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終わりか、始まりか

最高の気持ちで目が覚め、気分良く目玉焼きなんかを焼く。

塩で食べるか、醤油で食べるか。はたまたソースか。
もう幾度となくやりあったお決まりの喧嘩で、朝の食卓は賑々しい。

水の入ったグラスが、プリズムとなって日光を虹色にうつせば、
葉水をあげたばかりの観葉植物も、どこか煌びやか。


いつものラジオ番組が終わり、お気に入りの白いTシャツを着る。
日が完全に昇りきる前に、街へでかけるのだ。

子供たちのはじける声、笑顔あふれるカフェ。
頬をなでる風が、やわらかさを増してきた。

心を踊らせてしまうのは、初夏のせいだろうか。
それとも、今日という日への感謝からだろうか。



そんな午前中が、夕方になれば何日も前のことのよう。
夜が近づくにつれて、不安が襲いかかる。

思えば、明日という言葉は明るいもののはずなのに。
こうも気分が上がらないのは、どうしてなのだろう。

ため息が増えた、少しだけ。毎日が今日ならばいいのに。



しかし、終わらない日はない、のだ。

今日が終われば、明日が来る。
明日が終われば、また明日が来る。

いいことと同じように、嫌なことも走り去る。


繰り返しの毎日が嫌ならば、少しだけ自分を裏切ってみればいい。
あした、反対方向の電車にのり、思うままにしてみればいい。

乗り越えるときと、逃げまわるときと、両方あってもいいじゃない。

くよくよするよりも、できない理由を探すよりも、
とにかく「えいや」でやってみることだ。



それでも、用意は周到に。誰にも文句は言わせない。

毎日をもっとおもしろく。ようは、自分次第なのだ。

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