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現役体育大学生が考えるeスポーツとスポーツ心理学

こんにちは、あずろです。

今回は、現役体育大学生である私が、eスポーツとスポーツ心理学についてと、今後の私のビジョンについて書いていこうと思います。

注)現在帰省している関係上、手元のスポーツ心理に関する資料が乏しい状態で執筆しています。大体こんな感じ、といった風に捉えていただけると幸いです。

スポーツ心理学をeスポーツに生かす!?

先日、このような記事が公開され、Twitterで少し話題になりました。

esports心理学者、Mia Stellbergの尽力もあり、OGのTI9優勝へ繋がった、という記事です。

これまで、eスポーツは我々フィジカルスポーツ(今回、eスポーツと区別するため、身体活動を伴うスポーツをこのように表現していきます。)を学ぶ者からすると、スポーツ経済の分野で捉えられることがほとんどでした。

現役の体育大学生であり、スポーツ心理を専攻しているゲーマーという、このテーマにドンピシャである私が、この内容について考えていきます。

内容の考察

「一方、他のチームの95%は勝利を目標に設定していました。ですが、勝利を目標に設定するとストレスを感じてしまうプレイヤーが出てきます。わたしたちは自然体でいることを優先し、トーナメントで自然体を失わないための方法を教えました」
「この結果、プレイヤーたちはコンフォートゾーンの中に留まり続けることができました。コンフォートゾーンの中にいれば、快適に楽しく、自分らしくプレイできます」

コンフォートゾーンとは、心理学的にはストレスや不安がなく、限りなく落ち着いた状態のことを表します。

これは、スポーツ心理学における「逆U字理論」と関係しています。

逆U字理論とは、覚醒水準(緊張の度合いと捉えてもらって構いません)が高すぎても低すぎても最高のパフォーマンス発揮はできず、適度な緊張の際に最高のパフォーマンスを発揮することができる、という理論です。

「賞金のためにプレイしていないというのがOGと他との大きな違いです。ゲームへの愛がモチベーションなのです」

これは、スポーツ心理学の「動機づけ」にかかわる部分です。

動機づけには大きく分けて「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類に分けられます。

外発的動機づけは、その行為(今回ではゲーム)そのものが目的ではなく、外的報酬(お金や名誉)のための手段である状態です。

例として、痩せてモテたいからスポーツをする、お金が欲しいから嫌な仕事でもやる、といったものが挙げられます。

対して内発的動機づけは、その行為自体が目的となっている状態です。

そのスポーツが好きだからやる、といったものが例として挙げられます。

外発的動機づけは一時的なものになりやすい傾向がありますが、段階を経て内発的動機づけへと発展していくことができます。

内発的動機づけの方がモチベーションが高く、維持されやすいため、良いとされます。

今回の記事の、ゲームへの愛がモチベーションになっているというのは内発的動機づけであることが分かると思います。

選手の動機づけを内発的動機づけに持って行けたことで、メンタルの面で非常に有利に立って試合を行うことができたと推察できます。

動機づけに関する詳しい内容(競技に深く関わる人向け)

内発的動機づけの人に対し、外的報酬を与えてしまうことはモチベーションの阻害につながります。自律的な目標を設定し有能感を持つことで内発的動機づけに繋がります。自己決定は高いパフォーマンスと精神的健康をもたらします。

また、内発的動機づけはあくまでも行動を行うこと自体に目標がある(努力の自己評定の関係が小さい)ため、プロとして競技を行う場合、完全に内発的動機づけに持っていくのは望ましくないと思います。外発的動機づけを細かく分類すると、外的調整、取り入れ的調整、同一視的調整、統合的調整に分けられ、統合的調整が最も内発的動機づけに近いところにあります。

このうち、同一化的調整が最も将来を展望し目標を持って努力する状態にあります。プロとして競技を行う場合、この同一化的調整あたりを狙っていけばよいのではないかと思います。

今後の展望

Googleで「eスポーツ 論文」で検索してみました。

日本の論文では、ほとんどが産業や文化の視点で捉えたもので、スポーツ心理といった競技のパフォーマンスに繋がる分野から捉えたものはあまり見受けられません。

じゃあ、私が研究して書けばいいじゃないか、と思い立ちました。

ゼミの先生と相談して決める必要がある為、必ず行えるとは限りませんが、卒業論文でスポーツ心理学の視点からeスポーツを捉えたいと考えています。

この研究を行う場合、多くのチームに協力していただく必要があるため、そう簡単なものではないとは思いますが、チャレンジしていきたいと思います。

卒業論文のテーマが確定した際はnoteでご報告させていただきます。

まとめ

今回は、『Dota 2』:スポーツ心理学が呼び込んだOGのTI9優勝 のニュース記事をスポーツ心理学の視点から解説し、私自身の今後のビジョンについて書いていきました。

フィジカルスポーツの観点からeスポーツを考えるといったことは今まであまりないと思います。

しかし、今回のニュース記事のようにフィジカルスポーツの知見にはeスポーツに生かせるものがまだまだたくさんあると思います。

現役体育大学生でゲーマーという私だからこそ書けること、考えられることをどんどんアウトプットしていって、日本のeスポーツに貢献したいと考えています。

応援していただければ幸いです。

参考記事

『Dota 2』:スポーツ心理学が呼び込んだOGのTI9優勝
https://www.redbull.com/jp-ja/og-ti9-psychology-interview

esportsとスポーツ心理学
https://www.redbull.com/jp-ja/mia-stellberg-sports-psychology-interview-esports-prism


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