令和ももう六年目。そろそろ前の時代である平成を歴史として見直してもいい頃。夏の定番である冷奴を冬ヴァージョンということで煮奴にしながら、平成を象徴する総理大臣を妄想した記録。

豆腐　　　　１丁
乾燥和布　　好きなだけ
生姜　　　　１欠け
葱　　　　　細いのを５本
醤油　　　　大匙２
味醂　　　　大匙２
水　　　　　100ｍｌ
鰹節　　　　一掴み
黒摺り胡麻　適量
柚子胡椒　　お好みで

失われた30年とも言われる平成時代。
デフレと不況で経済は停滞。国際的な地位も下落。
その一因を作った人物は第87、88，89代総理大臣を務めた小泉純一郎。
世襲議員が多い日本ですが、やはり小泉純一郎も三世議員。祖父の又一郎は入れ墨を入れていたことから入れ墨議員と呼ばれていた。
小泉家は横須賀で労働者の請負を仕切っていたと言われますが、一説には893だったとも。

昭和四十七年（1972）に衆議院議員に当選。
一匹狼的な行動を取り、忖度なしに直言することから変人と呼ばれるが、本人は甘んじてその称号を受けて、
「変革する人という意味の変人だ」と名乗った。
郵政大臣や厚生大臣等を歴任。
平成十三年（2001）に総理大臣に就任。
その年に起こったのが同時多発テロ。これを受けて当時のブッシュ大統領がテロとの戦いを始めると、それに賛同。
イラク戦争でも自衛隊をサマワに派遣。全面的に米国をバックアップ。

「自民党をぶっ壊す」とよく言っていましたが、彼は自民党総裁、総理のお手本だったと思います。自民党というのはアメリカが日本をコントロールするために作った政党。自民党総理で長期政権を維持出来るのは決まって親米派。
中曾根康弘や安倍晋三然り。小泉もブッシュと親密で戦後、もっとも良好と言われる日米関係を築く。

私は小泉が壊したのは自民党ではなく日本だと思っています。
経済学者であった竹中平蔵を内閣に招き、金融担当大臣や総務大臣を任せた。そして推し進めたのが規制緩和や構造改革。
終身雇用で正社員を抱える企業が多く、大企業や政府もそれを保護する護衛船団方式だったのを改め、正社員の数を減らす風潮を醸成。
そうした風は既に中曽根首相の頃から始まっていて電電公社がＮＴＴに、国鉄がＪＲにとまずは国が公務員を減らすことから範を示していた。
郵政省を民営にすべしと総理就任前から、小泉は持論を述べていた。
大きな政府から小さな政府への転換を図っていたということ。

正社員が減り、派遣社員が増えると竹中平蔵がやっていたパソナのような派遣会社が儲かる。当時、種々の資格やスキルを武器に様々な会社を渡り歩く派遣社員をかっこよく描いたドラマがありましたが、こうした風潮を後押しするためだったのでしょう。
規制緩和や自由化で外国企業や資本家が日本市場に参入しやすくなった結果、大企業の大株主は外国人というケースが増加。配当という形で日本の富はどんどん流失。経済植民地というのはこういうことでしょう。
郵政民営化も日本国民の富、郵便貯金を市場に開放しろという圧力から行ったこと。端的な例は郵便局のかんぽ生命では元々は日本生命と連携してがん保険を売る筈だったのが、いつの間にかアフラックという米国企業のがん保険を販売。
それまでの日本式経営や内需循環の仕組みをぶっ壊した。

法案成立のセオリーまでぶっ壊した。
郵政民営化法案が参議院で否決されると、小泉は「郵政解散」と銘打って衆議院を解散、総選挙。
参議院で否決されたら衆議院に差し戻し、再審議するのが常道。そんなまどろっこしいことは出来ないとばかりに小泉は強引な解散総選挙。
自民党内でも異論があった郵政民営化ですが、反対する議員には公認を与えず、刺客候補を送り込む。なりふり構わない手法で大勝。
審議されている間、反対派の議員はこんな法案が通ったら、郵便局は何でも屋になり、野菜とか肉とか売るようになりますよとか効率重視でATMが減り、不便になりますよと警告していました。
現在、その通りになっています。カタログ販売という形で窓口で野菜や海産物、肉等が買えてしまいます。ATMの数も減っている。

小泉純一郎が行ったもう一つ大きなことは日朝首脳会談。
未だに正式な国交がない北朝鮮の首都、平壌に日帰り外交。最高指導者の金正日と会談。拉致被害者を連れ帰って来た。
あの時、平壌へ行った小泉や安倍晋三を英雄のように思った人もいた。
私は疑問。
どうして拉致問題は解決しないのか？解決したら困る人がいるのではないか？一種の利権？不謹慎なと非難を浴びるかもしれないことを覚悟で書いています。
実際に拉致問題は茶番だと断じる陰謀論者もいます。
東京の福生市と羽村市に跨る広大な米軍基地はどうして横田基地なのでしょう？一説には拉致被害者の一人の名前と関係しているとか？
私はソフト陰謀論路線なので、仄めかすに留めておきます。

私は小泉純一郎を誹謗中傷しているつもりはありません。私見を述べているだけです。世の中には絶対の正義や悪は存在せず、それらは相対的なものだと考えています。
小泉が行った構造改革や郵政民営化等で不利益を被った人もいれば、恩恵に預かった人もいる。立場や視点で正義でも悪でもあるということ。
新聞やテレビが言っていることを鵜呑みにせずに、疑問を持って自分の頭で考えてみることを勧めているのです。
常々、言っている妄想とはそういうこと。

豆腐から出た水分で醤油と味醂が程よい味わい。生姜と葱が少しの辛みを加えてくれる。胡麻の香ばしさもよい。
和布のような海藻は日本人だけが消化、吸収出来るとか。ミネラルや食物繊維豊富な和布を味わえる日本人でよかった。

「自民党をぶっ壊す」「郵政解散」「改革を止めるな」等々、小泉はわかりやすいワンフレーズでアピール、大衆の支持を得た。ポピュリズム重視の政治家というよりも扇動家と呼ぶ方がぴったりくる。
平成の頃から日本人はあまり考えず、イメージやわかりやすい言葉のみを鵜呑みにするようになったと思えてしまう。
後世の歴史家は不況と停滞の平成時代とそれを代表する総理大臣をどう評価するのだろうかと妄想しながら、煮やっ小泉純一郎をご馳走様でした。