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「老い」を受け止める

ここ数日同じことを書いていますが、朝晩が寒くて仕方ありません。
そんな中この作品を読んで、自分のこれからを少し考えてしまいました。
その作品がこちらです。

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怒りっぽく皮肉屋、しかし唖然とするほど正直で、たまに驚くほどあたたかい―。そんなオリーヴ・キタリッジと、小さな港町クロズビーの人々の日々を描く。父を亡くした少女がその事実と折り合いをつけようとする「清掃」、遺産相続の手続きのため帰郷した女性と、年配の弁護士が互いにひそやかな慰めを見出す「救われる」、夫婦の日々の浮き沈みを繊細に描いた「ペディキュア」など、13篇を収録。ピュリッツァー賞を受賞した『オリーヴ・キタリッジの生活』、11年ぶりの続篇にあたる連作短篇集。(「BOOK」データベースより)

前作の「オリーヴ・キタリッジの生活」ではそれほどオリーヴの行動に焦点が当てられず、彼女が住む架空の町クロスビーに住む人びたが主人公だったように思います。本作は11年ぶり続編ということで、オリーヴはもちろん、町の人々もそれなりに歳を重ねています。

本作のオリーヴは相変わらず自分に正直に生きていて、年老いてよく言う「人間が丸く」なるのではなく、さらにどちらかといえば「気難しい」年長者になっています。それは彼女をよく知っていたり、人恋しい人間にとってどこか憎めない人ですが、世の中に折り合いをつけて、うまく生きている人には扱いにく人物です。

自分に正直に生きている彼女にも「老い」は避けられません。自分の老いに気づくまでにも身近な町の人たちが老いて、寂しい最後を迎えたことを知っていますが、自分がそうなることをやはりその時がきて、自分と向き合うのです。

田舎町に住む私には、現実がこの作品の中にあるようで、読みながら辛さを感じていました。きっと私自身が今住んでいるこの町も、老いも怖いのだと思います

先日脚本家の橋田壽賀子さんが95歳で亡くなりました。彼女はご主人に先立たれ、お子さんもおられなかった中、終活をしっかりされていたそうです。

私は2人の愚息がいますが、オリーヴのようにきっと最後は息子に頼ることはできないと思います。しっかりと「老いる」ことに向き合って、最後まで自分を失くさず生きていけたらとしみじみ考えさせられた作品となりました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

前作の感想noteは↓

昨日のnoteは↓

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