見出し画像

経営なるものをしていて身についた心構え3つ。その3.できると思ったらできる。できないと思ったら絶対にできない。

経営にとって行動力は車輪で決断力はエンジンだ。やる/やらないという決断を下して行動にうつしていく。そのときに、最初からできないかも・・と思っていたら、その行動は良い結果を絶対に伴わないだろう。行動には強い信念を持った決断が必要だ。

サラリーマンから経営者になって仕事の内容は大きく変わった。調整から決断、人からやらされる事から人にやらせる事、金をもらう事から金をはらう事。会社を興してから早10ヶ月、日々色々な壁にぶつかる中で実際に経験した心構えを3つ紹介したい。今回はそのみっつ目。

1. 計画は計画通りには進まない。

  「ない」は「ない」のだから。

2. 何をするかよりも何をしないかが重要。

  時間だけは万人に平等である。

3. できると思ったらできる。

  できないと思ったら絶対にできない。


おいおい、結果を一切出していないお前が何を言っているんだというお叱りを受けそうだ。でも、結果の出ない苦労続きの零細企業だからこそ言えることもあると思ってお許し願いたい。

改めて言えば、この3つはどれも当たり前のこと。当たり前のことを大声で言える厚かましさこそ経営者に求められる素養のひとつではないかと錯覚するほどに。

3. できると思ったらできる。

  できないと思ったら絶対にできない。


実際に経営を数ヶ月やってみるとよくわかることがある。「座して待つは死あるのみ」ということだ。自分で動かないと、誰も動かないし、何も進まない。行動力が大事というよりは、行動力が並外れていることがそもそもの大前提で基本、いや当たり前なのだ。そうじゃないと0から1は生まれないのだ。

行動力が荒れ狂った道を爆進する車輪だとすると、その車輪を回すためのエンジンは何だろうか。答えは簡単だ。決断力である。頭と心の中で火を燃やす決断力こそが行動力を動かすエンジンであろう。

決断力というエンジンと、行動力という車輪で、人と会社と経済は動く。

その決断力は簡単に言えば「やるか、やらないか」を決めることでしかない。世の中の真理はいつだってシンプルで美しい。イギリスの劇作家シェイクスピアも「ハムレット」の中で書いている。「To be, or not to be, that is the question.」。生きるか、死ぬか、それが問題だ。もしくは、このままかでいいのか、いけないのか、それが問題だ。いや、もっともっとシンプルに、やるか、やらないか、それが問題だ。うん、それが一番しっくり来る気がする。ちなみに僕はハムレットを読んだことはない。シェイクスピアの物語も一冊も読んだことない。件の名言は大学受験のときに「英文標準問題精講」という参考書で読んで衝撃を覚えて以来のものだ。あしからず。

僕のような零細企業でも世界に名だたる大企業でも常に困難がつきまとう中で事業を進めていかないといけない。僕は電通というある程度名の通った会社にいたが(今は悪名のほうが知れ渡ってしまい複雑な思いだ)電通は電通で会社の行く道に困難を極めていたし、クライアントのナショナルカンパニーも困難に直面していた。そんな日々の中、経営者はやるかやらないかを決めて動かないといけない。できないだろうな・・と思いながら実行したところで果たして最後まで完遂することはできるのだろうか??

できると強く思ってやらないと事は成し遂げられないのではないだろうか??一瞬の弱気が一生の後悔を生む。決断する前はいくらでも弱気になればいい。世の中、楽観と悲観のバランスが大事だ。でも、一度決断したらあとは必ずできるという強い信念を持って実行にうつさないといけない。

もちろん0から1を生み出すのも同様だ。僕がスキンケアの会社をひとりでやると決めたとき、周りのひとは十中八九できないと言った。そもそも商品そのものもできないでしょという意見が大多数だった。血迷ったなと思ったことだろう。電通はかなり給料の良い会社だったし、業界でも圧倒的一位を保っていた。その給料や立場を捨てて未知の世界に飛び込むのだからそう思っても無理はない。散々言われたけど、僕はできると思っていた。いまある熱いパッションと全ての男性の清潔感と自信をあげるというミッションだけを担保に何の根拠もなかったけどできるという確信があった。できると思ったらできるし、できないと思ったら絶対にできないのだ。あらゆる理論は最後には精神論には勝てない。理屈は屁理屈を論破できないのだ。複雑なロジックツリーよりも「できる→やる」という単純な一直線のほうが物事が進むこともあるのだ。そしていくつもの困難を乗り越えながら2年以上の開発期間を経てようやくオーダーメイド洗顔料BespokeWashはできた。これからはひとりでも多くの男性に使ってもらうべく頑張っている。これも「できる」と信じている。商品の力も信じているし、自分の行動力も信じている。

できると思ったらやり始めたら、あとは光に向かって進むだけ。

会社を経営してみてよくわかった。こんなに毎日、色々なことが起こるのか、と。それ以上に自分で決断して行動することはこんなに楽しいのか、と。僕は電通を辞めたことをまったく後悔していない。もっともっとBespokeWashを世の中に広めていきたいと考えている。

これまで書いてきた3つの心構えは当たり前のことかもしれない。でも自分で経験して絞り出した生の考え方だ。少しでも同じような立場の人やこれから何かを始めようとしている人の一助になれば幸いこの上なしである。