あくえりメモ_note___2_

仕事や人生に響いた 親父の46言

社会人なりたての頃、親父から言われた小言(仕事や人生のヒント)を Evernote に書き溜めていた。久しぶりに開いたら「なるほどな」と思うものが多かったので、整理して一挙公開してみたい。誰かの仕事や人生に少しでも役に立てばうれしい。

親父の背景

そもそも親父がどんな人か、簡単に触れておきたい。

親父は、別に偉大な経営者でもエリート社員でもないし、社会的に成功したような人物ではない。一浪一留で立教大学を卒業、小さな通販会社で 1つしかない部の部長(取締役)を勤めていた。ある意味「経営に近い位置でバリバリ仕事をしていた」とは言えるが。

昔から身体が弱く、僕が小学6年生の頃、会社を退職した。その後は、好きだった「競馬」「スロット」「パチンコ」の研究をしたり自由気ままな生活を送る。家にいるときは、本も読まず、寝てゲームばかりやっていた。

それでも昔からよく遊んでくれたし、地頭はよく色んな議論が出来るので、僕は大好きだし尊敬している。中学生以降も毎日一緒にお風呂入り、受験勉強もかなり手伝ってもらった。

そんな父親だったけど、働いていた頃、毎日の帰宅は23時以降だったので仕事は真剣に取り組んでいたのだと思う。昔ながらの、昭和の価値観も濃いが、その「小言」には重さと深さも感じられる。本から得た生半可な知識ではなく、魂がこもっていたと思う。

以下、テーマ別にご紹介する。なお、時代的にそぐわない考え方や、偏見とも読めるものがあるが、そこは原文に忠実に公開したい。そこは、割り引いて読んでいただければと。。。

仕事のコツ 16言

①まずはやってみろ。考えるだけでは決して完璧な成果は出せない。やってみることでゴールも見える。周囲や自分の現状も見えてくる。完璧を目指し改善するのは現状が見えてからだ。

②タスクや考え事はメモをしろ。書けば頭が動く。整理すれば先を見通せる。脳内から余計な考え事を吐き出して、クリアに考えられる脳内環境を作る。

③手間を減らす工夫をしろ。出来るだけ少なく軽く速く済むならば、前例だろうと上司の意見だろうと無視して構わない。

④自分のアイデアを若いうちに出し切る必要はない。自分の権限が出来て、責任も成果も自分のものに出来る状態になったら、そのとき全力を出せばいい。組織に手柄取られたら面白くない。

⑤意見への賛成や反対は、意見自体の正当性や納得性はに加え、その発信者と受け手の人間関係に左右される。自分の意見を通したければ、まず好かれて尊敬されろ。

⑥やってみたいことがあれば、影響の少ない範囲でテストしてみるといい。まずは動け。

⑦忘年会の幹事は積極的にやれ。当日までは手早く調整し、当日は全力で盛り上げろ。幹事も仕事のうち。上の人もよく見てるよ。

⑧当たり前だが、報告は必ずしろ。当たり前でも出来ない人が本当に多い。

⑨仕事を与えられたら、常に急かされていると思って対処しろ。急げ、急げ、急げ。

⑩人の話を一語一句全てメモする必要はない。話を聞いたあと印象に残った部分だけメモしておけばいい。今のお前にとって大切なのは、そこだけだ。忘れる程度の情報なら不要ということ。常にコスト(時間)と成果を意識しろ。

⑪淡々と要件だけを完結に書いていくのが良いメール。優秀な人かどうかは、メールを見れば分かる。

⑫ビジネスをやるなら、法律的な考え方は最低限理解しておけ。知らずに冒したときのリスクが大きすぎる。

⑬何かしたら一度振り返れ。作業したら一度確認しろ。ただ、何度も確認して時間を無駄にはするな。クリティカルな部分だけは外すな。その見極めは経験あるのみ。特に失敗したらよく反省して次に生かせ。

⑭ゴールを達成できたときのメリットと、そこに至るリスク量を頭に入れながら動け。得られるメリットが同じなら、リスクの小さい方を選べ。

⑮人が間違っているのは指摘して直すべき。たとえ上司だろうと。言い方は気を付けろ。

⑯何か指示されたら、理由はいいからまずは「はい」と言え。

仕事の学び方 2言

①仕事は身体で覚えろ。頭に頼りすぎるな。

②師は大切。自分が優秀だと考える人を真似して学べ。

対人関係 4言

①心では違うように思っていても、表面では優しさを演出することも大事。

②自分を嫌っていそうな人にも、たまにはご機嫌とりをしておけ。

③先生や上司は常に悪い点を探そうとする。それは嫌がらせではなく、彼らのメンツを守るのに必要なこと。優しく話半分に聞いてあげて、自分が納得できることだけ取り入れればいい。

④上司の優しい気遣いには素直に甘えておけ。例えば休みをもらえたら「おかげさまで楽しめました!」と一言フィードバックしておけ。これを言われて「本当にこいつは休みやがった」と思うような人は、上には立たない。

上司としての在り方 2言

①上司が仕事をしていない姿を、部下に見せてはならない。上司は常に部下の手本であれ。尊敬され、慕われる先輩でいろ。

②新しく入る人には、オリエンテーションをして、気さくに語り、仕事の全体感や、ミッション、役割、思いを伝えてあげなきゃダメだろ。

仕事哲学 12言

①現場は楽しい。そして、企業の付加価値を具現化するのも現場。現場は何より大事。でも、一歩引いたところから全体を統括するのも大切な仕事。バカにしちゃいけない。

②ルールを守って成果を出せないのと、ルールを破っても成果を出せるなら、迷わず後者を選べ。

③会社に対し意見の相違はたくさんあるだろう。でも、どれか一つでも自分が納得できるなら、あとは我慢して飲み込むべきときもある。

④出来る人に仕事はどんどん溜まる。しんどいこともあるがそれでいい。たくさん仕事をして稼げればいいと考え、受け入れろ。

⑤出来る人のところに仕事が集まる。上は負荷をかけてテストしている。仕事がパンクするか本人がパンクするか、ギリギリを見極めようとしている。余裕を見せているうちは際限なくやらされる。でも、それらを全て乗り越える気概をもて。

⑥大きな成果に結びつかない活動について、無理に頑張る必要はない。統一された意見や組織を一人でかき回す必要もない。どうでもいい活動は放っておけ。

⑦仕事では自分の納得有無に関わらず、やらなければいけないこともある。だが議論まで迎合する必要もなく、思うことは言えばいい。上司でも社長でも、好きに意見をぶつけてこい。それが適わず、それでも自分で好きにやりたければ起業するしかない。自分一人で稼いでいく力と覚悟があるならさ。それはもっと大変だよ。

⑧出来る人には仕事がたくさんくる。大変だが、そこで潰れず、愚痴らず、驕らず、愚直にどれだけ頑張れるかが、評価・出世・給料に響く。

⑨QCD全てを満たす必要はない。これらのバランスを見定めて都度調整できる人が「本当に優秀」な人。

⑩優秀な奴は、ゴミのような雑用だって、驚くくらいスピード感をもって完成度高く仕上げる。バカは雑用を軽視してやらない、もしくは手を抜き、そのレベルの仕事ですら満足にこなせない。結局バカは何も出来ない。

⑪会社の判断は、会社全体を考えてのもの。当然、個人には不幸をもたらす施策もある。ただそれは立場が違うだけで、低い視点から文句を言っても的外れになる。

⑫年下の女の子を仕事で上手く扱うことが出来たら一人前。

一般哲学 4言

①環境は大事。行動は環境に誘発される。落ち着いて生産的な活動をしたいなら、まず身の回りを片づけろ。オウムが言葉を一番覚えやすいのも、天気のいい日、陽当たる場所の午前中。よい環境へ移れ、もしくは作れ。

②本当のバカは、自分がバカだと気が付かない。バカを素直に認めている人は、それだけでも普通のバカよりマシ。

③バカは、恐るべきところを恐れず、恐れなくて良いことに恐れている。

④無知を認め、話を真摯に聞き、考えて学べ。

健康 5言

①不摂生にしないこと、よくたべてよく寝ることが、健康の秘訣。

②身体は暖かくしろ、湯冷めに気を付けろ、体調を崩したら素直に薬を飲め。

③通勤中に寝れるなら寝ておけ。寝不足なのに無理して勉強や仕事をする必要はない。電車は寝ろ。寝れなくても目を休めれば楽になる。

④病気は気から。自分で悪化を信じると(おそらくストレスもあり)本当に悪化する。

⑤自分のレベルにあった環境で働け。低レベルな環境で働くと、ストレスで身体を壊す。

家庭 1言

①自分の経験を子供にちゃんと伝えろ。それが親の責務。

最後に

いかがだっただろうか。納得できるものもあれば、そうでないものもあると思う。もし気に入ったものがあれば、教えてもらえたら嬉しいな。

なお、こんなメモを急に掘り出して公開したのは、親父の体調が優れず、手術も控えているから。感傷に浸りたいわけでもないが、思えば色々教えてもらったわけで、確実に僕の今の仕事観や人生観に影響を与えていた。いやこれは感傷に浸っているか…。

昔はうるさかった親の言葉。皆さんもときどき振り返ってみてください。

きっと、あなたのことを思っての言葉。意識せずとも今を形成しているだろうし、振り返れば今になって役立つものも多くあると思う。

あくえり



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