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小説| 平成ネオンモス。のあとがき。

平成ネオンモス。」は、まさに「平成」の時代に自分とともに生きてきた作品です。
「平成ネオンモス。」の前に書いた短編小説が、とある出版社主催のコンクールでに入賞し、いちおうその小説で作家デビューすることが出来た。その後、デビュー作の短編も含めた小説集の初書籍化に向けて出版社に持ち込んだのがこの作品だった。 
 作品を読んだ編集者は「いいですねぇ」と笑顔で返してきたが、書籍化の話はそれっきりで、原稿も返ってこなかった。良くなかったら「良くない」とは言ってくれないのね、これが大人の世界なのね、と辛酸舐めた。
 わたしは絶望し、また賞レースからやり直すことにして、「平成ネオンモス。」は(別タイトルで)某大手文学賞のいいところまでいったんだけど、結局日の目を見ることはなかった。
 でも、自分ではこの作品の世界観が気に入っていた。半分私小説みたいな内容だし、思い入れがあった。そのため完全に葬ることが出来ず、数年おきに読み返してはちまちまと推敲を繰り返していた。
 ……いや、もういい加減、そろそろ、主人公・円谷きりをわたしから切り離さなくては。
 という訳で、今さらだがようやくこの小説を自費出版してみようと思い立った。
 今後、紙本と電子書籍で販売する予定なので、noteでは一部公開にしておく。

 歳を重ねるほどに、自分の中の何かが枯渇し、筆が進まなくなっていくのを感じる。それでも書くことは楽しい。他のどんなことよりも。


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