と焦りに 対峙することとなるだろう 私にできること 可能な限り差し出すこと 奉仕すること 心から祈りを捧げること 自分の苦しみに耐えること 生きるために生きること 愛すること 精一杯 愛すること 春は必ずやって来る どこにでも 誰の心にも いつの間に

          【詩】私にできること

          【詩】誕生日

          誕生日 蝋燭の炎の向こう 温かい橙色が照らす優しい笑顔たち 私がこの世に生を受け 今ここで生きていることを 心から喜び祝ってくれる家族が いつもそばにいてくれる 私の全てが愛で肯定され 受け入れられている 私自身にさえ 信頼が永遠の真ん中に横たわり 安心の泉に浮かぶ 胸が熱く満たされ涙が溢れる 値するものとして 私はいったい何が捧げられるだろう

          【詩】透明パネル

          透明パネル 最初の頃の戸惑いは消え いつしか慣れていった 透明なパネルが人との間に置かれることに パネル越しの言葉たちは時折 相手の心に響くのを躊躇うように隔たり  もどかしさの残像は 気が遠くなるほどいつまでも纏わりついた あれから数年 パネルがなくてもいい日常が戻って来た 私たちは自由を取り戻せただろうか 見えない壁はどこかに消えてくれただろうか 私たちは 愛で乗り越えてきた だから 今度もきっとできる

          【詩】透明パネル

          【あけましておめでとうございます】麻布台ヒルズ

          あけましておめでとうございます あけましておめでとうございます。 旧年中はいろいろとお世話になりました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 皆さまのご健康とご多幸をお祈りいたします。 ********************************** 【麻布台ヒルズ】 昨年11月に麻布台ヒルズが開業しました。 場所が家から近いため2019年8月の工事着工当時からずっと陰ながら建築を見守ってきました。毎日少しずつビルが出来上がっていく様子を眺めるのはとても楽しか

          【あけましておめでとうございます】麻布台ヒルズ

          【感謝】感動と裸の心~ユーミン50周年アリーナツアーにて

          【感謝】感動と裸の心~ユーミン50周年アリーナツアーにて 9月に日本武道館で行われたユーミンのデビュー50周年アリーナ・ツアーに行ってきました。 豪華なステージで胸に深く染み渡る音楽とアクロバティックなエンターテイメントに心が揺さぶられる感動的な最高のライブでした。 今回のテーマは「海」で、ユーミンの素晴らしい歌と一緒に船旅をするというストーリーでした。次々と舞台を変える壮大なセットと迫力ある音響は圧巻で、躍動感溢れるショーが間近に感じられました。 本編19曲中9曲目に「

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          【セブ島旅行記】クリスマスと平和への願い~マゼラン・クロッシングとサンペドロ要塞を訪ねて

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          【詩】大空からの涙

          大空からの涙 揺りかごに揺られるような心地良さに いつの間にかうたた寝をしていた 当然訪れると思っていた冬のきらびやかさが いきなり色褪せた友人の悲しい知らせ 久しぶりの電車での遠出が 神楽月の終わりにふわふわと実感の持てないまま 慌ただしく出発する旅になるとは思ってもいなかった 黒い足下だけが車内の熱風にのぼせていた 窓を過ぎゆく外の景色は ついさっきまで人々の頭越しに見え隠れしながら 立ち並ぶビルや家々の屋根を照らす陽光でいっぱいだったのに ほんの短い休息から目覚めて

          【詩】大空からの涙