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[カルチャー紹介] グローバルスタートアップを目指す Beatrust が実践する、Google式 TGIF ってなんだ?

Beatrust 株式会社、Product Marketing Manager の Atsushi Tsukada です。いつも Beatrust on note をご覧頂き有難うございます。本日は Beatrust が創業当初より採り入れている “TGIF” のカルチャーについてご紹介させて頂きます。

多くの会社様にとって、透明性が高くフラットな組織づくりは非常に優先度の高い経営課題であると同時に、極めて実現の難易度が高いテーマだと思っています。何を実施すれば良いかわからない、どのように成果を評価すればいいかわからないといったご相談を受けることも少なくありません。お話を伺うに、1 つの理想像は、GAFAM のような個人を主体とする自由度の高い組織文化にあるようで、それらのユニークな制度やアクティビティの類、例えば「1on1」「360°フィードバック」「20%ルール」「peer bonus」「社員to社員レクチャープログラム」等々を、自社にも導入することで良い革新が起きるのでは?といった期待をお持ちであるケースが多く見られます。組織風土が先か、制度設計が先か、という “ニワトリ-タマゴ” の議論はあれ、とにかく取り組んでみた上でフィット感をチェックするという姿勢は非常に尊敬すべきものであり、実際に取り組まれる会社様も増えてきているように思います。

当社 Beatrust も同じ目的意識を抱くものであり、創業初期より「金曜 = TGIF の日」として社員同士のコミュニケーション推進をはかってまいりました。我々どもの実施の背景や成果が皆様にとっての参考になればと思いますので、興味をお持ちいただける方はどうぞご一読くださいませ。

「金曜日の TGIF で会いましょう」 が、社員にとっての合言葉 

――そもそもTGIF という言葉自体に聞き馴染みがない方も多いと思います。改めて、どういった取り組みなのでしょうか?

🔵 共同創業者:久米 雅人 (以降、久米):海外の文化「Thanks God It’s Friday」に端を発しています。文字通り、今週も終わったね、ということを仲間同士で労い合う、いわば挨拶の言葉です。私の前職 Google では、これをもじった「Thanks “Google” it’s Friday」という社内カルチャーがあり、Google を代表するユニークな制度としてとても有名でした。Google における TGIF はただの挨拶や概念ではなく、毎週金曜日の午後に Google 本社で行う全社ミーティングのことを指し、それが全世界の拠点にライブストリーム配信されていました。この場には、実際に Sundar Pichai(社長)や各部門の幹部メンバーが登壇し、ビジネスレビューだけでなく、それに対する Q&A にも自ら応じていました。質問は全世界すべての Googler がツールを使って投稿することが可能であり、誠意を持ってリアルタイムで回答する経営幹部の様子を 1 社員としてとても誇らしく思ったことを記憶しています。TGIF の会場にはドリンクや食べ物も用意してあり、参加者同士が議題についてブランクに意見を交わす様子が金曜の Google の風物詩でした。

「社長の意見には〇〇の観点が欠けていませんか?」といった、社外の人から見ればびっくりするような質問が飛ぶこともあるのですが、それでも社長は実に誠実に答えてくれます。会社をよくするための建設的な意見であれば、立場や所属を関係なくちゃんと会社に提言することが出来るのです。
このように、経営からの一次発信を全社員がダイレクトに受け取ることが出来る機会が豊富に用意されており、授業員同士が互いを労い、賞賛しあい、食事やカジュアルトークを楽しみながら一体感ある会社文化を作るような仕掛け作りを会社が主導していたことが Google の強さの要因だったと感じています。

Google 本社で行われる TGIF の様子

――なるほど。Beatrust の TGIF は Google 流という訳ですね。外資がそういった日本風の “飲みニケーション” のような制度を積極的に導入していることが興味深いですね。

🔵 久米:文化の 1 つとして紹介したのは確かに私ですが、Beatrust のそれは決して会社主導の制度として行われているわけではなく、運営そのものはあくまでも各社員の主体的活動として行われています。強制ではなく、途中参加・途中抜けも OK です。乾杯だけして、サッと食事してまた仕事に戻る社員もいます。社内で飲食する(アルコール含む)というと、それ自体に違和感を覚える方もおられるかもしれませんが、仕事とプライベートを敢えてはっきりと線引きしないことが重要だと思っています。人はロジックだけでは割り切れない生き物です。相手の感情に寄り添い、一人一人と「(従業員ではなく)仲間」として接することで、フラットで透明性の高い関係構築につながり、それが会社文化の礎になっていくと考えています。

――TGIF の中で、みなさんどんな内容の会話をしているのでしょうか?

🔵 久米:それこそ千差万別です。直前までやっていたミーティングの延長戦として、「あの件だけどさ〜」「あの時はああ言ったけどさ〜」を話している社員もいれば、完全にプライベートな話題で盛り上がっている社員もいます。マネジメントの観点から内容に指図をすることもなければ、皆とてもよく目的を理解して巧くこの場を使ってくれています。特に、最近入ったばかりの社員は TGIF をオンボーディングの目的に役立ててくれているようです。また他の社員(日本人)は、「自分は英語が苦手なので、学習機会と捉えてTGIFはすべて英語で話すようにしている」と言ってましたね。

Beatrust の TGIF ① (ミーティングパートの様子)

“さらけ出せること” を企業風土のグラウンドデザインとしたい 

――TGIF を導入することの成果をどのように評価されていますか?

🔵 久米:定量化されたものを期待されてるとしたら、そのご期待には添えないかもしれません笑。やろうと思えばエンゲージメントサーベイするなどして物理的には可能ですが、短期間に大きく組織が変わるスタートアップにおいてその BEFORE / AFTER を評価しても、まあ「これも一因として考えられるかもね」以上の結論なんて出ないですしね。1 on 1 でも peer bonus でもそうですが、なんでも ROI で説明を求めようとするのはナンセンスですし、出来るものだとする前提が根本的に間違っています。定性的だろうが肌感覚だろうが N =  1 だろうが、意味があるものには意味があるし、数字化できないから判断ができないというのは違うと思います。

という、長い前置き(言い訳?)をした上で笑。メンバーから聞こえる感想は 4 つくらいにまとめられるかなと思います。どれもコロナ環境下に限った内容ではないため、しばらくの間はこのアクティビティは残そうと思っています。

[①相互理解]
パーソナリティやプライベートを含めた情報交換によって相互理解が進み、仕事がますますやりやすくなる。

[②越境コミュニケーション]
仕事で直接的なやり取りの機会が少ないチームのメンバーとも、自然と話すきっかけが生まれる。

[③仕事のリズム]
出社やミーティングのリズムが作りやすい。(TGIF がある日を中心にミーティングをかためたり、出社する機会を作る等)

[④心理的安全性]
チャレンジの宣言や賞賛、相談などが自然とこの場で起こる。

――運用する上で大事にしていることはありますか?

🔵 久米:1 つは、あまりロジックを求めないことです。この場で何か業務に直結する生産的な会話をしなければ!と構えて臨まないことですね。仕事の話には、どうせ勝手になります笑。もう1 つは、これは私自身の心掛けですが、創業者としてなるべく私は参加するようにしています。Google がそうだったのでそうするのが当たり前ということもありますが、ボトムアップの文化(=こうした方が良いという提言を全員が発することができ、必要に応じて経営判断に採り入れられ得ること)はスタートアップにとって健康経営の前提だからです。いや、会社の規模など関係ないのかもしれません。従業員が自分の会社に物も言えない状況は健全ではないと考えます。これは会社が大きくなっても残したい風土ですね。

Beatrust の TGIF ② (ミーティング終了後のパーティの様子)

TGIF がもたらしてくれたもの(相手へのリスペクト、仕事のキャッチアップ、互いの貢献への感謝と賞賛) 

――ここからは、バックグラウンドも Beatrust への参画タイミングもまちまちな複数の社員に TGIF への向き合い方を聞いてみたいと思います。みなさん、TGIF には頻繁に参加していますか?どういう印象を持っていますか?

🔴 藤井 のど佳 :ちょうど 1 年ほど前、まだ社員が 10 名前後の頃に入社しました。ちょうど今のオフィス(初の単独オフィス)に引っ越した頃で、オフィスのルール等をみんなで決めたことを覚えています。オフィスで流れている曲は私のミックスリストから再生していることも多いです。イベント事が好きな性格なので、TGIF にはほぼ毎回参加しており、その変化も見てきました。2022 年夏過ぎくらいから社員が急激に増え、その中には大阪や神戸に拠点を構える社員もいるのですが、TGIF を目当てに金曜はオフィスに集まる雰囲気が自然と出来ており、わざわざ構えて「オフサイトだ。チームビルディングイベントだ。」と計画せずとも、色んな人と語らう雰囲気が生まれていると感じています。

🟠 Andreas Dippon :Full Stack Engineer として 3 ヶ月前に入社したばかりです。出身はドイツであり、Beatrust への転職を機に日本に来ました。開発チームは平日はリモートで集中してタスクに取り組む社員も多いのですが、金曜にチームミーティング(sprint planning)を設けることで、オフィスで顔を合わせて話すのが楽しみになっています。同じ時間と場所を共有するという体験が人間的な絆を強固にする側面は事実として存在し、よりその会社のことが好きになる、帰属意識が強くなると思っています。

🟡 海野 詩織 :学生インターンとして昨年 10 月からジョインしたので、まだ 5 ヶ月です。Beatrust の皆さんと最初に話したのがまさに TGIF の場だったのですが、インターンでも同じ会社の一員として迎え入れてくれる安心感を抱いたのを覚えています。この人たちとこれから一緒に働くんだな、というモチベーションや仲間意識が生まれ、臆することなく翌週からすぐに仕事に取り掛かることが出来ました。みなさん自己開示がとても上手で、私もこの場を借りて就職後のことを相談させてもらったりしています。業務外のことであってもなんでも相談していい雰囲気があり、私が就職後に sales の仕事を希望していることを言ったら、「じゃあお客様への提案の場に同席していいよ!」「提案資料を作ってみる?見てあげるよ」と、私の成長のために前向きなアドバイスを下さってとても感動しました。

🟢 柏尾 明希人 :日系大手から昨年 10 月に Beatrust に転職してきたのですが、「日本企業でもこんな頻度で飲まないよな」と最初は驚きました笑。特にここ数年は、コロナの緊急事態宣言中だったこともあり、様々なメンバーが一同に集まる機会は殆どなかった覚えがあります。TGIF も、オフィシャルな会にしてしまうと、準備や調整事が(人数が増えれば増えるほど)おおごとになってしまいがちですから、任意参加というのは都合が良いと思っています。私は平日は大阪の自宅からリモートで仕事しているのですが、TGIF に合わせて金曜だけオフィスに来ることが定番になってきています。「今週のこれどうしよう?」「来週はこれをやろうと思っているんだ」とチームメイトに打ち明けながら業務に取り組むことで、何かあってもすぐ手伝ってもらえる安心感がある。私にとっては、TGIF とは特定のミーティングやイベントを指す言葉ではなく、“金曜日の過ごし方を定義する言葉” であり、丸一日をトータルでデザインしてその中でのパフォーマンスを最大化するようにしています。

Beatrust の TGIF ③ (最後まで残ったメンバーだけで延長戦)

いかがでしたでしょうか? 今回は Beatrust のカルチャーを紹介する企画として、創業以来のTGIF の試みを取り上げてみました。由来は海外にありつつも、実は日本企業がこれまで大事にしてきた「人と向き合うこと」や「互いへの感謝・賞賛を口に出して発信することの大切さ」などを具体的な施策に落とし込んだという意味においては、非常になじみやすいものであるとご理解頂けたのではと思っております。ぜひこういった取り組みにチャレンジされたい会社様にとって参考になる情報がご提供できておりましたら幸いです。

Beatrust は、本日 2023.2 月時点で、正社員 27 名(国籍としては 9 か国)まで成長してきております。Diversity and Inclusion を保ちつつ、社員がより自律的・機動的に働くことを可能にするための取り組みにチャレンジしてまいりたいと思っております。Beatrust のヒト・モノ・コトを感じていただけるような情報をお伝えしていきますので、少しでも興味を持っていただけましたらこちらの “Beatrust on note” をぜひフォローいただければ幸いです。また、どうぞ宜しければ他の記事やニュースリリースも併せてご覧くださいませ。

今後とも Beatrust をどうぞ宜しくお願い致します。

(お願い)Beatrust への取材依頼や各種お問い合わせは、お手数ですが marketing@beatrust.com までお願い申し上げます。現在非常に多くのお問い合わせを頂いており、回答までお時間をいただく場合がございます。予めご容赦下さいませ。


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