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八月の銀の雪

日中10度まで気温が上がり、少し薄着ができた感じの1日が終わりに近づきました。全国的に暖かだったようですね。

暖かさに思わず夫婦で出かけたので、先ほど読み終えた作品がこちらです。

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不愛想で手際が悪い―。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた驚きの真の姿。(『八月の銀の雪』)。子育てに自信をもてないシングルマザーが、博物館勤めの女性に聞いた深海の話。深い海の底で泳ぐ鯨に想いを馳せて…。(『海へ還る日』)。原発の下請け会社を辞め、心赴くまま一人旅をしていた辰朗は、茨城の海岸で凧揚げをする初老の男に出会う。男の父親が太平洋戦争で果たした役目とは。(『十万年の西風』)。科学の揺るぎない真実が、人知れず傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。(「BOOK」データベースより)

八月の銀の雪
海へ還る日
アルノーと檸檬
玻璃(はり)を拾う
十万年の西風

収められている5篇の短編はコロナ禍の今でも、人間を信じるまなざしで日常生活の出来事が静かにつづられています。
そして「BOOK」データベースにはない「アルノーと檸檬」「玻璃を拾う」も含めて著者が専攻していた地球惑星科学的な知識を上手に使い、人の根底にある感情を描いた物語集でもあります。

特に私は国立科学博物館委託標本作成師渡辺芳美さんの「世界の鯨」ポスターにインスピレーションを感じ書かれたという「海へ還る日」に生活に追われている子育て親世代への温かいメッセージを感じ、心が熱くなりました。
さらに「アルノーと檸檬」は鳩が元のところに帰ろうとする健気で不思議な習性を、人が認知症になっても虐待を受けても「家に帰る」「親のところに帰る」と重ねて、時代性を上手く描いていると思いました。

とても心温まる作品でしたが、感想を書くのに手こずりました。読み易いからかもしれませんね。

読んでいただき、ありがとうございました。
明日も暖かくなる予報です。体調管理が大切です。
週末に向け気をつけていきましょう。

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